成都・大西南茶葉市場
北京から国内線で成都へ。
成都の北部、五块石には中国西部最大のお茶市場、大西南茶叶市场があります。
ここでは何か仕入れるという訳ではないのですが見学に行ってきました。
北京の馬連道茶葉市場などに比べるとかなり小さい印象がありますが
一般消費者に販売することも多い馬連道や広州の芳村茶葉市場に比べるとかなり業者向けになっています。
そのせいか歩いている人も少なく、市内の小売店の人が仕入れに来ている位でした。
他の地域の市場と同じように鉄観音と普洱茶を扱うお店が多いのですが
茶産地でもある地元の四川省産のお茶を扱うお店が多いのは他の市場ではなかなか見られない光景です。
四川省のお茶は沿岸部の福建省や浙江省のお茶と違って中国国内でもなかなか流通していません。
緑茶の竹叶青は北京あたりで流行していることもあって良く見かけますが、それ以外のお茶はなかなか見かけません。
どうやら四川省はお茶の宣伝やブランディングに出遅れていたり
農家や茶廠が小規模であることが多く積極的に宣伝してこなかったなどの事情があるようですが
とても美味しい上質な名茶が多いのに勿体無いですね。
私たちが訪れたときは丁度四川省産の新茶が入荷し始めていて
扱っているお店はどこも忙しくお茶を仕分けていました。
ただでさえ流通量の少ない四川省のお茶ですが、
北京や広州、もちろん日本へ流通するものとなると名前の知られた限られた種類になってしまいます。
この市場では「毛峰」や「雪芽」「雀舌」など、様々なお茶がありました。
どれも同じ緑茶のように思いますが、面白いことに全て味も香りも異なります。
また、他の地域では滅多に見かけない黄茶「蒙頂黄芽」も普通に見かけます。流石産地ですね。
川紅(四川紅茶)は他のお茶に比べると少ないですが、やはり産地だけあって他の市場よりはあります。
成都市内ではあまり川紅を見かけることがありませんでしたが
市場まで来ると少しではありますが扱っているようです。
茶葉以外でも四川省ならではのお茶、苦蕎茶という韃靼そば茶も多く並んでいます。
四川省涼山では韃靼そばの一大産地で市内のお土産屋さんでも韃靼そば茶が多く売られています。
(ちなみに蕎麦も普通の麺と同様に食べています)
茶葉問屋さんに混じって韃靼そば茶の問屋さんもいくつかあり、自分たち用のお土産としていくつか購入してきました。
そば茶にも様々なランクがあって勉強になりました。
甘くてなかなか美味しいです。
また、四川は苦丁茶の産地でもあります。
青山緑水という峨眉山で採れる新芽のみを使った苦丁茶も沢山並んでいました。
市内でも普通に親しまれている苦丁茶で飲ませていただきましたが
日本で普通にいただくものとは違い、程よく苦いものの甘くて美味しい苦丁茶でした。
市場全体は30分もあれば一周できてしまうような規模ですが
成都の人々のお茶好きが分かるような、まさに茶産地に近い市場です。
四川省の有名な名茶、蒙頂甘露の茶葉に丁寧に君子蘭の香りを移した非常に珍しい花茶です。
鈴茶堂のお茶の中でもとても人気のある、リピートしてくださるお客さまの多いお茶の1つです。
花茶には珍しく男性にも人気のあるお茶です。
とても煎持ちが良く、何煎もお楽しみいただけます。
こちらも蒙頂甘露の茶葉にジャスミンの花の香りを移したジャスミン茶です。
四川省のジャスミン茶は飾りの花が加えられているのが特徴的で、可憐な雪のように見える花が綺麗なお茶です。
一般的なジャスミン茶はその製法からどうしても焼けたような独特の味が出てしまいますが、この碧潭飄雪にはそれがありません。
純粋なジャスミンの香りと緑茶の甘い爽やかさをお楽しみいただけます。
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