老茶ではない馬頭岩の肉桂をご紹介するのは6年ぶりです。久しぶりに、これぞ「馬肉」と思えるお茶です。 武夷肉桂は岩茶の中でも最も多く生産されている品種です。多く生産されているとはいえ、数々の賞を受賞し、国家級銘茶にも指定されています。実際、武夷岩茶の中でも最も人気が高く、私たちも大好きな品種です。肉桂というのは中国語でシナモンを意味しますが、お茶の肉桂ではその意味ではなく金木犀です。花の様な香りを持つ、甘い深みのあるお茶という意味を持ちます。 岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶(現在は標高に関わらず自然保護地区内で栽培されたものは全て正岩茶としていることが殆どのようですが当店では昔と同様の区分けを行い、標高の低い地域の「正岩茶」は取り扱いません)、武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。不思議なようですが同じ武夷肉桂でも正岩茶と半岩茶、州茶では全く味も香りも異なります。 この武夷肉桂はその正岩茶の中でも馬頭岩(马头岩)、武夷岩茶の正岩茶区でも中心になる岩(峰)の名前がつけられています。馬頭岩で作られた肉桂は馬肉とも呼ばれ、大変に素晴らしい岩茶、特に肉桂が産出されることで知られる場所で、ワインで言うところのグランクリュ畑の1つに挙げられます。その正岩茶区の中心となる地域で作られた素晴らしい岩韻を持つ肉桂です。 落ち着いた花香、あとから桃のような果香も感じられます。心が安らぐようなその香りと、優しく静かな甘味、それらを奥深いミネラル感がそれを支えて見事な調和をみせてくれます。バランスが良く、これぞ肉桂という言えるような秀逸な肉桂に仕上がっています。舌で味わうのではなく、身体で味わう岩茶です。飲み終えた後の身体の中から戻る余韻が素晴らしく、長く続きます。 高い技術を持つ作り手による機械を使わずに丁寧に製茶された「手工」のお茶です。お手元にあっても少しずつ後熟成していきます。時間の経過による味わいや香りの変化を楽しむこともできる上質な岩茶です。 2025年春茶 関連ブログ: |





