名称	1996年龍脊貢茶（28年陳 六堡生茶）
産地	中国・広西チワン族自治区龍勝各族自治県桂林龍脊棚田景区（現地保管）
種類	黒茶（後発酵茶）
等級	希少茶のため等級なし
茶水の色
このお茶に適した茶器	蓋碗・ティーポット・マルチティーサーバー
標準的な湯温	100℃

中国・広西チワン族自治区龍勝各族自治県桂林龍脊棚田景区において伝統製法で作られた六堡生茶です。
清代乾隆年代の間、この地のお茶、龍脊茶は皇帝献上茶とされていました。
この地域は標高が高く昼夜の気温差が激しく、雨量も十分あり、霧が多く日照時間が短いという茶樹にとって非常に適した環境です。この桂林龍脊棚田景区の標高600m以上の地で育つ樹齢100年以上の在来種（龍脊野生群体種）を清明節（4月5日）から穀雨（4月20日）の間に1芯3〜4葉で摘み取り、軽萎凋、殺青、揉捻、渥堆（この渥堆工程で加水渥堆または蒸気渥堆で強制発酵を行うと一般的な六堡「熟」茶になります）、慢烘（晒干）といった工程を経て作られています。

この伝統製法で作られた、しかも28年の年月を経た老茶をご紹介できることになりました。
1996年の春茶で、樹齢100年を超える古樹から作られています。製茶当時、その品質の高さから、すぐに出荷せず、あえて生産地でゆっくりと後熟成を行うことにしたという六堡生茶です。
中国国内では1斤（500g）1万元（約22万円）で販売されている貴重で高価な老茶です。今回は師のご厚意で特別に中国国内の販売価格よりも大幅に抑えた価格でご紹介させていただきます。

同じような年月を経た老六堡生茶は少ないとはいえ、他にも存在します。実際に店主もいくつか入手して味わってみましたが、もともとの品質、保管環境などによっても大きくその味わい、香りが変化します。正直なところ、それほどでもないというお茶から、まあまあというお茶などでしたが、この老六堡生茶は別格です。深みのある、というよりも「底が知れない」というほど凄いお茶です。

陳香は全くと言ってよいほどに感じられません。穀物のような良い香り、炊きたてのご飯のような優しい香りが感じられます。
口に含んで最初に驚くのは甘さです。六堡茶がこんなクリアで清らかな氷砂糖のような甘みを持つとは思ってもみなかったというほどに砂糖水のような甘味が感じられます。遅れて心地よい酸味、滋味、圧倒的なミネラル感が感じられ、果実のような味わいに変化していきます。更に茶樹本来の旨味なども現れて、より深く複雑、それでいてとても優しい味わいになります。
煎をすすめていくと様々な表情を見せてくれる底が知れないお茶ですが、変わらずにずっと感じられるのは旨味です。20煎以上飲みすすめても、上質なスープのような美味しさが感じられます。実際、XO醤を足したら美味しいスープになりそうと思うほどでした。

別格と言える老六堡生茶です。六堡茶が本来目指すべき味わいはこれなのかと思わせるお茶です。
葉底も美しく、ここまでのレベルの高い六堡生茶は店主もはじめて出会いました。なかなか出会えることのないレベルのお茶だと思います。

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