日本では殆ど見かけることのない希少な青茶(烏龍茶)です。製茶品質のばらつきが大きく、鈴茶堂ではずっと何年も現地に通って、ようやく納得できる品質のお茶を作る、茶農家さんと出会い、以後10年間以上、日本の方が殆どこのお茶をご存じないという時からご紹介してきました。特に炭焙煎を行うことの出来る茶農家は少なく、現在は数件しか残っていません。 別名を水仙茶饼、纸包茶と言い、闽北水仙種の葉を木で作った鋳型に入れて四角い固形茶にしています。世界で唯一の四角い固形の烏龍茶とされています。このあたりのお茶の作り方が台湾の包種茶の起源とも言われる歴史のあるお茶です。 通常の青茶と同様に(一部独特の製法をとっている工程もありますが)製茶を行いますが、乾燥を行う前にこのお茶独特の造型工程に入ります。4センチ角の木型に茶葉を入れ、厚さ1cm程度の大きさにし、白い紙で包みます。この工程は今も人が1つ1つ手で行うため、1個の重量はまちまちです。平均して10g前後になっています。 名前の由来は清の乾龍帝にまつわる伝説があります。 漳平水仙には桂花香型と花香型とあります。桂花香型は漳平の中でも比較的低標高の茶畑で作られたものを、花香型は標高の高い茶畑で作られた上質なものとなります。この漳平水仙は花香型の中でも最高品質の蘭花香型になります。標高800m以上の、漳平の中では最も高地の茶畑で作られています。また、機械を可能な限り使用しない伝統的な製法で作られています。更に炭焙煎を行い、通常の蘭花香よりもずっと手間と時間をかけて作られています。最近は軽火(軽焙煎)をご紹介しておりましたが、この春は蘭花香を十分に引き出せるよう中火(中焙煎)に仕上げていただきました。暑い夏に心地よく感じていただけるような焙煎具合にしております。 また固形にする際の技術も味わいや香りに影響します。熟練した作り手によるものは、大きすぎず、圧をかけすぎず、最適な大きさ、緊圧をもって成形を行います。産地でもこの成形技術のレベルはまちまちで、大きすぎるものや小さすぎるものなど様々なものが見られます。実際、大きすぎるものなどは味わいが鈍く感じるようになってしまいます。 ほっこりとした香ばしい火の香りと、甘い柔らかな花香が感じられます。深みのある旨みと柔らかで心地良い回甘、ミネラル感がとても強く、焙煎を施すことで清香とはまた違った茶樹の旨味を強く感じることができます。 また、完全無農薬、有機栽培を徹底しています。茶畑の中には養蜂の巣箱が設置されていて、お茶と共にこの地での重要な農産物となっています。ほぼ手をかけずに育てている自然農法を徹底しています。(当店取扱以外の漳平水仙はその限りではありません。) 爽やかな甘味、ミネラル感、奥行きの深い滋味が花香と共に上品にバランス良くまとまっていて、品格のある蘭香と爽やかで深みのある優しい甘味が感じられます。特に春茶は優しい味わいが特徴です。 独特の形状から蓋碗をお勧めします。また、マルチティーサーバーやティーポットでも美味しく楽しめます。 綺麗な薄い金色のお茶です。非常に煎持ちが良く、淹れ方にもよりますが通常は15~20煎以上楽しむことができます。 とても珍しい固形の烏龍茶です。 中火(中焙煎) ※ 茶餅の整形を手作業で行っている製法上、1つ1つの茶餅の重さは異なります。平均8g程度とお考えください。 ※ 清香系の伝統 漳平水仙もございます。 |