広東省の有名な烏龍茶の産地、鳳凰山から武夷山へ持ち込まれた八仙を使用した岩茶です。水簾洞という素晴らしい茶区で栽培したものを、老茶にするべく現地で後熟成を続けてきました。落ち着きのある花香、正岩茶の持つ深みのある滋味、茶樹の力強さを感じさせるミネラル感、長く続く岩韻、老茶の繊細な味わいは老茶の八仙ならではです。
岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶(現在は標高に関わらず自然保護地区内で栽培されたものは全て正岩茶としていることが殆どのようですが当店では昔と同様の区分けを行い、標高の低い地域の「正岩茶」は取り扱いません)、武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。不思議なようですが同じ岩茶でも正岩茶と半岩茶、州茶では全く味も香りも異なります。 鳳凰単叢の八仙に通じる香りを持ちつつ、岩茶らしい落ち着きのある旨味も持ち、老茶ならではの品格の高さを感じさせる繊細で穏やかな力強さが素晴らしい岩茶です。もともと老茶には高い品質が求められます。力のない、旨味の少ないお茶は時間を経ても美味しくはなりません。時間の経過と共に味わいや香りが失われてしまいます。この八仙はもともとの茶樹のちからが強く、老茶にするにふさわしい品質のものでした。武夷山で2003年に製茶された後、作り手が定期的に確認、火入れを繰り返して大切に育ててきました。 煎持ちも非常に良く、上手く淹れれば10煎以上楽しむことができます。緑茶と違い、「宵越しのお茶」もできます。十分にお湯を切って涼しい場所で茶壷ごと保存すれば、翌日もその続きを楽しめます。次の日に再度お茶を淹れる際には熱湯で軽く1回洗茶してからお楽しみください。時間が経過しすぎて、室温が高すぎたなどの理由で茶葉が変質してしまった場合は飲用を中止してください。 十分に楽しんだ後は茶殻も鑑賞してみてください。中国茶では茶殻の形も楽しみます。 2003年の春に製茶され、熟成を続けていた岩茶です。2020年1月に最終焙煎を行っています。 関連ブログ: |