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望魚古鎮

2013/1/14

望魚古鎮

雅安郊外にある望魚古鎮です。
上里古鎮と同じように茶馬古道の宿場町の1つで、茶馬古道上にある古鎮では最も美しい古鎮と呼ばれていますが、雅安市街地から望魚古鎮までの山道があまり整備されていないこともあってか、まだまだ訪れる人の少ない場所です。

望魚古鎮

山深い場所にあり、集落のすぐ横には美しい川がゆっくりと流れています。上里古鎮もそうですが、水道が整備されていない昔は水が非常に重要だったのでしょう。古鎮と呼ばれる場所は大抵水のある場所の近くにあるようです。
望魚古鎮は川沿いの急な長い階段を上った山の中腹のような場所にあります。もしかしたら水害を避けるために川沿いではあるけれども、水のある場所よりも遥かに高い場所に集落を作る必要があったのかもしれません。現在はその長い階段の下に新しい建物の小さな集落ができていました。

望魚古鎮

観光に訪れる人も少なく、私たち以外の観光客に出会うことはありませんでした。
ここの古鎮もこれらの古い建物に昔と変わらずに生活している人々がいます。いくつかの建物は客棧と呼ばれる宿や食堂の看板がありますが、営業している雰囲気ではありませんでした。

建物の土台となっている石組みも基礎に近い部分は相当に古い状態で、もしかしたら茶馬古道の宿場町としてこの古鎮が栄えていたころからあるものかもしれません。とても静かで美しく、時間が止まっているかのような場所です。

茶馬古道

小さな集落を奥へと進んでいき、建物も無くなり、歩くのも難しくなってきた頃、当時使われていた茶馬古道の石畳が現れました。茶馬古道です。
注意していないと見落としてしまうような、まるで獣道のような道筋ですが、確かに古い石畳が残されています。更に奥へと続いていましたが、もう何年も使われていないようで歩くのも困難なほどに荒れてしまっていました。

茶馬古道の跡は中国の近代化に伴って、どんどん姿を消してしまっています。あるいは忘れ去られて朽ち果ててしまっている部分も多くあります。私たちが見ることができた茶馬古道の石畳もあと何年かしたら無くなってしまうのかもしれません。


勐海生餅 2010年
勐海生餅 2010年

四川からチベットへは蔵茶が運ばれましたが、雲南からは普洱茶が運ばれました。

普洱茶の製造が民営化してから市場には様々な品質の普洱茶が流通するようになりました。その殆どは新茶園、台地茶と呼ばれる新しく作られた茶畑から採られた量産茶葉を使って作られる普洱茶です。これらは生産性を目的として背の低い茶樹を密集した状態で植える、日本で見られる茶畑とそれほど大きく変わりません。新茶園の茶葉から作られる普洱茶も良いところはありますが、化学肥料の問題、普洱茶本来のミネラル感の喪失などの問題もあります。

この勐海生餅は雲南省班章山の中でも指定された一部の地域の茶葉だけを使用して作られた特別オーダーの普洱茶です。
班章山の中にも古くからある古茶園と新茶園があります。どちらも「班章山」として流通するため、注意が必要です。この勐海生餅はもちろん班章山の古茶園、樹齢300年以上の古茶樹から採られた茶葉のみを使用して作られています。まだ若い普洱茶ですが、既に美味しく楽しめるだけの茶質を持ち、また熟成用としても最適な最高品質の普洱茶です。

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大益 老茶頭 2011年

勐海茶厂(モウ海茶廠)の大益老茶頭です。普洱熟茶で2011年のものになります。
茶頭というのは普洱熟茶を製造するのに必要な渥堆工程(麹菌などによる後発酵)で発生する、いわゆる半端モノです。渥堆工程では積み上げた茶葉に水をかけ、温度と湿度を上げた状態で後発酵を行います。その発酵過程で茶葉同士が固まりになってきます。それを人間が鍬のような道具でほぐしていくのですが、そこで発生する、特に熟成が進んだために、ほぐしきれなかった塊を茶頭(茶头)といいます。
しっかり熟成が進んでいる良質の茶葉が多く、お値打ち品です。
勐海茶厂(モウ海茶廠)は熟茶の技術には定評があり、この茶頭も非常に評判が高く人気があります。元の茶葉はどの普洱熟茶を作ったのか分かりませんが、もしかしたら、とても高級な普洱熟茶を作っていた時の茶頭かもしれません。

