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蒙頂茶

四川省雅安市名山県にある蒙頂山(蒙山)で世界で最初に茶樹の人工栽培が始まりました。

紀元前53年、野生茶樹の薬効を発見した呉理真によって7株の茶樹が蒙頂山に植えられました。これが世界最初の茶園となり、後に皇茶園と呼ばれる皇帝献上茶が作られる茶園となりました。
これらの献上茶は唐の時代から清代末まで続き、それらは蒙頂茶として中国最古の銘茶として今も名を馳せています。

蒙頂茶

また、蒙頂山には樹齢1000年の千年茶樹王と呼ばれる古茶樹が今もあります。灌木型(背の低い種類)にも関わらず、樹高3mにも及ぶそれらの茶樹は蒙頂山の歴史の深さを感じさせます。

蒙頂山は標高約1450mの傾斜の厳しい山です。このあたりは温暖な気候で雨が多く、霧が発生しやすい、まさにお茶の栽培には最適な環境にあります。斜面には沢山の茶畑があり、山のところどころには茶農家や小さな茶廠があります。
今も変わらずお茶づくりが非常に盛んな地域ですが、福建省などのお茶の産地に比べると農家や茶廠が小規模であることが印象的です。そのあたりが理由なのか、蒙頂茶はその名前の割に中国国内でも流通が少なく、四川省以外の都市ではあまり見かけません。質の良いものとなると更に難しく、日本へもあまり輸入されることがありません。

蒙頂茶

一口に蒙頂茶といっても様々です。もっとも有名な蒙頂茶は蒙頂甘露という緑茶です。次に蒙頂黄芽と呼ばれる黄茶が挙げられます。日本では殆ど知られていませんが蒙頂石花という緑茶も現地では良く知られています。川紅と呼ばれる紅茶も作られています。また、蒙頂茶とは異なりますが蔵茶もこの蒙頂山茶区で作られるお茶です。

蒙頂茶は茶聖・陸羽をはじめ、白居易などの歴代の詩人にも愛され評価されてきました。中国最古の銘茶といえば蒙頂茶と言われます。その評価の通り、とても上質なお茶です。

私たちが取引している茶農家、茶廠はとても小さく、小規模ですが丁寧に、真剣にお茶を作っている人たちです。茶畑の管理から茶摘、製茶、茶葉の熟成に至るまで、手を抜かずに真摯にお茶と向き合っています。

独特の深みのある甘く香高いお茶は他の地域のお茶には見られないものです。
一度味わうと忘れられなくなるような、まさに「甘露」なお茶を是非みなさまにも味わっていただけたらと思います。

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