あまり日本では馴染みのない緑茶ですが、安徽省の泾(ケイ)县の山奥、涌溪山で作られる炒青緑茶です。中国国内でも地元以外はあまり流通していない珍しい緑茶です。 涌渓火青は明代末期にはこのお茶の記録がある歴史のあるお茶で、茶葉の形がとても特徴的なお茶です。もともとは同じ安徽省の緑茶、休寧松蘿を真似てこの地で作られていましたが、旅に持ち運びやすいよう次第に現在の形状になったと言われています。ガンパウダーと呼ばれる球状の緑茶と良く間違えられますが、それとは異なります。(ガンパウダーは基本的に輸出用の安価な緑茶で産地などが異なり、涌溪火青は銘茶と呼ばれる高級茶になります。) 産地は安徽省の中でもかなりの山奥にあります。最初に産地を訪問した13年前に比べて、今は高速道路が開通したこともあり、だいぶ楽にアクセスできるようになりましたが、それでもまだまだ大変な場所です。その分、昔のままの自然が残されている地域でもあります。 独特の形状のため、通常の揉捻機は使えません。涌渓火青の製茶では製茶機械も専用に作られます。動力も人力です。 お茶の香りを楽しむためにガラス茶器(耐熱グラス・ポット)や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って翠の美しい茶葉を眺めながら楽しみます。一般的に緑茶は低い湯温で楽しむとされていますが、この作り手の緑茶は非常に品質が高く、高温で淹れても雑味がありません。低温から高温までお好みの湯温で楽しむことができます。 すっきりと爽やか、それでいて優しい甘味もあり、ミネラル感もしっかりと感じられます。少し粘性のある茶水で、春を感じさせる美味しい緑茶です。 休寧松蘿との飲み比べもおすすめです。 ※ ネット上での転売目的のお求めはご遠慮ください。当店の方で該当すると判断した場合はご注文をキャンセルさせていただく場合もございますので、ご了承ください。(セミナーや店舗、サロンなどでの頒布、販売などは今まで通り問題ございません。) |