名称	明前 四川玫瑰红茶（四川玖瑰紅茶）
産地	中国・四川省雅安市名山県蒙頂山茶区
種類	紅茶
等級	特級
茶水の色
このお茶に適した茶器	ティーポット・茶壷・蓋碗
標準的な湯温	80℃前後

人気の四川高山紅茶の明前茶です。名前にある玫瑰（メイグイ）は日本で言うところのハマナス、バラの原種です。この四川紅茶はその玫瑰の香りのする紅茶として命名されています。後から香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ではなく、茶葉本来の香りがまるでバラのようであることから名づけられています。

明前というのは良く緑茶に使われる言葉です。二十四節気の清明節、4月5日（または4日。その年によって前後します。）は春が本格化して花が咲き誇る区切りの日とされています。現代の日本ではそれほど意識しませんが、中国ではこの日に祖先の墓をお参りする特別な日として認識されています。その清明節より前に摘み取られたお茶を明前茶と呼び、香りと甘味が優れた高級茶として区別します。温暖な四川省の緑茶の場合、標高が高い場所などの理由がない限り清明節以前に茶摘みを行うため、あまり明前ということは意識されません。ただし、紅茶の場合は別になります。
美味しい紅茶にするためにはある程度のカテキンが鮮葉に含まれていることが必要です。紅茶の製造過程で行われる酸化発酵において、鮮葉に含まれるカテキンの一部が変化して紅茶ポリフェノールと呼ばれる物質が生成されます。この際、鮮葉に含まれるカテキンが十分でないと美味しい紅茶にはなりません。そのため紅茶の製造においては、ある程度茶葉が成長して十分にカテキンなどの成分が生成されて含まれている状態ということが大切になります。緑茶の場合は酸化発酵を行いません。（中国茶の場合はごくわずかですが酸化発酵が行われます。）そのため、カフェインやカテキンといった、そのままでは苦みや渋みを持っているような成分が少ない、より若い茶葉が適しています。そのため、若い茶葉を使用しているという1つの指標として明前という区切りが使用されます。
明前、清明節以前の若い茶葉を使用して美味しい紅茶を作るためには高い技術力が必要です。この四川玫瑰紅茶の作り手さんは農閑期には大学で製茶について学生に指導を行うような、とても研究熱心で真面目な方です。常により美味しく、安心して楽しめるお茶づくりを目指している人で、この四川玫瑰紅茶はその努力の結果として生まれました。既に四川高山紅茶をお楽しみいただいている方には、この作り手さんの技術の高さがお分かりいただけていると思います。

この四川玫瑰紅茶は四川省蒙山の標高1200m以上の高山地帯で栽培された茶葉を4月3日に摘み取って作られました。

黒々とした茶葉に金粉をまぶしたような、金色の美しい茶葉です。この金色はゴールデンチップです。茶葉の先端についている芯芽で、一般的にはゴールデンチップが多ければ多い程、高級とされています。ゴールデンチップは柔らかさと独特の甘さを加えます。小さな茶葉で構成されていてことからも、明前の若い茶葉を使っていることがお分かりいただけることと思います。

ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてみてください。若く、とても繊細な茶葉ですので湯温は少し低めの80℃前後をお勧めします。

綺麗な透明度の高い橙褐色の紅茶です。玫瑰の香り、甘い可憐なバラの様な花の香りがあります。茶葉だけによる香りとは思えないほどに綺麗な甘い花の香りです。味わいは柔らかく、品のある自然な甘味とミネラル感を感じていただけます。
淹れたお茶の湯温が下がると更に甘く濃厚に変化します。花の香りに加えてキャラメルのような甘い香りが立ち上り、味わいもより深い甘味が増してきます。
特に2014年は香りも甘味も非常に綺麗に出ています。

飲み終わった後の茶殻も是非お楽しみください。中国茶では飲み終えた後の茶葉を鑑賞して楽しみます。良く肥えてふっくらとした芯芽で構成されています。とても若い、繊細な美しい茶葉です。

※ 缶入り装丁をご希望の場合はオプションでご指定ください。茶葉の量や形状などによってはお選びいただいた缶に入りきらない場合がございます。その場合は缶に入りきらない茶葉を別途袋装丁にてお届けいたします。装丁、缶の詳細はこちらをご確認ください。

※ ギフト包装をご希望の場合は有料にて申し受けております。ご希望の場合はこちらからご注文ください。

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