1998年 下関 三克生沱
| 名称 | 1998年 下関 三克生沱 |
| 産地 | 中国・雲南省大理市下関(北京保管) |
| 種類 | 普洱生茶 |
| 等級 | – |
| 茶水の色 | |
| このお茶に適した茶器 | 茶壷・蓋碗・ティーポット・マルチティーサーバー |
| 標準的な湯温 | 100℃ |
下关茶厂(下関茶廠)の1998年の生沱です。一粒およそ3g、一人で楽しめる小さな沱茶で、微型沱茶と呼ばれます。
沱茶は100gや250gが一般的です。1970年代後半に機械で押すようになると、さらに固く締まり、飲むには崩さなければならなくなりました。手では割れないため、地面に打ちつけて割る人もいたと伝えられています。
1990年代の中国は、人の動き方が変わっていく時代でした。1995年5月に週休二日制が始まり、休みが増えます。国内旅行者は前年の5億2400万人次から6億2900万人次へ、旅行の総支出は1,023.5億元から1,375.7億元へと伸びました。雲南でも、1991〜95年に迎えた国内旅行者は累計で約7,000万人次、その前の五年の十数倍にのぼるとされています。大理や下関のある雲南は、旅行先として歩み出した土地でした。
旅先で茶を買い、持ち帰る。割らずに、湯さえあればその場で淹れられる茶が求められました。下関茶廠の特許明細書(1996年)にも、沱茶は従来100g以上が多く、飲むには分ける必要があり、現代の生活様式に合わなくなってきた、という趣旨が書かれています。
そこで作られたのが、一人で淹れて、そのまま飲み切れる大きさの微型沱茶です。重さは3〜5g。ただ、型が小さく機械では押しにくいため、はじめは手で押して作られていました。
下関茶廠は、この小さな沱を機械で押すことに取り組みます。1996年2月、「微型沱茶機」を特許出願。昆明大学の王希其らとの共同開発で、試作機は雲南自転車廠が製作しました。明細書の実施例では、六つの型を回転させ、約1.8秒に一粒、一時間に約2,000粒を押す設計です。二年あまりの試験を経て、1997年10月に試生産が目標に達し、1998年には3g沱の加工機械が大理州の鑑定に合格しました。
手で押す時代から、機械で押す時代へ。機械が公に認められた年に作られたのが、この1998年の三克生沱です。
下関は、風が強く乾いた大理の高原にあります。ここで作られる生茶には、軽い酸味と、うっすらとした烟香、芯のある茶気があります。若いうちは引き締まって硬く、時間をかけて角が取れていくのが下関の生茶です。
当時から北京で保管されてきました。乾いた環境で、二十八年かけてゆっくりと進んだ熟成は、非常に綺麗です。雑味がなく、倉の匂いもなく、香りに濁りがありません。下関の生茶としては珍しいほど、柔らかく優しい味わいです。口に含むと、まず透明感のある甘さがあります。香りは梅を思わせ、酸味は柔らかく、熟成茶に多い陳香はほとんど感じません。
煎を重ねると、5煎目あたりから味が深まります。しっかりしたミネラル感があらわれ、飲み込んだあとも、口の中に清らかな潤いが残ります。うっすらとした烟香と、芯のある茶気も出てきます。梅の香りは変わらないまま、焦糖を思わせる甘い香りへと近づいていきます。
本来は、白い無地の綿紙で一粒ずつ包まれていました。北京の姉妹店が入手した当時、店のオリジナルの綿紙に替えようとしましたが、そのままになり、綿紙のない状態で保管されてきました。
一粒を蓋碗や小さな茶壷に入れ、熱湯で淹れます。緊圧が強く古いお茶なので、洗茶は2回がおすすめです。一粒で、何煎も楽しめます。
年を重ねたお茶は、どうしても高価になりがちです。一粒で何煎も楽しめる微型沱茶なので、二十八年の熟成を、気負わずに確かめていただけます。
微型沱茶の機械化が形になった年に作られ、以来、北京で静かに保管されてきたお茶です。
1998年 1個約3g(熟成状態によって前後します)
※ 普洱茶(後発酵)の特性上、重さが前後いたします。重量は参考値となります。ご了承ください。
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