中茶牌の鉄餅の歴史は古く、1950年代まで遡ります。元々はロシアなどの輸出向けに鉄の型を使って整形する製法で作られていた普洱生茶です。通常、石と布を使って整形する普洱茶ですが、この鉄の型を使うことで独特の風味が生まれ、当時、初期生産のものは今や手の届かないほどに高価なお茶として知られています。 雲南中茶公司による、この藍印鉄餅は春尖、早春の清明節前に1芯3葉で摘み取られた上質な茶葉を使用して2006年に作られました。出庫直後から広州乾倉で、ほぼ10年間熟成を行っています。樟香が素晴らしく、とてもお値打ちなお茶です。 鉄餅らしく厚みの少ない、また、鉄型の凹凸が見てとれる独特の形状をしています。茶葉はしっかりと艶があり、白露などは確認できません。非常に良い状態です。春尖茶らしい新芽も確認できます。 老餅茶の良い所は適切に熟成されていれば当然ながら本来の普洱茶の味と香りが楽しめますが、その保管場所によってもそれらが変化することです。 近年作られている普洱茶で現在流通しているものは未入倉と呼ばれる、加工用の倉で保管されていないものが殆どです。普洱茶ブームにより多くの人が普洱茶を求めるようになった結果、普洱茶自体の品薄と、今まで緑茶などしか飲まなかった人が倉熟成された普洱茶本来の深みのある味わいをいきなり好むようになるわけでもなく、北京の方の人たちが好むのは倉熟成していない未入倉の普洱茶です。これは普洱茶に限らず青茶(烏龍茶)などにも同じことが起きていて、武夷岩茶や鳳凰単欉、鉄観音などもどんどん醗酵も火入れも浅く、緑茶のような加工が主流となってきています。 乾倉は乾燥している倉ですが、加工用のため湿度は結構高い状態です。外気を適度に取り入れて、最低でも50%、夏場は70%近くにも上がります。湿度の高い地域で保管されていますので、特に湿度をコントロールしなくてもこの程度の湿度になるそうです。乾倉の中にはもう1つのタイプ、除湿を行った本当に乾燥している倉もあります。 湿倉は密封されたような状態で、茶葉などに直接水をかけたりなどして強制的に加湿されている倉庫です。湿度は80%前後にもなります。醗酵を早めるために行われます。腕の良い茶商であれば最高の風味に仕上がりますが、一方で黴臭くさせてしまう茶商もいます。 どのタイプの倉も茶商の腕にかかっています。お茶の状態を見ながら倉から出したり、倉の中の配置を変えたりしています。倉から出して保管用の乾燥した倉庫で調整することも多くあります。茶商によって風味が変わるのは倉熟成した普洱茶の醍醐味でもあります。 広州乾倉の中でも非常に腕の良い茶商によって熟成されているせいか、高く見事と言えるほどの綺麗な樟香が楽しめます。心地よい柔らかい収斂味と、しっかりと、そして長く続く回甘とのバランスが本当に素晴らしい生茶に育っています。生茶の強さはすっかり影を潜めて、柔らかく、優しく、それでいて力強い、まさにプーアル茶熟成のお手本のように育っています。 通常であれば倉熟成を行い、ここまで状態が良く、香り高い普洱茶はそれなりに高価になります。今回、黒茶専門家として高名な師のおかげで現地と殆ど変らない価格でご提供できることになりました。 1枚約380g ※ 滅多にはありませんが、茶葉の中に籾殻などの異物が混入している場合もございます。これは現地において完全手作業で作られたために起因するもので、品質に影響するものではございません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。 販売価格(税別)
¥9,200
( 税込¥9,936 ) 在庫状態 : 売り切れ
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