径山茶は日本のお茶の起源と言われているお茶です。元々は径山寺という禅寺で作られていたお茶で、宋の時代に禅の修業にこの禅寺へ行った日本の僧侶が径山茶の種や茶道具などを持ち帰り、それが日本のお茶の起源になったと言われています。碾茶法(茶葉を粉にする方法。抹茶の原料)もここから伝わったと言われています。一度、清代末期に径山寺が荒れ果ててしまい、このお茶の生産も途絶えてしまいましたが、近年に復活し、今では数々の賞を受賞する名茶として知られています。 浙江省杭州市余杭区の天目山東部にある径山一帯で作られ、径山毛峰茶とも呼ばれています。海抜1000mという標高の高い場所で、温暖湿潤、お茶を作るのにとても適した地域です。標高が高く斜度のきつい斜面で無農薬栽培された茶樹から作られています。 グラデーションになった緑が非常に綺麗な茶葉です。1つ1つが小さく、非常に細かい白毫が白く出ていて綺麗です。白毫というのは茶葉の先端についている芯芽のことで、紅茶ではシルバーチップなどと呼ばれる希少な芽の先端部分です。緑茶では一般的に白毫が多い方が良いとされ、この先端部分は甘さや柔らかさ、旨みなどを多く持っています。 お茶の香りを楽しむためにガラス茶器(耐熱グラス・ポット)や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って翠の美しい茶葉を眺めながら楽しみます。 お茶は透明感のある薄い金色で、爽やかな花の香りと豆のような香ばしい穀物の香りがあります。白毫が浮いているのが分かります。味はとろりと甘く、旨みが非常に強いです。旨みが非常に強いので、まるでスープのようです。爽やかな苦味もあり、非常に厚みのある味わいになっています。 日本のお茶の起源とされているだけに日本人の口にも合いやすく、飲みやすく美味しいお茶です。 |