蔵茶博物館

2013/1/11

蔵茶博物館

上里古鎮には蔵茶博物館があります。
あまり宣伝もされていないので、うっかりすると見落としてしまうかもしれません。

昔の建物を利用した小さなスペースですが、蔵茶を作るために使われていた昔の道具などの展示があり、製法が機密扱いとなっている蔵茶の製茶方法が少しでも理解できるような、私たちにとってはとても勉強となる内容でした。

蔵茶博物館

この博物館は鈴茶堂が取り扱っている四川省雅安茶廠から提供された道具や写真で構成されているようです。

現在は衛生的な工場で完全管理されて製茶が行われていますが、昔はこのような道具を使って作られていたのですね。

蔵茶博物館

中には今もあまり変わらないような道具や機械もあります。
例えばこの揉捻機も現在使われているものとあまり形状は変わらないようです。

蔵茶博物館

蔵茶ならではの道具もあります。

本来の蔵茶は枕型と呼ばれる枕や大きめのレンガのような形をしたお茶です。これらをまとめて竹で編んだ籠に入れてチベットへ運びます。今も現地やチベットで楽しまれる一般消費的な蔵茶はその形状です。(日本人的には飲んでも美味しいという感じではなく、鈴茶堂が扱っている蔵茶はそれよりも上のレベル、チベットでは高僧が楽しむような等級の蔵茶です)
その独特の形状を作るための道具も展示されていました。

蔵茶博物館

四川省雅安茶廠の工場は非常に衛生的で完全管理されている工場のため、今ではこうした木枠が使われることはありませんが、雅安にある小規模の茶廠や工場ではまだ使われているかもしれませんね。

蔵茶博物館

これは蔵茶を背負うための背負子です。
雅安の少し先、二郎山と呼ばれる山は今でこそトンネルが作られ、楽に車も人も移動できるようになっていますが、その昔は四川省の茶馬古道のなかでは一番の難所と呼ばれる険しい峠でした。
こうした背負子を使って百キロ以上にもなる蔵茶を背負い、重さに負けないよう鉄の杖を持ってチベットまで蔵茶を運んでいたそうです。



蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、夏バテや疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

上里古鎮

2013/1/10

上里古鎮

四川省へ移動して、成都で数日ゆっくりした後、まずは上里古鎮を訪れました。

上里古鎮は山間の静かな集落で、かつては雅安で作られた蔵茶をチベットまで運んだ茶馬古道の重要な宿場町の1つでした。唐代には町としてかなり栄えていたそうです。今でも明清代の橋や建物が残る古鎮で、四川省の十大古鎮の一つに指定されています。

名山の茶畑

成都から車で2時間半ほど、蒙頂山の麓の名山地域に広がる茶畑を眺めながら、まずは雅安の町へ向かいます。名山のこのあたりは標高6〜800m程度で、主に緑茶や紅茶が作られています。訪れた9月上旬のこの時期は夏の紅茶の茶摘も終わり、静かな茶畑が広がっていました。

雅安の町を過ぎて世界遺産にも指定されている碧峰峡(パンダが初めて発見された地域でパンダ繁殖基地で有名です)を抜け、険しい山の中をしばらく走ると上里古鎮に到着します。

上里古鎮

集落に入ると広場に収穫された穀物が広げられて天日干しされているのに出会いました。この風景は上里古鎮だけでなく、名山でもあちこちで見られます。保存食として乾燥されているだけでなく、白酒の材料ともなるのだそうです。

