大紅袍は岩茶の中でも非常に有名な品種ですが、もともとは武夷山の九龙窠景区の岩肌に生える6本の茶樹からつくられた武夷岩茶を指します。これらの茶樹は母樹大紅袍と呼ばれ、自然遺産ともされているため一般に流通することはありません。一般的に流通している大紅袍は商品大紅袍と呼ばれるブレンド茶です。
今回ご紹介する大紅袍は以下の岩茶をブレンドしています。 九龍巣老叢水仙(九龙窠老枞水仙) 全て老叢、樹齢100年以上の茶樹から作られています。 岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶(現在は標高に関わらず自然保護地区内で栽培されたものは全て正岩茶としていることが殆どのようですが当店では昔と同様の区分けを行い、標高の低い地域の「正岩茶」は取り扱いません)、武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。不思議なようですが同じ岩茶でも正岩茶と半岩茶、州茶では全く味も香りも異なります。 どれもブレンドする必要のない、素晴らしい岩茶ですが、大紅袍としてブレンドすることで、もともと持っている茶葉のちからを更に増幅したような素晴らしいお茶に仕上がっています。素晴らしい花香、深みのある滋味、味わい、どれも素晴らしく、言葉にできないほどです。余韻も驚くほど長く、身体のなかから、その香りが広がるように戻ってきます。これほどまでに素晴らしい「大紅袍」はなかなか出会えることはありません。 2020年の春に製茶された岩茶です。年月を経ていくことで旨み、甘味、香りの深さが増してくるお茶です。その変化もお楽しみいただければと思います。 関連ブログ: |