8592 中茶牌 熟餅 1996年

10903.1

名称 8592 中茶牌 熟餅 1996年
産地 中国・雲南省西双版纳勐海县(香港・台湾乾倉)
種類 黒茶・後発酵茶
等級
茶水の色 茶水の色:ナツメ色
このお茶に適した茶器 茶壷・蓋碗・ティーポット・マルチティーサーバー
標準的な湯温 100℃

勐海茶厂(勐海茶廠)の傑作レシピと名高い熟茶です。

今は無い香港の茶商、南天貿易公司が勐海茶厂(勐海茶廠)にオーダーしたもので、1980年代に作られたレシピです。天字餅と呼ばれる方が有名かもしれません。安定感のある美味しさは、まさに傑作という言葉がふさわしい熟茶です。
1996年の製造で香港乾倉および台湾乾倉で保管されています。

レシピ通りに大きめの葉で構成された美しい餅面です。かび臭さもなく、その跡もなく、良い状態で熟成されていたのが分かります。1990年代の孟海茶廠にしては珍しく、餅茶の表面に中身とは違う等級の茶葉を使って仕上げる配方は行われていません。

老餅茶の良い所は適切に熟成されていれば当然ながら本来の普洱茶の味と香りが楽しめますが、その保管場所によってもそれらが変化することです。
大きく分けると、乾燥した倉庫を指す乾倉、熟成を早めるために湿度を上げた倉庫を指す湿倉の保管に分かれます。
保管というのは普洱茶には非常に大事なもので、乾倉、湿倉といっても単純に倉庫に保管しているだけということではありません。これらの殆どは普洱茶の後醗酵によってお茶の質を加工する加工用の倉庫で、それらのある地域は大陸では広州、深圳、他には香港、台湾、マレーシアと限られます。主流は香港と広州です。最近は香港の近くで深圳にも倉庫が作られてきましたが、面白いことに味わいが異なるため、深圳で最後まで保管することは少なく、ある程度熟成させたら香港へ移動することが多いそうです。
香港返還後にはまだ少ないものの台湾にも倉庫が作られました。台湾では加工用ではなく、主に純粋な保管用としての倉庫が主流ですが、香港の中国返還を機に多くの普洱茶が台湾へ持ち込まれ、その流れで作られているようです。

近年作られている普洱茶で現在流通しているものは未入倉と呼ばれる、加工用の倉で保管されていないものが殆どです。普洱茶ブームにより多くの人が普洱茶を求めるようになった結果、普洱茶自体の品薄と、今まで緑茶などしか飲まなかった人が倉熟成された普洱茶本来の深みのある味わいをいきなり好むようになるわけでもなく、北京の方の人たちが好むのは倉熟成していない未入倉の普洱茶です。これは普洱茶に限らず青茶(烏龍茶)などにも同じことが起きていて、武夷岩茶や鳳凰単欉、鉄観音などもどんどん醗酵も火入れも浅く、緑茶のような加工が主流となってきています。

乾倉は乾燥している倉ですが、加工用のため湿度は結構高い状態です。外気を適度に取り入れて、最低でも50%、夏場は70%近くにも上がります。湿度の高い地域で保管されていますので、特に湿度をコントロールしなくてもこの程度の湿度になるそうです。乾倉の中にはもう1つのタイプ、除湿を行った本当に乾燥している倉もあります。

湿倉は密封されたような状態で、茶葉などに直接水をかけたりなどして強制的に加湿されている倉庫です。湿度は80%前後にもなります。醗酵を早めるために行われます。腕の良い茶商であれば最高の風味に仕上がりますが、一方で黴臭くさせてしまう茶商もいます。

どのタイプの倉も茶商の腕にかかっています。お茶の状態を見ながら倉から出したり、倉の中の配置を変えたりしています。倉から出して保管用の乾燥した倉庫で調整することも多くあります。

茶商によって風味が変わるのは倉熟成した普洱茶の醍醐味でもあります。広東は少し土っぽい濃厚なタイプが多く、香港は爽やかな独特の陳香があるタイプが多いようです。普洱茶がどこで保管されていたか重要なのは、こうしたところにあります。

この8592中茶牌は香港でも熟成に定評のある老茶商による熟成を経て台湾へ運ばれています。(香港・台湾共に乾倉)とても上手く熟成されているので普洱刀などは必要なく、手で端から崩すことができます。綺麗な黒褐色と褐色の茶葉は、良く見ると細かいつやがあります。時折大きな茎も入っていますが、これが8592の甘さと旨みの元です。

普洱茶用に良く鍛えられた蓄熱性の高い紫砂茶壷が最適ですが、蓋碗やティーポットなどでも美味しく淹れることができます。黒茶ですので洗茶は必要です。ビンテージを経ていることと、固形茶であることから洗茶は2回行ってください。
1煎目は20秒程度の抽出からはじめて、お好みに合わせて抽出時間を調節してください。

綺麗なナツメ色のお茶は、熟成が進んでいるので透明度が非常に高く、高い艶もあります。まるでヴィンテージものの古木から作られた赤ワインのようです。
かび臭さは全くなく、果実香が感じられます。これ以上ない位に丸い甘さと複雑な分厚い旨みが凄く、非常に芳醇な味わいです。この深さと柔らかさは適切に熟成された老餅ならではのものです。

煎を進めていくと穀物のような、ナッツのような香りも出てきます。どんどん洗練されていくように変化していきます。7煎目あたりを越えたあたりから、更に甘さと旨みが増してきます。まるで糖分の塊を溶かして飲んでいるようです。15煎目を過ぎた頃からはナツメ香も感じられるようになってきます。茶質が出てくるようになり、茶水に粘性が出てきます。

茶殻も非常に美しいお茶です。弾力のある肉厚の葉が使われていて、所々にある茎も見た目とは裏腹に非常に柔らかいです。葉底からも棗のような良い香りが出ています。

今回、この8592中茶牌は台湾の黒茶においては非常に高名な私たちの師から特別に譲っていただきました。流通経路のはっきりしている普洱茶ですので、偽物ということもなく安心してお求めいただけます。香港の有名な老茶商の乾倉での熟成を経て、台湾へ移した貴重な普洱茶です。

※ 餅茶のパッケージが傷んでいる場合がございます。これは餅茶の熟成に伴うもので品質に影響するものではございません。パッケージの破損、汚れなどでの返品、交換はお受けできません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。

※ 滅多にはありませんが、茶葉の中に籾殻などの異物が混入している場合もございます。これは現地において完全手作業で作られたために起因するもので、品質に影響するものではございません。ご了承いただける方のみ、お求めいただけますようお願いいたします。

※ 餅茶をお買い上げの方には普洱袋をお付けしてお届けしておりますが、本商品につきましては特別に価格を抑えてご提供する商品となりますので対象外とさせていただきます。詳しい飲み方・保存方法はお付けしております。ご了承ください。

販売価格(税別)
¥18,000

( 税込¥19,800 )

在庫状態 : 売り切れ
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