武夷遇林亭窯址
武夷山では茶畑や製茶場の見学、焙煎技術のブラッシュアップの他に武夷遇林亭窯址の見学にも行ってきました。川下りで有名な武夷山九曲渓の北側、星村から5キロほどの山間の静かな場所にその遺跡があります。
遇林亭窯址は中国でも最大規模、非常に状態のよい宋代古窯跡として1950年代に発見されました。同じく福建省建陽県水吉鎮にある建窯と同じ系統の陶窯と言われています。お茶好きの方なら多くの方がご存じとは思いますが、建窯は天目茶碗が作られていたとされる有名な窯です。この建窯と遇林亭窯址はそれほど離れた場所にある訳ではありません。この遇林亭窯址でも同様に黒釉の天目茶碗が作られていたとされ、この遇林亭窯址以外にもこのあたりでは小規模ではあるものの同様の古窯跡がいくつか発見されています。
これらの窯で作られた器は黒釉、烏泥釉と呼ばれる黒い釉薬を施した天目茶碗が有名です。主に油滴天目や灰被天目、最も有名なのは日本の国宝に指定されている曜変天目が作られていたと言われています。
曜変天目がこの遇林亭窯で作られていたかどうかは分かりませんが(可能性は低そうです)、あの美しい器が作られた場所はこの地かもしれないと想像することができるだけでもお茶好きには楽しい窯跡です。
窯跡の周囲は綺麗に整備されていて、美しい公園のようになっています。すぐそばには綺麗な水が流れていて、鉱物を含んだ作陶にとって豊かな土、窯の燃料とすることができる木材が豊富な山間地、作りだした陶器を運搬する水路となる九曲渓のあるこの地形は窯を設けるのに適していた地形であるということが容易に理解できます。
遇林亭窯址は1号窯と2号窯の1つの窯が発見されています。
1号窯は山の斜面を利用して作られている龍窯(中国式の登り窯)と呼ばれるタイプの窯です。全長73m以上にもなる巨大な窯は一度に5万個の器を焼くことができたそうです。
現在はこのように屋根が付けられていて窯頭から窯尾までは両脇に設けられた階段で見学できるようになっています。
2号窯は同じく龍窯ですが、更に大きく、全長113m以上にもなります。こちらは一度に8万個の器を焼くことができたとか。ここまで大きいと流石に窯尾まで行くのは一苦労です。
発見された器の多くは黒釉だったそうですが、中には青白釉の器や金銀彩が施された破片などもあったそうです。
観光シーズンを外していたからか、私たちの他には誰もいない状態で、ゆっくりと遺跡を見学することができました。残念ながら資料館と思われる建物は閉館されてしまっている状態で出土品などを見ることはできませんでしたが、器好きとしては龍窯跡を実際に見ることができただけでも嬉しい訪問でした。
すっかり季節も秋になりました。爽やかな秋にぴったりのお茶をご紹介します。
中国・福建省の漳平市という場所で伝統的に作られている烏龍茶です。
その形はとても珍しい固形の烏龍茶で、四角い茶餅の形をしています。
中国の茶商さんですら知らない人が殆どという流通の少ない珍しいお茶で、私たちは何年もこの漳平水仙を作る茶農家さんを探していました。やっと納得いく品質の漳平水仙を作る茶農家さんとのご縁ができ、昨年からご紹介させていただいています。
爽やかな香りと味を持つお茶です。普通にお湯で淹れるのはもちろん、アイスティーにしたり、水出しにしても美味しくお楽しみいただけます。
非常に煎が続くのも特徴で、通常の淹れ方であれば15煎以上は楽しめます。私たちの場合は2日にかけて楽しんだり、お湯で普通に淹れた後に水出しにして楽しんだりしています。それでも茶葉が多すぎるという場合は千枚通しなどで茶葉を砕かないように、注意しながら半量程度の大きさに固形茶を崩してお使いください。
こちらは伝統的な製法を守って作られているものです。
漳平水仙には桂花香型と花香型とありますが、この漳平水仙は金木犀の花の香りを持つ桂花香型になります。
ふわっとむせ返るように出てくる金木犀の香りが見事な落ち着きのある香りを持ち、甘く、柔らかい味と旨味、複雑なミネラル感が印象的です。2013年はとても綺麗に香りが出ています。
漳平水仙紅茶も入荷しております!
烏龍茶の漳平水仙よりも実は人気の高い紅茶ですが、昨年は予想以上に早く完売してしまい、ご不便をおかけしました。
今年も入荷しております。
紅茶も今年はとても美味しく仕上がっています。
10月27日から11月21日、11月23日から11月30日までのあいだ、中国および台湾へ出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
長期間にわたるお休み、大変申し訳ありません。
発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で5日程度のお時間をいただくことも予想されます。
ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。
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