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北京・お茶の旅

2012年04月24日 category : BLOG, お茶の旅 

北京・馬連道

お茶を仕入れるのに北京へ行くのは少し変わっているかもしれません。
一般的にお茶を仕入れる場合は中国でももっと南の広州の芳村茶葉市場や福建省や浙江省の茶産地から直接買い付けることが殆どではないかと思います。
実際に北京でお茶を仕入れていますというと驚かれます。

北京には馬連道茶葉市場という中国でも2番目に大きなお茶市場があります。(1番大きい市場は広州の芳村茶葉市場です。)
その規模は秋葉原の電気街を全てお茶問屋さんにしたような規模といえば感覚が伝わるでしょうか?とにかく広大です。
ここに全国からお茶が集まってきています。
特に北京はここ数年の経済発展に後押しされた政府高官をはじめとする富裕層の需要があり、品質の良いお茶が集まるようになっています。昔はジャスミン茶ばかりと言われていましたが(北京をはじめとする地域はジャスミン茶を好む地域でした)、現在はありとあらゆるお茶が取引されています。

馬連道茶葉市場が他の市場と違うのは生産者の直営店が多いことです。といっても全体の10%あるかどうかといったところですので、実際には何度も通って広大な市場を1件1件開拓していく必要はあります。
お茶市場に並ぶ問屋さんの殆どは生産者からお茶を買い付けてきて販売をしている茶商さんです。実は日本に正式輸入する場合、生産者以外から購入したお茶を輸入することはできません。検疫手続きの際には生産者による各種証明書やそれらへのサインなどが必要となるからです。正式通関ができなくなるため、市場に並ぶほとんどの茶商さんからは仕入れとして購入することができません。個人で利用するお茶を市場の茶商さんから購入するのは問題ないのですが、私たちの場合はそうはいきません。
本来であれば茶産地を回って各生産者と交渉して買い付けるべきなのですが、それでは出張費などのコストが無視できなくなりますし、その分商品の値段に反映することになってしまいます。(もちろんもっと大規模に運営していれば無視できるコストだと思いますが・・・)南北福建省、雲南省、浙江省・・・ざっと中国一周できてしまいます。中国各地を回らずに生産者と直接交渉ができることは時間もコストも有利になります。
また、他地域のお茶市場は特定のお茶に限られる品揃えであることも多いのですが(普洱茶ばかりだったり、鉄観音のお店ばかりだったりします)、馬連道茶葉市場は比較的まんべんなく様々な種類のお茶が集まってきていることも魅力的です。

お茶の生産者にとっても北京は進出したい都市の1つであるようです。市場に出店していない生産者でも産地から北京で出向いてきてくれることもよくあります。北京の茶商さんたちのネットワークで産地から生産者を招待して北京へ来てもらい、サンプルの試飲や取引の交渉といったことも頻繁に行われます。茶商さんたちの共同買付けみたいな感じです。

北京・馬連道

3月の中国出張はまず北京からスタートしました。

馬連道茶葉市場ではありませんが、普段から鈴茶堂がお世話になっている茶商さんへのご挨拶に伺います。
この茶商さんは店舗を北京の事務所代わりに使わせていただいたり、前述の茶商さんたちのネットワークに鈴茶堂も入れて下さったり、共同で仕入れしていただいたり・・・鈴茶堂の中国ベースとも言えるお店です。もうかなり長いお付き合いで鈴茶堂のパートナーというだけでなく、私たちの大切な友人でもあります。
ご挨拶した後はさっそく滞在中のスケジュールの確認です。事前に決めていた産地から来ていただく生産者の方にお会いするスケジュールの確認からはじまり、オーダーしていたお茶や商品の確認、輸出(日本へは輸入)手続きの準備など、やることは沢山あります。
近所のお店へのご挨拶も。これらの茶商さんたちとも仕入れのネットワークなどでお世話になっている間柄です。