古い建物の間に新しく作られた建物も混在して独特の雰囲気を出しています。新しく作られる建物は周囲の景観を崩さないように昔の建築様式で作られています。
比較的雅安市内やパンダ繁殖基地からアクセスしやすい場所にもあることから多くの観光客が訪れる観光地でもありますが、観光客と昔と変わらずそこで生活する人々が混在する、不思議で暖かい集落でした。

上里古鎮

集落は川に沿って建物が続いていて昔ながらの薬屋さん、雑貨屋さん、お茶屋さんなどが並んでいます。観光地としてお土産屋さんやレストランもありますが、半分以上はこの古鎮に暮らす人々が利用する生活に密着したお店です。
観光用に保存されているように見える古い建物でも、昔と変わらずに人々が暮らしている家であったりします。

建物は古いだけでなく、非常に凝った美しい作りをしているものが多く見られます。このあたりは水に恵まれ、豊かな土地であったために農業やお茶の産地とその商業拠点としてかなり栄えました。そうして得た財を子供たちの教育に使うようになり、教育を受けた子どもたちは役人として出世したことで、当時、最先端だった建築技術を用いて邸宅を建てたそうです。
上里古鎮が五家口という別名を持つ集落であるのは、なかでも有名で壮麗な韓家、陽家、陳家、張家、許家といった名家があったからと言われています。今でもそのいくつかは残されていて見学することもできます。中には宿泊施設として利用できる建物もあります。

二仙橋

このあたりはは橋がとても多くあります。水に恵まれた土地であるため、上里古鎮には古代から近代にかけて十本の橋が造られているそうです。清代の乾隆帝年間に作られた二仙橋や立交橋が石造りのアーチ型でとても美しく、今も昔と変わらず使われています。

流石にもう使われてはいませんが、清代の水車小屋や川の流れを利用して動く石臼の粉挽き小屋なども見学できます。

上里古鎮

古鎮を川沿いに奥へと歩いて行くと茶座が並んでいます。茶座というのは四川省のあちこちで見られる青茶茶館です。成都市内では公園や寺院などに、雅安などでは川沿いなどの景色の良いところに設置されていて、お茶を楽しみながらトランプやお喋り、読書をする地元の方々でいつも賑わっています。素敵な習慣ですね。

私たちも茶座でお茶をいただきながら一休み。このあたりで作られる蒙頂甘露や蒙頂黄芽などを楽しみました。


四川高山紅茶
四川高山紅茶

伝統的な四川紅茶の製法を何年もかけて研究して生まれた四川高山紅茶です。
一般的な四川紅茶よりももっと香り高く深い甘みを持つこの紅茶は、鈴茶堂でも人気のあるお茶の1つです。
天然の茶葉の香りとは思えないほどの香りと、砂糖を入れていないとは思えないほどの甘い紅茶を是非おためしください。


貢品 碧潭飄雪

蒙頂山で栽培された茶葉を使って丁寧に作られた蒙頂甘露に
四川省はもちろん、中国大陸でも最も品質の良い四川省楽山市のジャスミンの花を厳選して
丁寧に香りを移したジャスミン茶です。
ベースとなるお茶はもちろん、使われるジャスミンの花にもこだわり抜いて作られた美味しいジャスミン茶です。


春韻白毫

君子蘭の香りを丁寧に移した、とてもめずらしい花茶です。
このお茶のベースにも、ここ蒙頂山で作られた蒙頂甘露が使われています。
花茶が苦手な方や男性の方がハマってしまう、不思議なお茶です。

