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武夷山市茶葉研究所と天遊峰、桃源洞茶区

2013年09月20日 category : BLOG, お茶の旅 

武夷山市茶葉研究所

御茶園のすぐ近くには武夷山市茶葉研究所があります。ここでは研究所の所長さんにお会いしてお話を伺うことができました。

この研究所では茶樹品種の保存や新品種の開発などが行われています。この場所だけでも100種類以上の茶樹が植えられているそうです。種の保存と美味しく作りやすい品種への改良は農産物を扱う上では本当に大事なことで、沢山の人の日々の努力によって私たちが美味しいお茶を今も楽しむことができるのだなと改めて実感しました。

その茶畑の奥には古い昔からの製茶所があります。ここで作られた岩茶は研究所と同じ系列の武夷星茶業から販売もされています。(当店では武夷山市茶葉研究所および武夷星茶業の岩茶のお取り扱いはしておりません。)

天遊峰

研究所の先には武夷山の中でも有名な天遊峰があります。巨大な一枚岩で出来ている岩山で、その大きさはアジアで1番の大きさだそうです。武夷山観光では必ず訪れる一番の観光地ですが、この天遊峰にも茶畑があります。

写真はその天遊峰の頂上から見た武夷山の景色です。写真ではとても分かりにくいですが、下の方にこれから天遊峰に登ってくる人が米粒のような大きさで写っています。これが一枚岩とは思えないほどの大きさに圧倒されます。

観光コースから見ると天遊峰の正面、多くは後ろの方にある桃源洞と呼ばれる場所にあります。

桃源洞茶区

この写真はかなり山を下ってきた場所にある茶畑です。もちろん頂上に近い場所にも茶畑があり、実際にはそちらの方が品質が良いとされています。頂上に近い場所の茶畑でも写真を撮っていたのですが、岩に挟まれているような地形で眺望が全くなく、どこの茶区の写真なのか分からないような状態で・・・山を少し下ってくるとこうして眺望が開けてきます。

桃源洞でも様々な品種のお茶が栽培されています。肉桂や水仙はもちろん、鉄羅漢や水金亀などもありました。


凍頂烏龍茶 2013年春茶
凍頂烏龍茶 2013年春茶

鈴茶堂がイチオシの作り手による凍頂烏龍茶です。
近年主流の焙煎の浅いタイプではなく伝統的な製法を守って作られた凍頂烏龍茶になります。

日本人にとって凍頂烏龍茶は馴染みがありすぎて「当たり前のお茶」と思われてしまっているかもしれません。本当はとても美味しい滋味あふれる基本でありながら、とても高度な技術が必要なお茶です。

最近はベトナムなどで作られた茶葉を持ち込んで作った安価な「凍頂烏龍茶」が多く流通していますが、凍頂の地で栽培された茶葉を使い、技術のある作り手がきちんと作った凍頂烏龍茶は全く美味しさが違います。この凍頂烏龍茶は代々この地で製茶を営んできた作り手が伝統的な製法を頑なに守って製茶したものです。その味わいは滋味深く、本来の凍頂烏龍茶そのものです。

この作り手の凍頂烏龍茶には実質的な賞味期限はありません。
非常に製茶技術と焙煎技術が高いため一般的な烏龍茶よりも水分量が少なく、年月を経ることで後熟成が進み、柔らかさや味の深みがどんどん増してきます。湿度と匂い移り、高温を避けて保存していただければ10年と長く楽しめるものです。

特級 蒙頂黄芽
特級 蒙頂黄芽

黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

香ばしさを感じる甘く爽やかなお茶です。リピートされる方も多く、隠れた人気商品です。
まだ夏の残り香を感じるような秋の日にお勧めのお茶です。


10月のお茶会には多くの方のお申込みをいただき、どうもありがとうございました。
おかげさまで満席となりました。

当初予定していた人数の倍以上までお席を増やしておりますので、当日はお席によって茶席が見えにくいといったこともあるかと思いますが、1人でも多くご希望の方にお茶を楽しんでいただこうと思っておりますので、どうぞご了承いただければと思います。
満席後、お申込みいただいた方には本当に申し訳ありません。また次回のお茶会の際、お申込みいただければ幸いです。