鴨屎香を直訳すると「鴨の糞の香り」という意味ですが、その名前の由来はこのお茶の美味しさを物語っています。 この鴨屎香は標高の低い中山や低山で栽培されたものではなく、高山地区にある大奄、なかでも標高約950mにある茶畑で栽培されています。(大奄地区といっても同地区内での標高差が激しく上は標高1000m位、下は5〜600mと位置によっても変わります)かつて、まだ鴨屎香が大量に作られていなかった頃から大切に育てられている樹齢推定80年という茶樹から作られた茶葉です。かつての鴨屎香を思い出させる、とても深く清らかな香り高い鳳凰単叢でした。元々は友人作り手の親戚が所有、製茶を行っていた茶樹でしたが、高齢のため引退、跡継ぎがいないために友人作り手が製茶をするようになった茶樹です。香り味わいの素晴らしい鴨屎香です。 湯温は100℃位がお勧めです。蓋碗やガラス、陶磁器のポットなどでお楽しみください。茶壷を使う際には鳳凰単叢用に良く鍛えてあるものをお勧めします。 品格のある清らかな果香が感じられるお茶です。一般的な鳳凰単欉に見られる苦みが殆ど無く、すっきりとした上品な甘さと老樹ならではのミネラル感、滋味がしっかりと感じられます。 この美味しさは時を経てより深く柔らかく変化していきます。しっかりと火入れがされているため、長期間にわたって熟成を楽しむこともできる、老茶も楽しめる鴨屎香です。時間を経ることで、より味わい、香りと共に深く変化していきます。その変化もお楽しみいただければ幸いです。 2021年春茶
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