雲南省臨滄(临沧)には有名ではない茶産地がたくさんあります。品質が大変高いのですが、同じ地域にある冰島などの有名産地の影に隠れてしまい、プロや相当な普洱茶愛好家でしか知らないという場所も多くあります。小勐峨もその1つです。 小勐峨は佤族(ワ族)が昔から住む素朴な村です。標高2000mを超える地域にあり、昔のまま、今も民族衣装を着る村人がほとんどです。同じ臨滄地域でも冰島などでは民族衣装を着る人はかなり少ないのですが、小勐峨では別です。あまり宣伝熱心ではないという傾向もあってか、小勐峨のお茶は中国国内でもほとんど知られていません。 昔ながらの茶園管理をしています。藤条茶と呼ばれる茶園管理方法は、小勐峨だけのものではありませんが、昔からの普洱茶の茶産地では清代の頃から伝統的に行われている方法です。茶樹の幹や枝を剪定するのではなく、枝の先端にある葉のみを残して、側面にある葉を摘み取ります。製茶に使用できないような老葉はそのまま下へ落とし肥料にします。茶樹は枝の先端だけ葉が残り、枝側面は葉がなくなります。この方法で管理をしていくと枝は太く成長しないため、藤のように細くしなる状態になります。茶摘みの際は、その枝を軽く手元に引き、容易に摘み取れるようになります。 小勐峨の樹齢100〜200年の茶樹から作られた2023年春の普洱生茶です。上記でご紹介した藤条茶と呼ばれる管理方法を行った古茶園のものです。 清らかな花香、香ばしさ、蜜のような甘味、とろりとした心地よい喉越し、炊きたての新米を思い出すような甘い旨味が感じられるお茶です。煎をすすめるとまた表情を変えます。柔らかい渋み、柑橘の果汁を連想するようなやさしい酸味、甘さに繋がるような心地の良い苦味、心地よい収斂味、表現しきれないほど様々な味わいを楽しめるお茶です。じっくり、ゆっくり、色々な表情を楽しむことができます。 普洱茶は時間の経過と共に表情を変えます。特に3年を経過した上質な普洱茶は深みを増し、お茶とは思えないほどに美味しく変化していきます。香りもより増してくるのも、上質な普洱茶の特徴です。 普洱生茶用に良く鍛えられた蓄熱性の高い紫砂茶壷が最適です。普洱熟茶に使用している紫砂茶壺の使用はお勧めいたしません。香りや味わいが濁ってしまいます。また、蓋碗や急須、ティーポットなどでも美味しく淹れることができます。なるべく蓄熱性のある茶器を使用してください。蓋碗の場合は大きめのものがおすすめです。小さい蓋碗の場合、湯量が少ないこともあって放熱が進み、どうしても高温を保って淹れることが難しくなります。 有名茶産地ではないため価格が抑えられていますが、品質はひけをとらないほど美味しい普洱生茶です。今後の価格はどのように変動していくか分かりませんが、日常のお茶としても、ちょっと特別な日に楽しむお茶でも、どちらでも十分にお楽しみいただける秀逸なお茶です。 2023年春茶 1個8g(熟成状態によって前後します) ※ 普洱茶(後発酵)の特性上、重さが前後いたします。重量は参考値となります。ご了承ください。 ※ 滅多にはありませんが、茶葉の中に籾殻などの異物が混入している場合もございます。これは現地において完全手作業で作られたために起因するもので、品質に影響するものではございません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。 |