雲南省西双版納のミャンマー国境近くの山岳地帯では昔からお茶作りが行われています。普洱茶で知られる西双版納の中でも最も古い歴史を持つ易武のお茶は清代の頃は貢茶として、また、茶馬古道の起点として知られています。特に麻黒寨や落水洞寨は昔から良質な普洱茶が作られることでも知られています。 この地域では樹齢100年から中には1000年を超える茶樹が並ぶ古茶樹園があり、500年前後の古茶樹も多くあります。殆どは摘み取りがし易いように切り戻した茶樹ですが、中には切り戻しを行っていない、人の手を加えずに育てた樹高5〜10mの古茶樹も数は少ないものの残されています。この喬木古樹茶はその名の通り、樹齢500年、樹高6mの古茶樹から作られています。農薬はもちろん、肥料も与えずに自然のままに生きる茶樹から丁寧に摘み取り、機械を使用せずに全て手作業で作られた普洱生茶です。 2017年の春の易武はお茶作りにとって決して穏やかな年ではありませんでした。大雨や雹、急激な気温の急降下に見舞われ、大きな減産となってしまったのは事実です。とはいえ、そういった年でも例年と変わらない、中には例年以上に良いお茶も作られます。ただし産出量が少ないため価格が高騰してしまうという事情があります。 製茶期間中、この地を訪問してきました。これはその際に代々、麻黒寨で茶農家を営む友人から譲っていただいた貴重な普洱生茶です。本来であればこの価格でご紹介できるような品質のお茶ではありませんが、長年の友人ということ、新たにショップでも易武のお茶の美味しさを日本の方にご紹介したいということで、譲っていただくことができました。 できたばかりの普洱生茶は強くて美味しいと感じられないと思いがちですが、このお茶は違います。雲南の普洱茶の中でも特に易武は甘いお茶であることが知られていますが、この麻黒寨で作られたお茶はその特徴がよく分かるように優しく甘いお茶に仕上がっています。香りは見事な蜜香が感じられ、飲み込んだ後の余韻も非常に長く強く感じられます。しっかりとしたミネラル感がありながらも、優しく、とても心地の良いお茶です。 普洱生茶用に良く鍛えられた蓄熱性の高い紫砂茶壷が最適です。普洱熟茶に使用している紫砂茶壺の使用はお勧めいたしません。香りや味わいが濁ってしまいます。また、蓋碗やティーポットなどでも美味しく淹れることができます。なるべく蓄熱性のある茶器を使用してください。 ※ 滅多にはありませんが、茶葉の中に籾殻などの異物が混入している場合もございます。これは現地において完全手作業で作られたために起因するもので、品質に影響するものではございません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。 |