茶馬司
その昔、1000年以上前から長い間、現在の四川省や雲南省とチベットはお茶の交易がありました。
野菜の栽培が難しい厳しい自然にあるチベットでは人々の健康を維持するためにお茶が欠かせない飲み物でした。
ともすれば肉食に偏りがちな彼らの健康を保つために、今で言う黒茶はその機能からも毎日摂取しなくてはならない飲み物でしたし、今もそれは変わらないようです。
チベットからはお茶の対価として馬が運ばれてきました。
こうして茶馬古道(サウスシルクロードなどとも呼ばれます)が生まれ、1人100キロ以上のお茶を背負い、何ヶ月も場合によっては1年もかけて厳しい山道を通ってチベットへお茶が運ばれていました。
その茶馬古道の起点の1つが蒙頂山の麓、ここ雅安市です。
茶馬司というのは、その茶馬古道の関所のようなもので、交易に対する税金や交換比率などを司る役所です。
その遺跡が蒙頂山の麓に残っています。
建物は近年、観光地化を目指して再現されたもののようで、それほど古いものではありません。
とはいえ、周囲には何もないこともあって観光地としての役割は果たしていないようです。
誰もいない、半分廃墟のようになっていました・・・
当時の様子を説明した文章や絵などが掲示されています。
馬を繋ぎ止めていた柱なども再現されていて、当時の様子が分かりやすく説明されています。
中はガランとした静かな空間でした。
中にはかなり詳細な資料や説明があり、当時の貴重な写真や、茶馬古道のルート図などもあります。
はるか昔の茶馬古道に思いを馳せながら、ゆっくり見学させていただきました。
おそらくお隣さんの収穫した野菜だと思います。
この写真を撮影している間にも2羽の鶏が足元を走ってどこかに消えていきました。
こんなのどかな遺跡もなかなかいいですね。
この地域で作られ、茶馬古道を通って運ばれていたお茶がこの蔵茶です。
今もチベットの人々の生活にはなくてはならないお茶として変わらず運ばれています。
この金尖 雅細は中でも最高品質の香り高い美味しい蔵茶です。
この地域のお茶と同じように雲南省からチベットへ運ばれていたもう1つのお茶がこの普洱茶です。
近年に開発された人工的に後発酵させた普洱茶ではなく、昔ながらの作り方をした爽やかなお茶です。
10年単位で長くお楽しみいただけます。