日本では殆ど見かけることのない希少な青茶(烏龍茶)です。 漳平水仙は福建省の漳平市双洋镇中村で伝統的に作られている青茶で現在は漳平市各地で作られています。とはいえ、各地のお茶市場で聞いても知らない茶商さんも多く、このあたりの出身という人を除けば中国でも殆ど知られていない珍しいお茶です。 別名を水仙茶饼、纸包茶と言い、闽北水仙種の葉を木で作った鋳型に入れて四角い固形茶にしています。世界で唯一の四角い固形の烏龍茶とされています。 通常の青茶と同様に(一部独特の製法をとっている工程もありますが)製茶を行いますが、乾燥を行う前にこのお茶独特の造型工程に入ります。4センチ角の木型に茶葉を入れ、厚さ1cm程度の大きさにし、白い紙で包みます。この工程は今も人が1つ1つ手で行うため、1個の重量はまちまちです。平均して10g前後になっています。 名前の由来は清の乾龍帝にまつわる伝説があります。 漳平水仙には桂花香型と花香型とありますが、この漳平水仙は花香型の中でも最高品質の蘭花香型になります。標高800m以上の、漳平の中では最も高地の茶畑で作られています。また、機械を可能な限り使用しない伝統的な製法で作られています。 ここ数年、漳平水仙をマイナーな地方茶ではなく、ブランド化を目指していこうという動きがあります。中国国内の茶商でさえも知らないようなお茶ではなく、全国規模で名の知れたお茶となることを目指して地域ぐるみで動いているようです。このブランド化への動きは価格の上昇も見られましたが、同時に製茶方法の改善という良い結果ももたらしています。 また、完全無農薬、有機栽培を徹底しています。茶畑の中には養蜂の巣箱が設置されていて、お茶と共にこの地での重要な農産物となっています。ほぼ手をかけずに育てている自然農法を徹底しています。 爽やかな甘味、ミネラル感、奥行きの深い滋味が花香と共に上品にバランス良くまとまっていて、品格のある蘭香と爽やかで深みのある優しい甘味が感じられます。特に秋茶は香りの良さと味の深みがよく出ています。 独特の形状から蓋碗をお勧めします。また、マルチティーサーバーやティーポットでも美味しく楽しめます。 綺麗な薄い金色のお茶です。非常に煎持ちが良く、淹れ方にもよりますが通常は15~20煎以上楽しむことができます。 2017年の秋は大変に良い仕上がりです。秋茶は香りが良く、なかでも当店がお願いしている作り手は気温がしっかりと下がってから作るため、一般的な漳平水仙よりも遅い時期に製茶を行います。品質にこだわり製茶を行い、その中でも最高レベルのロットをご提供させていただきます。 ※ 茶餅の整形を手作業で行っている製法上、1つ1つの茶餅の重さは異なります。平均10g程度とお考えください。 |