安徽省の黄茶、霍山黄小茶です。名産地である金竹坪で4月14日に摘み取られた霍山金鶏種の茶葉から作られています。 黄茶の特徴は悶黄(もんおう・メンファン)という工程にあります。悶黄とは摘み取った茶葉が酸化発酵しないように加熱(殺青)した後に、まだ茶葉が熱を帯びている状態で布に包む、木箱に入れるなどをして、茶葉自体の持つ熱と水分で数時間から数十時間蒸らすというものです。(この霍山黄小茶は木綿の布を使用しています。)これにより高湿度高温の環境下に茶葉がおかれることととなり、茶葉の持つポリフェノールを中心とする成分が非酵素的に酸化します。 黄茶の旨みや美味しさは悶黄によるものが大きいのですが、それだけがこの美味しさを作っている訳ではありません。 お茶の香りを楽しむためにガラス茶器(耐熱グラス・ポット)や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って美しい茶葉を眺めながら楽しみます。 一般的に黄茶も緑茶と同様に低い湯温で楽しむとされていますが、この作り手の黄茶は非常に品質が高く、高温で淹れても雑味がありません。低温から高温までお好みの湯温で楽しむことができます。特にこの作り手さんの作る黄茶は雑味がほとんどなく、なかには高温になる紫砂茶壺で楽しむ茶人もいるほどです。 爽やかな竹を連想させるような香りとすっきりとした甘味と滋味がとても美味しい黄茶です。癖はなく、黄茶らしい深みのある旨味が特徴的です。決して高価なお茶ではありませんが、地元の人たちに愛される日常のお茶です。飲み飽きず、日々の暮らしに寄り添うこのお茶も、また中国茶の魅力の1つとしてご紹介させていただきます。 |