英徳市では古くから製茶が行われていましたが、英徳紅茶は比較的近年になってから作られるようになった紅茶です。とはいえ、中国を代表する紅茶の1つに挙げられています。限られた生産者のみで生産されてきたことや、ほとんどが中国国内ですら流通することなくヨーロッパなどへ輸出されてしまうため、入手の難しい紅茶です。近年の紅茶ブームによって生産者が増えたものの、今も入手しやすいとは言えないお茶の1つです。 英徳紅茶の原料となる茶葉品種には規定がありませんが、主に鳳凰単叢に使われる鳳凰水仙種、雲南大葉種から作られています。また、先に挙げた品種よりも生産量はかなり少なくなりますが、これらを掛け合わせて作出された英紅九號からも作られています。どれも同じ「英徳紅茶」として流通していますが、実際には香り味わい共に大きく異なります。英紅九號から作られた上質な英徳紅茶はとても香りが高く、味わいも深みのある甘味とミネラル感があります。鈴茶堂ではこの英紅九號にこだわります。 有機栽培と無農薬を徹底的に管理された山中の茶園で育った英紅九號を2018年3月に摘み取り、丁寧に製茶しています。黒褐色を基調に適度に金毫(ゴールデンチップ)が入ったバランスの良い茶葉です。 赤みの強いルビー色の紅茶です。綺麗な果香が感じられます。しっかりとした深みのある甘味と爽やかな酸味、柔らかな渋みが微かに感じられ、余韻も長く続きます。英徳紅茶らしさもしっかり感じられます。 英徳紅茶のお手本となるような、基本をすべておさえた秀逸な紅茶です。飽きることなく楽しめる味わいとバランスの良さが目立っています。上質な英徳紅茶は年月を経ることでより味わい、香りが深く変化していきます。お手元でゆっくりと後熟成して、その変化を楽しむのもおすすめです。 2017年の英徳紅茶も若干数ですが、ございます。味わい、香りの深さではこちらがおすすめです。 |