手工岩茶 桃源洞 金鎖匙 2026
| 名称 | 桃源洞 金鎖匙 |
| 産地 | 中国・福建省武夷山桃源洞 |
| 種類 | 青茶・烏龍茶(半発酵茶) |
| 等級 | 特級 |
| 茶水の色 | |
| このお茶に適した茶器 | ティーポット・茶壷・蓋碗 |
| 標準的な湯温 | 95~100℃ |
金鎖匙は武夷山に古くからある名叢のひとつです。武夷宮の山前村が原産とされ、在来の菜茶から選ばれ挿し木で大切に増やされてきました。名前の由来は、葉や茶の形が鍵に似ている、岩の隙間など見えにくい場所に生えていた、などといった伝説を持つお茶です。武夷の名叢を長く集めてきた農芸師、羅盛財の『武夷岩茶名叢録』では、番号3の本地種として載せられています。花香が高く、甘さが出やすい大変美味しいお茶ですが、生産量のすくない岩茶の1つでもあります。
岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶。武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。
標高の高い厳しい岩山の隙間で育つ正岩茶は収穫量が少なく、平地のように畑を切り開く訳にもいかないため増産もできません。希少茶です。今でこそ普通に見かけることの多い岩茶ですが、実はその殆どは正岩茶ではありません。
この金鎖匙は桃源洞で育った茶樹から作られています。天遊峰の奥、岩に挟まれた場所に茶畑があります。もともと生産量の少ない金鎖匙ですが、本物の正岩の金鎖匙はさらに限られます。
驚くほどに深く甘く、そして甘い花香が素晴らしく、ミネラル感をしっかり含んだ滋味が広がる大変秀逸な岩茶です。火入れも強すぎず、弱すぎず、絶妙な加減で行われています。店主も驚くほど完成度の高い、こんなに美味しい金鎖匙があったのかと唸るほどの美味しい岩茶です。
大きさの揃った茶葉は細やかな艶をしっとりとたたえています。焙煎の程度は中程度です。
ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてみてください。透明感のある金色のお茶は煎を進めるほどに甘さと旨味を増していきます。
十分に楽しんだ後は茶殻も鑑賞してみてください。中国茶では茶殻の形も楽しみます。
深い緑と艶の美しい茶殻です。葉があまり砕けていないため、元の鮮葉の状態が分かるようです。柔らかくふっくらした茶殻はミネラルや旨みを十分含んでいたことが分かります。
先日の武夷岩茶・鳳凰単叢試飲茶会で大変人気の高かった岩茶です。2番人気位でしょうか。香りと味わいのバランスが非常に良く、8月の、まだ十分に火が落ち着いていないにも関わらず、これは美味しいと納得する美味しさでした。
当店の岩茶はこの金鎖匙に関わらず、昔ながらの伝統的な製法によるものです。最近、日本で流行っているような火入れの浅い、口に含んだ時に香りを強く感じるような派手な岩茶ではありません。身体の中から香りと味わいが戻ってくるような、舌ではなく身体で楽しむ、はっきりした岩韻を持つ岩茶です。その分、味わいが深く、煎が効き、時間の経過と共により美味しく変化していくクラシカルな岩茶です。
2026年春茶
関連ブログ:
北京から武夷山へ
武夷山駅到着
武夷岩茶研究所 工場訪問(焙煎室)
武夷岩茶研究所 工場訪問(審評室と毛茶加工)
武夷山 水簾洞茶区
武夷山 慧苑茶区
流香澗と大紅袍母樹
武夷山 御茶園
武夷山市茶葉研究所と天遊峰、桃源洞茶区
武夷山 茶農家さん訪問