中国を代表する銘茶、蒙頂甘露です。 このお茶の産地である蒙頂山(蒙山)は世界で最初に茶樹の人工栽培がおこなわれた場所です。その歴史からも分かるように、この蒙頂山でとれる上質なお茶は唐代から清代末まで皇帝献上茶として、その名を馳せてきました。 この蒙頂甘露は蒙頂山主峰の標高1200m付近で栽培されている茶樹を2020年3月23日に摘み取り、製茶されています。今年は天候にも恵まれ、品質、味わい、香り共に高く良く出ています。特に今年は最上質の鮮葉を手工、機械を使わずに全て手作りで丁寧に製茶しています。 通常、四川省の緑茶は平地を中心に早いところでは2月下旬から茶摘みが行われます。当店では蒙頂山でも標高の高い、山深い場所にある茶畑を指定して製茶してもらっているため、一般的な四川緑茶よりもずっと遅い時期の摘み取り、製茶になります。この写真は以前に訪問した際の、その茶畑です。かなり山の中、山奥にあり、一般的な四川の緑茶よりも茶摘みが遅くなりますが、平地茶と違い無農薬、味わいの深さ、甘味の優しさはこうした厳しい環境によって作られます。 深緑を基調に白毫の白が散らされているような、落ち着きのある色合いの美しい茶葉です。白毫というのは茶葉の先端についている芯芽のことで、紅茶ではシルバーチップなどと呼ばれる希少な芽の先端部分です。緑茶では一般的に白毫が多い方が良いとされ、この先端部分は甘さや柔らかさ、旨みなどを多く持っています。 お茶の香りを楽しむためにガラス茶器(耐熱グラス・ポット)や蓋碗をお勧めします。現地では耐熱ガラスのグラスを使って翠の美しい茶葉を眺めながら楽しみます。 一般的に緑茶は低い湯温で楽しむとされていますが、この作り手の緑茶は非常に品質が高く、高温で淹れても雑味や渋みがありません。低温から高温までお好みの湯温で楽しむことができます。 飲み終わった後の茶殻も是非お楽しみください。中国茶では飲み終えた後の茶葉を鑑賞して楽しみます。若草色の柔らかい葉は弾力があり、とても丁寧に製茶されているのが分かります。とても柔らかい茶葉ですので、茶殻をお召し上がりいただくこともできます。 |