あけましておめでとうございます

2013/1/4

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

今年も沢山の茶縁にであえるよう
また、沢山の美味しいお茶をご紹介できるよう
できることから少しずつですが、一歩一歩進んでいきたいと思います。

ようやく凍頂烏龍茶の冬茶も入荷する予定です。通常の冬茶よりも冬片に近い時期の摘み取りの上、1ヶ月近くかかる火入れのため、遅いご紹介となりますが、通関次第、状態を見てご紹介させていただきますが、発酵と焙煎のしっかりした昔ながらの作り方をしたお茶は、どうしても落ち着くまでに時間がかかります。実際、半年程度経過してからが美味しくなることも多々あります。
鈴茶堂がご紹介する凍頂烏龍茶も今は春茶が一番美味しい状態になっているのも事実で、冬茶のご紹介は少しお時間をいただくかもしれません。
昨年から熟成を続けていた台湾・渓頭の高山春茶がようやく落ちついて良い状態になってきました。こちらも最近主流の発酵の浅い高山茶ではなく、しっかりと発酵を行っている高山茶です。今年の渓頭は雨が多く、木の状態が良くないとのことで冬茶の製造は見送った程のこだわりを持つ、とても頑固で真面目な作り手さんによるものです。
台湾佛手なども入荷する予定ですが、こちらは樹齢100年を超す老木から作られる年間12キロしか作れないという貴重なお茶のため、限定数のみのご紹介となります。
また、ビンテージの黒茶なども今年はご紹介していきたいと思っています。かなりマニアックなラインナップになると思いますが、どれも美味しく非常に良い状態で保存されているものばかりになりますので、どうぞご期待ください。

こうした素晴らしい、中には入手が難しいようなお茶たちをご紹介できるのも、各地の老師や先輩方、作り手さんたちのご好意のおかげです。また、数あるショップやお茶の中から鈴茶堂を選んでくださっているみなさまのおかげです。
感謝の気持ちを忘れずに今年も頑張っていきたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年 どうもありがとうございました!

2012/12/31

鈴茶堂
中国・四川省阿坝藏族羌族自治州汶川县・巴朗山熊猫王国之巓(標高4520m)からの雲海

1年間、多くのみなさまに支えていただき、本当にどうもありがとうございました。
おかげさまで、私たちが思っていたよりも素晴らしい1年を過ごすことができました。
どうもありがとうございます。

お茶の縁を再確認した1年でした。

お茶が好きというだけで、こんなに沢山の素晴らしい出会いがあるとは、2012年のはじめには想像もできませんでした。

とても真摯にお茶と向き合う茶業さんや茶農家さんたち。みんな無口で怖そうだけど、実はとても優しい方で、製茶で忙しい時期にも関わらず、嫌な顔1つせずに製茶場の中を隅から隅まで案内してくださいました。門外不出の製茶方法まで見せていただいたり、とても美味しい地元の食事まで振る舞ってくださったり、とても良くしていただきました。

1日のうち、限られた時間で茶摘をしなくてはならないのに、笑顔で歓迎してくれる茶摘の摘み子さんたち。茶摘の仕方や萌え出したばかりの新芽が美味しいということも教わりました。

外国人の訪問が殆ど許されることのない茶廠を訪問させていただくこともできました。通常は訪問することすら難しいこの場所へ行く事ができるように何度も何度も各方面に働きかけてくれた友人たちにも本当に感謝しています。

実際に蔵茶の淹れ方を教えてくださったチベット族のお母さん。バター茶の作り方だけでなく、地域によってバター茶のレシピが違うということなども詳しく教えてくださいました。他にも沢山のチベット族の方にお茶についてやチベット料理などについても教えていただきました。
チベット族自治区へ行く際にはドライバーの方にも大変お世話になりました。落石が酷く危険な山道を何時間もかけて走り、予定した目的地まで辿りつけずに途中の小さな町で急遽1泊する際にも宿を探してくれたり。そういえば、高山病で倒れた時にも地元の方々にお世話になりました。

上海、安徽、浙江、北京、台中、そして日本の老師の方々。惜しみなく沢山のことを教えてくださるだけでなく、このお茶についてはこの方が詳しいからと、行く先々の専門家を紹介してくださったり。

家族や親戚が作ったお茶を広めたいと何時間もかけて試させてくれる各地の茶商さんたち。正直で誠実にお茶と向き合い、長所も短所も話し合います。時には日本人の好みはこんな感じなんてことも説明することもあったり。中には仕入先を共有してくださったり、輸出手続きを代行、現地事務所のように使わせてくださっているところも。

