名称 |
凤凰单枞 蜜兰香(鳳凰単欉 蜜蘭香) |
産地 |
中国・広東省潮州市潮安県乌崇山大奄 |
種類 |
青茶・烏龍茶(半発酵茶) |
等級 |
特級 |
茶水の色 |
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このお茶に適した茶器 |
ティーポット・蓋碗 |
標準的な湯温 |
95~100℃ |
鳳凰単欉の中で有名な品種として知られています。日本にも多く輸入され、鳳凰単欉と聞くと蜜蘭香を連想される方も多いと思います。蜜蘭香はライチやマスカット、桃の香りに例えられる華やかなお茶です。
お茶にも流行があります。数年前まで鳳凰単欉といえば蜜蘭香が最も多く栽培、生産されていました。そのため、産地の中でも低山(標高の低い位置)でも殆どが蜜蘭香の栽培という状況になり、様々な品質の蜜蘭香が流通していました。
現在は蜜蘭香の流行は去り、現地では鴨屎香(ここ最近は銀花香とも呼ばれます)がそれにとって代わりました。
これは蜜蘭香というお茶にとって良いことであると考えます。流行にのって大量生産された品質の低い蜜蘭香ではなく、本来の蜜蘭香らしさを追求する生産者のみが蜜蘭香を大事に育て、製茶するようになります。
今回ご紹介する蜜蘭香もそういった生産者によるもので、高山地区(大奄・標高約950m)の足がすくむような急斜面の茶畑で栽培された無剪定、無農薬、無肥料の茶樹から作られています。茶摘みを行うのも大変な傾斜地にある茶畑の鮮葉のみを使用しています。一度は蜜蘭香の取り扱いを止めようかとも思いましたが、この品質、美味しさならばと、この茶畑から作られた蜜蘭香に限定してご紹介を続けることにしました。また、気軽に美味しい蜜蘭香を楽しんで欲しいという作り手さんの思いもあり、この蜜蘭香は現地と変わらない価格で特別にご提供させていただきいています。
蜜蘭香の中にもいくつかのタイプがあります。多くは馨しく華やかな香りと強い甘味のある味の系統です。中には最近の消費者に合わせて苦味を抑えているものも多くみられます。
こちらの鳳凰単欉 蜜蘭香はしっかりとした苦味と収斂味が隠されているクラッシックなタイプで、これらが実際に淹れた時に芳醇な旨みに変化していきます。最近では珍しくなった清楚な花をイメージさせる、上品で密やかな甘い香りと火の香りを持ち、しっかりとした回甘を持っています。しっかりと火入れがされているため、長期間にわたって熟成を楽しむこともできる、老茶も楽しめる蜜蘭香です。この蜜蘭香はむしろ年数による変化を楽しんでいくことができる、清楚で品のある蜜蘭香です。
2022年春茶
鳳凰単叢の高山表記について:
鳳凰単叢の産地では高山とされる産地はその中でも低い場所では標高650m以上の地域を指しますが、これは単純に数値だけで決められるものではありません。その環境、地形などから判断して高山地区と判断されます。当店の高山表記は標高の高さだけではなく、現地で高山地区とみなされるかどうかで表記を行っております。