胡錦濤前国家主席が訪中したロシアのプーチン氏にプレゼントしたことから脚光を浴び、一時は大変に高価な価格で取引されていた緑茶です。柿大茶種という大きな茶葉から作られる独特の形状をした茶葉は、その外観もあって一躍有名となりましたが、太平猴魁は清代のころから作られているお茶の1つでもあります。山深い小さな村で作られていたお茶のため、プーチン氏にプレゼントされるまではあまり知名度が高くはありませんでした。 味わい、香りはとても優しく繊細です。機械で作られる太平猴魁は今回ご紹介するものよりも扁平な形をしていますが、今回ご紹介する太平猴魁は手工、機械を使わずに全て手作りのお茶です。4月14日に摘み取られ、丁寧に製茶されています。 お楽しみいただく際はガラス茶器や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って翠の美しい茶葉を眺めながら楽しみます。大きな茶葉はお湯をかけるとすぐにもとの柔らかさを取り戻します。淹れる際に茶器から茶葉が飛び出していてもお湯をかければ収まります。 清らかな蘭香が高く出ます。太平猴魁はこの蘭香が特徴です。中国国内でも太平猴魁と名乗るお茶が以前よりも多く流通するようになりましたが、本来の生産地である猴坑か、そうではない産地かでこの香りが大きく違います。猴坑産の太平猴魁の香りは格別です。また、今年は雨が少なく、生産量が大きく下がったものの、雨が少なかったことで味わいの奥行きと特にこの蘭香が素晴らしく出ています。茶質がしっかりとした上質な茶葉であるため、とろりとした甘い味わいが長い余韻と共に楽しめます。 何年も前からご紹介したいと作り手さんを訪問したりと検討していた太平猴魁ですが、近年は価格も収まってきたとはいえ、まだまだ高価であったり、品質と価格のバランスがうまくとれなかったりと入荷を見合わせてきたお茶です。特に今年は安徽省を含め、各地茶産地で雨が少なく、かなりの減産となりました。この作り手さんとは長年のお付き合いということもあり、昨年と同じ価格でご提供できるよう配慮いただきました。 |