茶器などの作家さんたちにも沢山お会いできました。作業の手を止めて工房の隅々まで見せてくださり、素晴らしい作品を見せていただいたり、特別に譲っていただいたりしたことも。器が縁となって広がった縁もありました。

他にも書ききれないほど本当に沢山の素敵な出会いがありました。
どうもありがとうございました!本当に感謝しています。

そして鈴茶堂のWEBショップをご利用いただいたみなさま。
また、バーやレストランで私たちの選んだお茶をお楽しみいただいたみなさま。
数あるお茶の中から選んでいただいたことに、言葉では言い表せないほどに感謝しています。
どうもありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。

2013年も今まで以上に美味しいお茶をご紹介できるように、この縁をみなさまにも広げていけるように頑張ってまいります。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。

湖心亭

2012/12/20

湖心亭

こちらは上海最古の茶館として有名な湖心亭です。
上海観光で有名な豫園の中にあり、実際に訪れたことのある方も多いのではないでしょうか?

いつも観光客で混雑している豫園ですが、意外と湖心亭の中にはお客さんの数も少なく、2階に上がると時間帯によっては他に誰もいないような状態になっていたりする穴場でもあります。
この時も私たち以外に2階は誰もいない状態で、暫くの間貸切状態でくつろぐことができました。

湖心亭

茶譜(お茶のメニュー)は中国各地のお茶が並んでいます。
青茶(烏龍茶)をオーダーすると一番上の写真のように1煎目はお店の方が工夫茶の形式で淹れてくださいます。この時は同行されていたお客様が鳳凰単叢を、私は緑茶をお願いしました。緑茶の名前は忘れてしまったのですが、上海市のお隣にある浙江省で作られる緑茶で、あまり遠くの地域まで流通することのない、地域で消費されるような地元密着型の緑茶です。
中国各地にはこのようなお茶が沢山あって、中には名前すらないものも。素毛峰や炒青とだけ書かれている緑茶も各地にあります。こうしたお茶を含めると、中国茶はなんて数が多いのだろうと改めて驚かされますね。
こうした名前の知られていない、まだ出会ったことのないお茶を楽しめるのが旅の一番の楽しみであったりします。

湖心亭

今回確認していませんが、1階と2階で茶譜が違ったと思います。
確か1階には湖心亭オリジナルの茶器やお茶のショップと有料試飲がメインで、普通に茶館として楽しむこともできますが、ショップの売り込みなどもあり、ゆっくりしたい場合は2階を是非おすすめします。その分若干2階のお値段は高めになっていますが、茶館ですので標準的な価格設定になっています。日本の喫茶店の感覚では高いと思われるかもしれませんが、何煎も楽しめる中国茶ですから、もういいやと思うまで滞在できる分の席料もあると考えていただければと思います。

湖心亭

湖心亭の2階からの景色です。
茶館の中は本当に静かで、外に見える豫園の喧騒が嘘のようです。
夏の暑い盛りでしたが、ちゃんとエアコンも効いています。ご安心を。

このあたりではなかなかゆっくり休憩できる場所もないので、意外といつも空いている湖心亭は有難い存在です。
また、朝も8時半から開店しているとのこと。早朝の散歩コースに取り入れても良さそうですね。

湖心亭
上海市豫园路257号
021–6355-8270


12月23日より台湾・中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。
また、年末年始にあたりますため、発送業務の再開は翌年1月4日となります。

度々の出張で発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

12月21日14時までのクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日22日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、12月21日中に入金確認ができたご注文を翌日22日に発送させていただきます。それ以降のご注文は翌年1月4日以降の発送となります。

とはいえ、年末の発送業務停止は私たちも大変申し訳なく思っております。

発送業務をお休みさせていただいている間のご注文で、ご希望される方には12月30日にも発送させていただきます。
ご注文の際の備考欄に「12月30日発送希望」とお書き添えください。

