九曲紅梅は福建省北部の武夷山付近から太平天国の乱の混乱を避けて浙江省のこの地へ移住してきた人々が作り出した紅茶と言われ、その名の九曲红梅の九曲は武夷山にある九曲溪から名づけられたものとされています。 龍井茶で有名な浙江省杭州ですが、かつてはこの紅茶も銘茶と名高く、一红一绿(一红一緑)と呼ばれていました。近年の紅茶ブームで盛り返してきてはいるものの、龍井茶に押されてかなり生産が下火になってしまった紅茶です。 この紅茶の伝統的な茶樹品種は在来種である鸠坑小叶种(鳩坑小葉種)と呼ばれるものですが、実際には様々な品種が使われています。 この九曲紅梅はなかでも奇蘭種から作られています。 中国茶に詳しい方は奇蘭と聞いて不思議に思われると思います。奇蘭は福建省などにある青茶(烏龍茶)の茶樹品種です。この九曲紅梅に使われているのは台湾の奇蘭種です。かつて、この地でお茶作りをしようとした台湾人が持ち込み、植えたまま放置されている奇蘭の茶畑があり、その半野生化した茶畑から摘み取って作ったものがこの九曲紅梅です。半野生化している茶畑ということもあり、整備された茶畑と違い、茶摘みを行うのですら足元が厳しいような状態で、ここ数年は茶摘をする人手の確保の問題などもあり、製茶が見送られてきましたが、2017年は3年ぶりに製茶を行うことができました。 とても技術の高く、現地では非常に有名な作り手が伝統的な製法を守り、全て手作業で機械を使わずに作ったとても上質な九曲紅梅です。 ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてください。 中国茶では楽しみ終わった茶殻も鑑賞して楽しみます。 2017年は気温がなかなか上がらず、九曲紅梅全体の製茶が遅れました。特にこの九曲紅梅は一般的な市街地近くにある産地ではなく、大湖山の山中にある茶畑で作られた茶葉を使用しているために例年よりも茶摘が遅れました。そのぶん、非常に香りよく、甘い、良い品質のお茶となりました。 ※ 缶入り装丁をご希望の場合はオプションでご指定ください。茶葉の量や形状などによってはお選びいただいた缶に入りきらない場合がございます。その場合は缶に入りきらない茶葉を別途袋装丁にてお届けいたします。装丁、缶の詳細はこちらをご確認ください。 ※ ギフト包装をご希望の場合は有料にて申し受けております。ご希望の場合はこちらからご注文ください。 |