名称 |
蘭香甘露 |
産地 |
中国・四川省雅安市名山县(県)蒙山 |
種類 |
再加工茶・花茶(君子蘭) |
等級 |
特級 |
茶水の色 |
|
このお茶に適した茶器 |
ガラス茶器(耐熱グラス・ポット)・蓋碗 |
標準的な湯温 |
75~85℃ |
中国・四川省の有名な名茶、蒙頂甘露の茶葉に丁寧に君子蘭の香りを移した上質な花茶です。
一般的に花の香りを移す花茶に使われるのはジャスミンの花(茉莉花)ですが、この蘭香甘露は君子蘭を使用して香りを移しています。清らかで品格のある蘭香と蒙頂甘露の優しく深い味わいが素晴らしいお茶です。
ベースの蒙頂甘露は四川省蒙山の標高1000m以上という高山地帯で栽培された茶葉を使用しています。無農薬認証は得ていませんが、標高が高く斜度のきつい斜面で栽培された無農薬栽培の茶樹を使用しています。
茶葉には驚くほど白毫がびっしりとついています。白毫というのは茶葉の先端についている芯芽のことで、紅茶ではシルバーチップなどと呼ばれる希少な芽の先端部分です。緑茶では一般的に白毫が多い方が良いとされ、この先端部分は甘さや柔らかさ、旨みなどを多く持っています。一般的な花茶に使用される蒙頂甘露とは格段に違う品質の高い茶葉を使用しています。
君子蘭の香りを移した花茶は非常に珍しいものです。一般的なジャスミンなどよりも香りを移す窨制工程が難しく、作り手の技術が問われます。この蘭香甘露を作り出した作り手は店主が知る限り最も高い窨制技術を持っています。
窨制とは生の花から花の香りを茶葉に移しますが、その際にどうしても花のもつ水分が茶葉に吸収されてしまいます。そのため、1晩花の香りを移した茶葉は加熱して乾燥させます。これを何日も何度も繰り返すのですが、段々と茶葉も焼けてしまいます。多くのジャスミン茶をはじめとした花茶に焼けたような味が残るのはそのためです。この蘭香甘露にはその独特の味がありません。非常にフレッシュで甘く爽やかな香りと味を持っています。
上質な君子蘭の香りとお茶の香りを楽しむためにガラス茶器(耐熱グラス・ポット)や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って翠の美しい茶葉を眺めながら楽しみます。
湯温は一般的には低めの75~85℃でじっくりと淹れますが、元の茶葉の品質が高いため、雑味などがなく、高温でも素晴らしい蘭香と蒙頂甘露の優しい香りを感じることができます。上級者の方には高温で淹れることをおすすめします。味わいの深さ、香りの高さが違います。
アイスティーとして冷たくしていただいても、とても美味しく楽しめます。
関連ブログ:
蒙頂山 茶業訪問
蒙頂山 茶農家訪問