年末発送のご希望が多い場合は12月30日の発送が難しい場合もございます。その場合、翌日の31日以降になるべく早く対応させていただきますが、その際にはメールにてご相談させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。
ネット接続環境が不安定な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で3日程度のお時間をいただくことも予想されます。

大変ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

大可堂 普洱会所

2012/12/16

大可堂普洱会所

中国の茶館には大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは気軽に利用できる元祖カフェのような茶館ですが、こちらは主に台湾や中国でも南の方に多く見られます。もう1つはビジネスの場としての茶館で、日本の料亭のような役割を持っています。北京の茶館はこのタイプが多く見られます。意外に思われるかもしれませんが、中国では商談や接待をする際にお酒ではなくお茶で行うことが多くあります。
この上海にある大可堂普洱会所は両方のタイプを合わせた茶館です。

天山茶城を見学した後はこの大可堂普洱会所でお茶をいただいてきました。

1900年台前半に建てられた洋館を利用した茶館はとても素敵な場所でした。インテリアも素晴らしく、中には高価なアンティークもあるようです。

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茶譜(お茶のメニュー)は名前の通りに普洱茶(プーアル茶)が中心です。素晴らしいラインナップで通常では入手できないようなビンテージの普洱茶が並びます。ただし、創業当初に作られた茶譜とのことで、これは是非いただいてみたいと思う普洱茶の殆どは品切れたままになっていました。確かに今となっては入手することすら困難なお茶ばかりです。再入荷の予定はたたないと思います。
高価で貴重な普洱茶以外にもお手頃な普洱茶も揃っています。ですが、折角ここに来ることがあるのなら熟成を重ねた上質な普洱茶を味わっていただきたいと思います。今、茶譜にあるそういったお茶も無くなれば再入荷されることはないと思いますし、何より本当に入手の難しい普洱茶ばかりです。ぜひ普洱茶の本当の美味しさを味わってみてください。全く違うことに驚かれると思います。

ここのオーナーさんは相当なコレクションを持っていたのですね。凄いです。

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私たちは1990年台初頭の中茶牌8653鉄餅をいただきました。茶葉はグラムで指定できます。8g、12g、16gと選べますが大人数ではない限り8gで大丈夫です。こちらは8gで500元(約6700円)でした。安いお値段ではありませんが、茶館ということやお茶うけも含まれていること、グループで1つのオーダーで良いことを考えれば良心的な価格だと思います。

お茶はお店の方が丁寧に淹れてくださいます。非常に良質な普洱茶ですので何十煎も楽しめます。

中茶牌8653鉄餅はとても甘く美味しい普洱茶でした。

大可堂普洱会所
中国・上海市徐汇区襄阳南路388弄25号(近永嘉路)
021-64676577 64675077


大益 2009年 普洱熟散茶
大益 2009年 普洱熟散茶

普洱熟茶には定評のある勐海茶厂(モウ海茶廠)の大益・普洱熟散茶です。大益には珍しく固形茶ではなく散茶の形状で2009年の製造です。
深みのある旨味と甘味がある美味しい普洱熟茶です。
香りはナッツのような香ばしい香りとナツメのような果物の香りがある、とても美味しい普洱熟茶に仕上がっています。もちろん、カビ臭さなどは一切感じません。湯温が高い時にはアミノ酸系の旨味が強く感じられます。湯温が下がってくると回甘が強くなってきて、果物のような味と香りが強く出てきます。

下关特级沱茶 2007年
下关特级沱茶 2007年

云南下关茶厂(雲南下関茶廠)の2007年特級沱茶です。
下関茶廠は雲南省临沧(臨滄)地区の春摘みの喬木型雲南大葉種のみを使用して沱茶(お椀型の普洱茶)を作り続けている歴史ある茶廠です。沱茶であれば下関茶廠の右に出るものはいないほど品質の良い普洱茶を作り続けていることで知られています。
気品を感じるような爽やかな甘味と旨味があり、甘味、旨味、微かな渋味のバランスがとても良くとれています。煎持ちもかなり良く、1日中楽しんでいただくこともできるお茶です。
今も十分楽しめ、これからも長く数十年単位で楽しめる上質な普洱生茶です。