ひと通り終わったら情報共有も欠かせません。私たちと付き合いのある茶商さんたちはとても勉強熱心な方々です。それぞれのお茶の産地を故郷に持つ茶商さんたちの知識は本当に面白く、勉強になります。普洱茶のプロは雲南省出身の茶商さん。ご主人は年中雲南へ戻り良質な普洱茶を探しています。杭州の茶農家の息子でもある茶商さんは浙江省の緑茶のプロフェッショナルです。福建省出身の茶商さんご夫婦は奥さまが武夷山のご出身で武夷岩茶のプロ。ご主人は福建省南部の安渓のご出身で鉄観音のプロ。宜興出身のご夫婦は紫砂茶器の目利きです。何人もの作家さんと親しく交流されています。安徽省の茶業さんは鈴茶堂の祁門紅茶を作っているプロです。祁門と一口にいっても様々なランクがあり、祁門紅茶とは本来どうあるべきか、数日かけて徹底的に付き合ってくださったこともありました。
お茶を飲みながら、それこそ夜になって建物が閉館するまで1日中ずっと話し込んでいます。とても贅沢な時間です。そのうち秘蔵のお茶を出してきたり・・・下の写真の普洱茶もその1つでした。何と80年代の普洱茶です。

北京・馬連道

1日目は茶商さんたちへのご挨拶とスケジュール確認、情報交換で終わってしまいました。
2日目はお茶メーカーさんの事務所訪問からスタートです。
首都でもある北京は各地のお茶メーカーさんの事務所が沢山あります。
鈴茶堂がお世話になっている中国蔵茶の事務所もその1つです。北京事務所の所長は個人のお茶マニアの時からの長い付き合いで、私たちの良き友人でもあります。
今回の中国出張の目的の1つに四川省雅安市にある中国蔵茶の工場訪問があります。北京事務所所長のご好意で普段は外国人の訪問を受け付けない工場の訪問が許可されることになっていました。まずは所長にお礼と実際のスケジュール確認で事務所を訪問しました。
この時期、丁度北京では中国蔵茶のプロモーションが北京で行われていました。(ご招待いただいていたのですが、ちょうど開催日の夜に北京入りというスケジュールだったため伺うことができませんでした・・・残念です。)そのため、事務所にはいつもの所長だけでなく中国蔵茶雅安本社の幹部が勢揃いしている状態で・・・緊張しました。普段だったらお会いすることができない、中国茶の世界では先生と言われる方々にまでご紹介いただきました。ありがとうございます。

他にも翌日からの四川訪問に備えて蒙頂山の茶業さんや茶農さんへ最終連絡。現地入りしてからのスケジュールを確認して、いよいよ四川省へ移動します。


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大益 2009年 普洱熟散茶

茶商さんたちと共同買付けしたうちの1つ、大益の2009年普洱熟散茶です。
熟茶の製造技術に定評のある大益では珍しい散茶の形状です。
なによりナッツのような香ばしい香りと果物を飲んでいるかのような香りと深みのある甘みがとても美味しいフルーティなお茶です。
全くかび臭さなどはないため、冷やしても美味しくいただけます。

云南曼岗茶业 七子饼茶 2006年
云南曼岗茶业 七子饼茶 2006年

一生もののプーアル茶としてもおすすめできるのが、雲南曼崗茶業の2006年七子餅茶です。
おかげさまで最後の1枚になりました!

標高2200mにある原生林の野生茶樹から取れた萌葉を使用した特別な餅茶で、伝統的な手作業の製法を頑なに守って作っている貴重なプーアル茶です。プーアル茶でありながら清らかな蘭の香りを持ち、回甘と芳醇なうま味あふれるお茶に熟成されています。これほど素晴らしいプーアル茶にはなかなか出会うことはできません。今はもちろん、10年20年と楽しんでいただけるプーアル茶です。

あまりにも美味しくて鈴茶堂としてだけでなく自分個人用にも保管しておこうと追加在庫を現地に依頼していますが、生産量が少なく人気が高いため、まだ在庫の確保ができておりません。現在のところは次回入荷が未定になっています。
私としては見つかって欲しいのですが・・・(笑