| 名称 | 景邁(景迈)古樹晒紅(雲南紅茶) | 
| 産地 | 中国・雲南省景迈村中国云南省普洱市澜沧拉祜族自治县景迈 | 
| 種類 | 紅茶 | 
| 等級 | 希少茶のため等級なし | 
| 茶水の色 |  | 
| このお茶に適した茶器 | ティーポット・茶壷・蓋碗 | 
| 標準的な湯温 | 80~100℃ | 
雲南の景邁山は古茶樹が多いことで知られています。景迈山千年万亩古茶园と言われているほどです。
2023年9月17日、その茶園が世界文化遺産に認定されました。10年以上前から申請していたそうで、ようやく認められ、現地の人たちも大変喜んでいます。

厳しい山の中に村や茶園が点在しています。環境を守ることに力を入れていて、山へ向かう道も舗装を控えているほどです。舗装は茶樹に悪影響があるとして、石を敷き詰めた石畳のような道になっています。そのため、車のタイヤへの負荷が高く、年に2回タイヤ交換が必要なほどです。景邁山の入り口には検問があり、外部から他の地域の茶葉(産地偽装対策)や農薬が持ち込まれないよう監視しています。景邁山のお茶と環境を守るための地元の人々の努力です。

この写真の茶園の樹齢300年ほどと思われる古樹から、代々現地に住む拉祜族(ラフ族)の友人が製茶した晒紅です。通常の雲南紅茶(滇红)とは違い、天日乾燥、つまり火や熱を使わず全て太陽のちからを使用して作られています。
もちろん無農薬、無肥料です。年に2回、下草を刈り取り、その刈り取った草がそのまま土に還ることで茶樹の栄養になっています。また、周囲の森も含め、自然のまま、人の手を加えずに守っています。実際に私達が訪れた際も10m以上あると思われる古木が、その生命を終えて崩れてきました。かなり高い場所から崩れ落ちるため、かなり大きな音がします。また、割りと頻繁に起こるため、それらが頭上に落下する危険も決して少なくありません。(怪我をする人もいるそうです。)それでも森はそのまま、崩れた古木も養分となるべく崩れ落ちたまま自然に還るのを待ちます。
静かな景邁の森を思い出すような花の香り、古樹ならではの深みのある滋味、優しい果汁のような甘味。ほっこりとしていて爽やか、静かに、優しい紅茶です。派手さはありませんが、ずっと寄り添っていたくなる、体に沁みるような「景邁らしい」紅茶です。
ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてください。
湯温は85~95℃位がお勧めですが、渋味や雑味がないため高めの湯温でもおいしく淹れられます。
上質な晒紅は年月を経ることで更に美味しさを増します。
今でも十分に美味しい紅茶ですが、1年後、2年後、5年後もまた楽しみな紅茶です。