私人茶庄の1つ、鼎興號の1995年普洱緊茶(生茶)です。 昔から雲南省で作られる普洱茶は重要な海外輸出製品でした。かつてはこうした昌泰號をはじめとした私人茶庄が輸出向けの品質の良い製品を製造していましたが、1950年に中国では毛沢東主導による主要産業の国営化が行われ、この私人茶庄も国営企業に吸収され、次々と消滅していきました。 鼎興號は勐海茶区で1930年に、現在は雲南省紅河哈尼族彝族自治州(紅河ハニ族イ族自治州)蒙自出身の馬鼎臣によって設立されています。この地域は昔から回族(イスラム教を信仰する少数民族)が多い地域です。そのためか、鼎興號の中飛(お茶の中に埋め込まれている商標を印刷した紙)にはイスラム教のシンボルでもある星と月が印刷されています。 他の私人茶庄と同じく、鼎興號も一度その姿を消すことになりますが、1980年代に復活します。消滅前から丁寧なお茶作りを行うことで知られていました。 紧茶(緊茶)は1912~1917年に雲南省の佛海茶厂で作られていました。本来、この地域ではキノコのような心脏型(心臓型)と呼ばれる形をした固形茶が主流になっていて、「宝焰牌紧茶」という名前で知られていました。 艶やかで美しいお茶です。茎の部分から芯芽までバランスよく配方されています。現在の茶葉の等級で言えば二級~四級までの茶葉が使用されています。白毫も多く、所々に金色に輝く部分がご確認いただけます。 普洱茶用に良く鍛えられた蓄熱性の高い紫砂茶壷が最適ですが、蓋碗やティーポットなどでも美味しく淹れることができます。黒茶ですので洗茶は必要です。 赤い美しい茶水は透明度が非常に高く、綺麗な艶を感じていただけます。香りは綺麗な棗香、樟香が感じられます。味わいは深みのある甘さ、奥行きのある滋味、桂園(龍眼)味のお手本のような、全くといって良いほど雑味のない綺麗な味わいです。ミネラル感が強く、茶気も良く出ています。余韻が長く、柔らかい味わいを長く楽しめるのも特徴的です。黴臭さといったようなものは一切無く、熟成技術の高さが伺えます。 煎持ちも非常に良く、20煎前後はお楽しみいただけます。煎を進めていくにつれ、その味わいも変化していきます。 9年経過しても、まだまだこれからも熟成していくポテンシャルを持った名茶です。 この1995年 鼎興號緊茶は台湾の黒茶においては非常に高名な私たちの師から特別に譲っていただきました。流通経路のはっきりしている普洱茶ですので、偽物ということもなく安心してお求めいただけます。香港の有名な老茶商の乾倉での熟成を経て、台湾へ移した貴重な普洱茶です。 ※ 1個平均235g前後となりますが、熟成の状態などによっても前後します。ご了承ください。 ※ 年月を経た普洱茶は現代の工場で製造されたお茶とは違い、籾殻や糸くずなどの異物が混入していることがございます。これは全て手作業で行っていたために起因するものです。ご了承いただける方のみお求めいただけますようお願いいたします。 ※ 固形茶をお買い上げの方には普洱袋をお付けしてお届けしておりますが、本商品につきましては特別に価格を抑えてご提供する商品となりますので対象外とさせていただきます。詳しい飲み方・保存方法はお付けしております。ご了承ください。 販売価格(税別)
¥16,800
( 税込¥18,144 ) 在庫状態 : 在庫僅少
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