名称 |
祁门(祁門) |
産地 |
中国・安徽省祁門県历口镇(歴口鎮) |
種類 |
紅茶 |
等級 |
特級 |
茶水の色 |
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このお茶に適した茶器 |
ティーポット・茶壷・蓋碗 |
標準的な湯温 |
80~100℃ |
インドのダージリン、スリランカのウバと並んで世界三大紅茶と名高い紅茶です。ヨーロッパで非常に評価が高く、今も各国王室で愛されているほか、イギリスなどでも人気のある紅茶です。
祁門は祁門香と呼ばれる蘭の花の香りとリンゴなどの果物に例えられる特有の香りを目指して作られます。この祁門香をスモーキー(焙煎香)と例えられることがありますが、それは本当の祁門香ではありません。
本来の祁門はスモーキーではあってはならないのですが、焙煎香のない祁門を作るのは難しく、流通する多くの祁門はスモーキーなものが多く見られます。本当に上質な祁門には焙煎香はありません。実際、本当の祁門香を持つ祁門を作ることができる製茶場が非常に少ないのも事実です。
以前にお世話になっていた祁門の作り手が高齢のために引退、後継者もなく入荷を諦めていましたが、縁あって祁門発祥の地と言われる历口镇(歴口鎮)で昔ながらの焙煎香のない香り高い祁門にこだわる作り手と出会うことができ、素晴らしい品質の祁門を入手することができました。
2021年の3月下旬に祁門本来の品種である祁門槠叶种(祁門櫧葉種)のみを使って丁寧に製茶された祁門です。祁門の中でも最高級のものに名づけられる祁眉は祁門の中でも仙寓山の海抜1000m付近にある茶畑から作られます。その中でもこの祁眉は樹齢80年近くと思われる、何世代も大切に育て続けてきた古樹から作られています。大変に香りが良く、清廉で、深みのある甘い味わいと古樹の持つ複雑なミネラル感とのバランスの良さが素晴らしい祁門です。
日本では祁門の中でも紅香螺が上質なものとして知られつつありますが、祁眉はさらにその上の品質のものです。紅香螺は田螺の形状、丸まった茶葉の形状をしていますが、これはある程度茶葉が成長して大きくならないとその形状にすることができません。茶葉が小さい場合、最上級の茶葉から作られるものが祁眉となります。また、紅香螺は近年になって作られるようになった茶葉形状、等級ですが、祁眉は昔からのまま、伝統的な製法によるものとなります。
ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてください。
透明度の高い赤褐色の紅茶です。リンゴの香りと後から花の香りを感じる、深みのある華やかな香りがあります。味は濃厚な甘さとごくわずかな酸味、複雑な滋味がしっかりと感じられます。
とても上質な祁門ですので高温でもより香り高く、おいしく淹れられます。
ブラックティー(ストレート)は当然、ミルクティーにしていただいても美味しくいただけます。
濃い目に淹れてバニラアイスと合わせたアフォガードは、鈴茶堂のお茶を使ったレストランでの人気デザートの1つです。焙煎香のない、華やかな祁門だからこそ合わせるものを選ばずにお楽しみいただけます。またバーではダークラムなどと合わせたカクテルなども人気です。渋みや収斂味がない上質な祁門であるため、お酒との相性が非常に良いのも特徴です。
祁門は1年が経過して本来の祁門香が楽しめると言われる紅茶でもあります。お手元に長く置いていただき、その変化を楽しむのもおすすめです。
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