7542といえば孟海茶厂(孟海茶廠)の名レシピであまりにも有名な生茶です。茶号からわかるように「75」年に確立されたレシピ(ブレンド)で「4」級茶葉を使用した、「2」の孟海茶廠で作られています。 現在は民営化されていますが、2004年までの孟海茶廠は国営企業でした。国内景気が向上した現在とは違い、当時のお茶は海外へ輸出する大事な商品で、特に孟海茶廠のお茶は欧州などへ輸出する重要な商品として作られていました。この頃の7542は欧州をはじめとした海外へ輸出されるものとして非常に良い茶葉が使用されていたと言われています。現在も孟海茶廠は7542の生茶を生産していますが、当時とは同じレシピではあるものの、茶葉の質は大きく変わってきています。 60~70年代ごろ、文化大革命などの影響で樹高の高い古茶樹を収穫しやすいように切り戻してしまったり、まるで茶園とは思えない、単なる山林のような古茶園ではなく(中には開墾し直してしまったものもあったそうです)、茶樹同士の間隔が狭い「新茶園」が作られるようになってきました。ちなみに現在、中国国内向けに手ごろな価格で流通している普洱茶の多くは生産量の多い新茶園のものとなっています。切り戻しされていない古茶樹や古茶園から摘み取られて作られる普洱茶は、かなり価格が上がってしまっているのが現状ですが、やはり美味しさや味の深みといったものは全く異なります。また、新茶園には農薬や肥料の問題もあります。 当時の孟海茶廠は国営企業としてこのような状況下で品質を安定させる必要がありました。普洱毛茶(原料となる荒茶)の等級(品質の良し悪しというよりも一芯三葉で摘み取られているといった鮮葉の状態)、産地(茶区)、茶摘時期によって風味が異なる茶葉を 90年代の7542は包み紙が中茶牌のものと大益牌のものがあります。これは中国土産畜産進出口公司雲南省茶葉分公司の中茶牌です。香港の名茶商が当時の孟海茶廠へ産地などを指定してオーダーしたもので、易武山の茶葉が指定されていたようです。 老餅茶の良い所は適切に熟成されていれば当然ながら本来の普洱茶の味と香りが楽しめますが、その保管場所によってもそれらが変化することです。 近年作られている普洱茶で現在流通しているものは未入倉と呼ばれる、加工用の倉で保管されていないものが殆どです。普洱茶ブームにより多くの人が普洱茶を求めるようになった結果、普洱茶自体の品薄と、今まで緑茶などしか飲まなかった人が倉熟成された普洱茶本来の深みのある味わいをいきなり好むようになるわけでもなく、北京の方の人たちが好むのは倉熟成していない未入倉の普洱茶です。これは普洱茶に限らず青茶(烏龍茶)などにも同じことが起きていて、武夷岩茶や鳳凰単欉、鉄観音などもどんどん醗酵も火入れも浅く、緑茶のような加工が主流となってきています。 乾倉は乾燥している倉ですが、加工用のため湿度は結構高い状態です。外気を適度に取り入れて、最低でも50%、夏場は70%近くにも上がります。湿度の高い地域で保管されていますので、特に湿度をコントロールしなくてもこの程度の湿度になるそうです。乾倉の中にはもう1つのタイプ、除湿を行った本当に乾燥している倉もあります。 湿倉は密封されたような状態で、茶葉などに直接水をかけたりなどして強制的に加湿されている倉庫です。湿度は80%前後にもなります。醗酵を早めるために行われます。腕の良い茶商であれば最高の風味に仕上がりますが、一方で黴臭くさせてしまう茶商もいます。 どのタイプの倉も茶商の腕にかかっています。お茶の状態を見ながら倉から出したり、倉の中の配置を変えたりしています。倉から出して保管用の乾燥した倉庫で調整することも多くあります。 茶商によって風味が変わるのは倉熟成した普洱茶の醍醐味でもあります。広東は少し土っぽい濃厚なタイプが多く、香港は爽やかな独特の陳香があるタイプが多いようです。普洱茶がどこで保管されていたか重要なのは、こうしたところにあります。 この7542青餅は香港でも熟成に定評のある老茶商による熟成を経て台湾へ運ばれています。(香港・台湾共に乾倉) 普洱茶用に良く鍛えられた蓄熱性の高い紫砂茶壷が最適ですが、蓋碗やティーポットなどでも美味しく淹れることができます。黒茶ですので洗茶は必要です。ビンテージを経ていることと、固形茶であることから洗茶は2回行ってください。 赤褐色の非常に美しいお茶は透明度はもちろん、表面に艶がしっかり出ています。香りは樟香、棗香、糯米香を感じることができます。非常に柔らかい甘み、ミネラル感を感じる複雑な旨みと微かな柔らかい苦味、酸味が7542らしい複雑さを出しています。非常にバランスが良く、厚みもあり、芳醇という言葉が相応しい美味しさです。元は生茶だったと思えないほどに良く熟成されています。 2、3煎目あたりから華やかな感じに変化してきます。蘭香も感じられるようになり、更に香りに広がりと奥行きが出てきます。バランスの良さはそのまま変わらず、ビンテージのブルゴーニュワインのような繊細な広がりがあります。 飲み終えた後の茶殻も鑑賞してみてください。赤褐色の柔らかい茶葉です。肉厚で柔らかくて、繊細な茶葉は弾力があり、とても上質な茶葉が使われているのがお分かりいただけるものと思います。 今回、この7542青饼は台湾の黒茶においては非常に高名な私たちの師から特別に譲っていただきました。流通経路のはっきりしている普洱茶ですので、偽物ということもなく安心してお求めいただけます。香港の有名な老茶商の乾倉での熟成を経て、台湾へ移した貴重な普洱茶です。 ※ 餅茶のパッケージが傷んでいる場合がございます。これは餅茶の熟成に伴うもので品質に影響するものではございません。また、本商品のパッケージには写真のように茶名を記したシールが付いています。パッケージの破損、汚れなどでの返品、交換はお受けできません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。 ※ 滅多にはありませんが、茶葉の中に籾殻などの異物が混入している場合もございます。これは現地において完全手作業で作られたために起因するもので、品質に影響するものではございません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。 ※ 餅茶をお買い上げの方には普洱袋をお付けしてお届けしておりますが、本商品につきましては特別に価格を抑えてご提供する商品となりますので対象外とさせていただきます。詳しい飲み方・保存方法はお付けしております。ご了承ください。 販売価格(税別)
¥21,000
( 税込¥22,680 ) 在庫状態 : 売り切れ
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