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武夷山 慧苑茶区

2013年09月07日 category : BLOG, お茶の旅 

鹰嘴岩

水簾洞から観光用の遊歩道を外れて様々な種類の茶畑を見せていただきました。
歩くのもやっとという位の山道、しかも岩山で傾斜もきつく、水の多い武夷山は足元も水で濡れて滑りやすく怖い場所もいくつかありました。
私たちは歩くのがやっとという道でしたが、茶業さんたちはここでチャノキを育て、お茶を摘み、製茶所まで運んでいく山道です。正岩茶、中でも良い茶区とされている場所の岩茶が高価なのは生産量の少なさはもちろんですが、こうした厳しい環境での作業ということもあるのだと実感させられました。

ここで一旦観光用遊歩道へ戻って先を進むことに。鷹嘴岩の横を通って先に進みます。

鷹嘴岩は武夷山の見どころとして有名ですが、この周囲の茶区も優秀で上質な茶葉が採れる場所として知られています。

武夷山 慧苑

綺麗な水が流れる川沿いを歩いていきます。
色々と環境問題が問いただされる中国ですが、武夷山は本当に水が綺麗な場所でした。この小川にも小さな魚が沢山泳いでいて、後日食事でいただきましたが、全く臭みもなく美味しい魚でした。

そのまま小川と茶畑を眺めながら歩いて行くと慧苑茶区に入っていきます。

慧苑寺

慧苑寺という古くからあるお寺の周囲が慧苑茶区です。
白鶏冠の発祥地と言われている慧苑寺がここになりますが、お寺自体は人の気配もなく古くからあるそのままの状態といった感じで静かにありました。
お寺の周囲ももちろん茶畑が広がっています。白鶏冠はそれほどでもなく、肉桂や水仙がここでも多く栽培されていました。

慧苑茶区

慧苑茶区の茶畑です。お茶に興味が無い人が見たら単なる荒れ地にされてしまいそうな茶畑です。
三坑两涧の1つ、慧苑坑は最上質の岩茶の産地として有名な場所です。地形が非常に厳しい場所も多く、ここでも歩くだけで精一杯といった山道の奥まで茶畑が広がってました。

ここでは肉桂と老欉水仙の茶畑を見学させていただきました。(この老欉水仙は年末か年明けにはご紹介させていただく予定です。)他にも樹齢100年を超えた老欉水仙も見せていただき、その老欉が持つ迫力に圧倒されました。


岩茶 慧苑肉桂
岩茶 慧苑肉桂

この慧苑で作られた岩茶の肉桂です。

慧苑坑という場所は正岩茶区の中心となる特別な地域です。その場所で育った武夷岩茶は特別な香気と味わいを持っています。正岩茶ならではの味わい、岩韻が素晴らしいこのお茶は、むせ返るような見事な花果香と質の良い岩茶特有の蜜蝋のような深み、ミネラル感、甘味がとても上品なバランスで同居しています。

岩茶本来の美味しさを知るのに最適な、最高のお手本のような武夷肉桂です。

残暑が厳しいこの時期にお勧めなのはフレッシュな普洱生茶です。普通に熱湯で淹れて楽しんでいただいても、アイスティーにしてもとても美味くお楽しみいただけます。

班盆 早春茶
班盆 早春茶

雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い班盆という村で作られた2013年の普洱生茶です。今年に最初に摘み取られた茶葉で作られたお茶です。
完全に手作業で作られているため、良くある小沱茶の形ではなく、単純に丸めただけの形をしています。

先にご紹介させていただいている、班盆古樹純料谷花茶 2012年の妹分のようなお茶になります。

薄い金色の透明度が高いお茶は蜜のような、甘い樹液を連想するような香りと、ミネラル感のある深みのある甘さが心地よい美味しさです。とても柔らかく、出来たばかりの普洱生茶とは思えないような優しさは、班盆ならではの味わいです。

今はとてもフレッシュで美味しい味わいが楽しめますが、年月と共に緩やかに熟成もしていきます。段々と味に今とは違う深み、甘さが感じられるように変化し、5年、10年と経過したものは上質なブルゴーニュワインのような深みのある味わいになっていきます。
時間と共に変わっていく香気や味わいも楽しんでいただけるお茶です。