上海 天山茶城

2012/12/15

天山茶城

高級評茶員養成・受験講座が終了して上海へ戻って来ました。
ここからは台湾へ行っていた代表と今回の旅に途中同行されることになったお客様と合流して各地をまわります。

上海は意外とお茶に関連するものが少ない都市ですが、市場もいくつかあります。
今回はその中の1つ、天山茶城を見学しに行ってきました。

広州や北京のお茶市場を知っていると拍子抜けする位に小さい市場です。この日だけなのかもしれませんが、訪れる人も少なく、少し寂しいような気もする市場です。メインとなる天山茶城は外壁修理中でした。この天山茶城を中心に周囲にもお茶屋さんが並びます。

天山茶城

茶城の中はこんな感じになっています。
やはり人は少ないようで、すれ違う人は殆どがここで働く人や呼び込みの店員さんたちです。

上海の中心部に近い場所にあることもあってか、卸市場というよりは観光客向けのお茶市場といっても良さそうな感じの品ぞろえが多いです。小分けで綺麗なパッケージになっているものも多く、お土産にしやすいようになっています。お店も飾り気のない卸のお店というよりも綺麗で入りやすい内装になっていることも多く、店員さんたちの呼び込みの言葉は中国語よりも日本語や韓国語、英語の方が多く聞かれます。
とはいえ、市内の一般小売のお店よりは価格も抑えられていることも多いですから、上海観光の際にお茶を買うのであれば良い場所と思います。ただし、中には観光客と分かると品質に対してかなりの高値をつけてくる業者も多いですので、購入する際には必ず試飲して、納得できる価格かどうかで決めるようにしてください。
中には日本ではあまり見かけないようなお茶などもありますので、面白いと思います。

こういった市場は本当に玉石混淆ですが、中には良いお店もあります。一番は通ってよいお店を見つけて信頼関係を築くことです。あるいは信頼できる人の紹介などが確実です。どちらも難しい場合は訪れるお客さんの多い人気のあるお店などを選ぶのも1つの方法です。

#鈴茶堂のお茶は基本的に生産者より直接譲り受けております。ここで仕入は行なっておりません。


師走で忙しい12月、疲れがちな胃腸や身体に優しい蔵茶が人気です。
カフェインを全く含まない四川省雅安茶廠の蔵茶は全く刺激性がなく、二日酔いや体調を酷く崩した際にも楽しめる、白湯よりも身体に受け入れやすい優しい黒茶(麹菌後発酵茶)です。
解毒作用や整腸作用、循環器系改善、減脂作用などがあるとしてチベットをはじめ、中国では親しまれています。


蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、夏バテや疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

1周年ありがとうございます!

2012/12/13

Cameron Highlands

本日、12月13日で鈴茶堂Webショップが1周年を迎えさせていただくことができました。

本当にあっという間の1年でした。
Webショップのオープン当初は色々と不慣れなことも多く、多くのお客さまにご迷惑をおかけしたことと思います。
にも関わらず、ずっとお付き合いくださっているみなさまや、拙ショップを見つけてご利用いただいたみなさま、何度もご利用いただいているみなさまに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございました。

2年目も感謝の気持ちを忘れず、今まで以上に美味しい、あまり日本国内には入ってこないような種類や品質のお茶を少しでも多くご紹介できるように頑張ってまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

Cameron Highlands

日本にはどうしてもっと美味しいお茶が入ってこないのだろう?という気持ちと周囲の後押しから始まった鈴茶堂ですが、やはり変わったお茶や希少茶、品質のものを中心に扱っているため、1年前はこんなに多くの方にご利用いただけることになるとは想像もしていませんでした。

お茶好きの方から、あらためてお茶と向き合ってくださった方、今までは日本茶しか飲まなかった方、日本にお住まいの中国や台湾の方など、沢山の方のご利用をいただきました。

