中国を代表する銘茶、中でも希少性の高い黄茶の霍山黄芽です。中国10大銘茶の1つとして知られています。大変に歴史が古く、唐代の頃からこの地でお茶が作られ、現在の製法が確立されたのは明代、その後の清代では皇帝献上茶として高い評価を受けているお茶です。 霍山黄芽の産地、霍山県の中でも大化坪の金鸡山,太阳の金竹坪,诸佛庵の金家湾,姚家畈にある乌米尖,东西溪の杨三寨は「三金一乌一寨」と呼ばれ、最も品質の良い霍山黄芽が作られると言われています。 黄茶の特徴は悶黄(もんおう・メンファン)という工程にあります。悶黄とは摘み取った茶葉が酸化発酵しないように加熱(殺青)した後に、まだ茶葉が熱を帯びている状態で紙に包む、木箱に入れるなどをして、茶葉自体の持つ熱と水分で数時間から数十時間蒸らすというものです。これにより高湿度高温の環境下に茶葉がおかれることととなり、茶葉の持つポリフェノールを中心とする成分が非酵素的に酸化します。 黄茶の旨みや美味しさは悶黄によるものが大きいのですが、それだけがこの美味しさを作っている訳ではありません。 お茶の香りを楽しむためにガラス茶器(耐熱グラス・ポット)や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って美しい茶葉を眺めながら楽しみます。 一般的に黄茶も緑茶と同様に低い湯温で楽しむとされていますが、この作り手の緑茶は非常に品質が高く、高温で淹れても雑味がありません。低温から高温までお好みの湯温で楽しむことができます。 香ばしい火香と清らかな花香が心地よいお茶です。香ばしさの中にしっかりとした甘味、複雑なミネラル感が合わさって独特の味わいに仕上がっています。中国国内でもあまり流通することのないお茶の1つですが、希少性というだけでなく、なによりも香りよく美味しいということから2017年はご紹介させていただくことにしました。最近多く見られる悶黄の浅いものではなく、しっかりとバランスをみながら悶黄を行った霍山黄芽です。 飲み終わった後の茶殻も是非お楽しみください。中国茶では飲み終えた後の茶葉を鑑賞して楽しみます。黄緑色の柔らかく、ふっくらと肥えた茶葉は宝石のような美しさです。 |