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望魚古鎮

2013年01月14日 category : BLOG, お茶の旅 

望魚古鎮

雅安郊外にある望魚古鎮です。
上里古鎮と同じように茶馬古道の宿場町の1つで、茶馬古道上にある古鎮では最も美しい古鎮と呼ばれていますが、雅安市街地から望魚古鎮までの山道があまり整備されていないこともあってか、まだまだ訪れる人の少ない場所です。

望魚古鎮

山深い場所にあり、集落のすぐ横には美しい川がゆっくりと流れています。上里古鎮もそうですが、水道が整備されていない昔は水が非常に重要だったのでしょう。古鎮と呼ばれる場所は大抵水のある場所の近くにあるようです。
望魚古鎮は川沿いの急な長い階段を上った山の中腹のような場所にあります。もしかしたら水害を避けるために川沿いではあるけれども、水のある場所よりも遥かに高い場所に集落を作る必要があったのかもしれません。現在はその長い階段の下に新しい建物の小さな集落ができていました。

望魚古鎮

観光に訪れる人も少なく、私たち以外の観光客に出会うことはありませんでした。
ここの古鎮もこれらの古い建物に昔と変わらずに生活している人々がいます。いくつかの建物は客棧と呼ばれる宿や食堂の看板がありますが、営業している雰囲気ではありませんでした。

建物の土台となっている石組みも基礎に近い部分は相当に古い状態で、もしかしたら茶馬古道の宿場町としてこの古鎮が栄えていたころからあるものかもしれません。とても静かで美しく、時間が止まっているかのような場所です。

茶馬古道

小さな集落を奥へと進んでいき、建物も無くなり、歩くのも難しくなってきた頃、当時使われていた茶馬古道の石畳が現れました。茶馬古道です。
注意していないと見落としてしまうような、まるで獣道のような道筋ですが、確かに古い石畳が残されています。更に奥へと続いていましたが、もう何年も使われていないようで歩くのも困難なほどに荒れてしまっていました。

茶馬古道の跡は中国の近代化に伴って、どんどん姿を消してしまっています。あるいは忘れ去られて朽ち果ててしまっている部分も多くあります。私たちが見ることができた茶馬古道の石畳もあと何年かしたら無くなってしまうのかもしれません。


勐海生餅 2010年
勐海生餅 2010年

四川からチベットへは蔵茶が運ばれましたが、雲南からは普洱茶が運ばれました。

普洱茶の製造が民営化してから市場には様々な品質の普洱茶が流通するようになりました。その殆どは新茶園、台地茶と呼ばれる新しく作られた茶畑から採られた量産茶葉を使って作られる普洱茶です。これらは生産性を目的として背の低い茶樹を密集した状態で植える、日本で見られる茶畑とそれほど大きく変わりません。新茶園の茶葉から作られる普洱茶も良いところはありますが、化学肥料の問題、普洱茶本来のミネラル感の喪失などの問題もあります。

この勐海生餅は雲南省班章山の中でも指定された一部の地域の茶葉だけを使用して作られた特別オーダーの普洱茶です。
班章山の中にも古くからある古茶園と新茶園があります。どちらも「班章山」として流通するため、注意が必要です。この勐海生餅はもちろん班章山の古茶園、樹齢300年以上の古茶樹から採られた茶葉のみを使用して作られています。まだ若い普洱茶ですが、既に美味しく楽しめるだけの茶質を持ち、また熟成用としても最適な最高品質の普洱茶です。

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大益 老茶頭 2011年

勐海茶厂(モウ海茶廠)の大益老茶頭です。普洱熟茶で2011年のものになります。
茶頭というのは普洱熟茶を製造するのに必要な渥堆工程(麹菌などによる後発酵)で発生する、いわゆる半端モノです。渥堆工程では積み上げた茶葉に水をかけ、温度と湿度を上げた状態で後発酵を行います。その発酵過程で茶葉同士が固まりになってきます。それを人間が鍬のような道具でほぐしていくのですが、そこで発生する、特に熟成が進んだために、ほぐしきれなかった塊を茶頭(茶头)といいます。
しっかり熟成が進んでいる良質の茶葉が多く、お値打ち品です。
勐海茶厂(モウ海茶廠)は熟茶の技術には定評があり、この茶頭も非常に評判が高く人気があります。元の茶葉はどの普洱熟茶を作ったのか分かりませんが、もしかしたら、とても高級な普洱熟茶を作っていた時の茶頭かもしれません。