Webショップが中心ではありますが、鈴茶堂のお茶を扱ってくださっているお店に訪問した際などに
「お茶を茶葉から楽しむようになりました」
「お茶って美味しいんですね」
と言っていただける機会も増え、少しでもお茶を好きになってもらえるお手伝いが私たちにも出来たかな?と嬉しく、そしてこれからも頑張ろうという元気をいただいています。
また、Webショップでも暖かいメッセージをいただくことも多く、本当に嬉しく思っています。
ありがとうございます。

写真は拙店代表が現在訪問しているマレーシアのキャメロンハイランドという高原にある紅茶の茶畑です。
なかなか追いついていないブログですが、訪問している茶産地を順次ご紹介していきたいと思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


12月23日より台湾・中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。
また、年末年始にあたりますため、発送業務の再開は翌年1月4日となります。

度々の出張で発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

12月21日14時までのクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日22日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、12月21日中に入金確認ができたご注文を翌日22日に発送させていただきます。それ以降のご注文は翌年1月4日以降の発送となります。

とはいえ、年末の発送業務停止は私たちも大変申し訳なく思っております。

発送業務をお休みさせていただいている間のご注文で、ご希望される方には12月30日にも発送させていただきます。
ご注文の際の備考欄に「12月30日発送希望」とお書き添えください。

年末発送のご希望が多い場合は12月30日の発送が難しい場合もございます。その場合、翌日の31日以降になるべく早く対応させていただきますが、その際にはメールにてご相談させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。
ネット接続環境が不安定な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で3日程度のお時間をいただくことも予想されます。

大変ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

祁門工場見学

2012/12/8

祁門工場

もう1つの祁門紅茶場見学は祁門工場とも言えるような近代的な大きな工場でした。
まだ新しい工場のようで経済開発区の中にあります。

ここでは主に製品にするための最終加工の部分を見学させていただきました。

祁門工場

様々な機械で茎を取り除いたり、茶葉を大きさ別に分けていきます。
ここでも殆どの生産は終了していましたが、まだ一部の作業も行われていました。

祁門紅茶場は手作業での篩い分けを見せていただきましたが
ここでは機械を使用した方法をとっています。
(こちらの方法の方が一般的な篩い分け方法です)

祁門工場

こうした工程を経て毛茶(荒茶)だった祁門が製品茶として仕上がっていきます。
篩い分けられたお茶は各紅茶場やメーカー毎に決められた等級に分けられて出荷されます。

一般的に低い等級のものは食品加工用やペットボトル飲料など向けに
中程度のものはティーバックや国内外の大きなお茶メーカーさん・販売店さんなどへ
高い品質のものは高級茶として主に国内市場へ、一部は海外へ出荷されます。

祁門工場

このような大規模なメーカーさんでは、各ロット毎に品質のばらつきがでないようにブレンドを行なって出荷します。
この巨大なタンクは紅茶の保存タンクです。
タンクの下から茶葉が取り出せるようになっていて、そこでブレンドが行われます。

祁門工場

祁門に限ったことではありませんが、普通はなかなか製茶場の中を見学させていただいたり
ましてや撮影させていただくことはできません。
今回、色々と見学、撮影までさせていただくことができ
こうして皆様にご紹介できることができたことに、対応してくださった関係者のみなさまに感謝しています。


鈴茶堂Webショップ1周年・お茶プレゼントですが
多くのご注文をいただき本当にありがとうございます。

用意させていただいていたお茶も種類によっては既に終了してしまったものもありますが
早期終了はなるべくせずにいきたいと思っております。
そのため、プレゼントさせていただくお茶の内容が本日ご注文分から変更になります。

また、既にご注文いただき、プレゼントをお送りさせていただいた方には
お茶の組み合わせが違うものをお送りさせていただきます。
可能な限りプレゼントさせていただくお茶が重複しないようにさせていただきますが
限られた中からお選びしているため、種類が重複してしまった場合はどうぞご容赦ください。

よろしくお願いいたします。