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碧露軒茶芸館

2013/4/3

碧露軒茶芸館

成都を出て北京まで戻って来ました。

北京は南の上海や杭州などと違って茶芸館といったイメージが無いかもしれませんが、日本の料亭のような役割を持っているビジネスの場としての茶芸館は実は結構あります。中国でビジネスというと白酒で乾杯のイメージが強いですが、きちんとした商談を行う時にはお酒は飲まず、こういった茶芸館で行うそうです。意外と知られていませんよね。

今回お連れしていたお客さまに、美しい茶芸を楽しめて、ゆっくりと落ち着ける茶芸館を一度体験していただこうと碧露軒茶芸館に行ってきました。ここは以前にも何度か来ている茶芸館ですが、中国大陸ではかなり上位に入るのではないかと思うほどに美しい茶芸を見ることができます。
また、国際倶楽部飯店(St.Regis Beijing/セントレジス北京)に併設しているマンション楝の1階にあることもあって、とても豪華で素敵なインテリアと雰囲気も楽しめます。深夜1時位まで営業しているのも嬉しいです。夜の北京を楽しんだ後に行っても大丈夫です。

碧露軒茶芸館

個室と普通の半個室席が選べます。個室の場合は別途個室料金がかかります。(個室の広さなどによって個室料金は変動します。)私たちは秘密の商談をすることもないので普通の半個室席で。完全な個室にはなっていませんが、十分落ち着けます。

茶譜(お茶のメニュー)は緑茶から青茶、普洱茶などかなり揃っています。中にはかなりビンテージの経ったプレミア物の普洱茶も揃っています。ただし、ビジネス用の茶芸館という上に、ここは北京でもかなり高級な茶芸館ですので価格は高めです。
私たちは鳳凰単欉の蜜蘭香を選びました。煎持ちの良いお茶の中では一番お手頃で、確か600元位(この時期は7800円位でした)です。ここにサービス料などが加算されますが、こういったスタイルの茶芸館は1グループで1つのお茶を楽しみますので、人数で考えればそれほどでもないですし、この雰囲気、茶芸の美しさを考えたら良心的だと思います。

碧露軒茶芸館

お茶をオーダーすると担当の茶藝師さんが茶道具一式などを持ってテーブルに来てくれます。このお店は目の前でお茶を淹れてくれるスタイルです。
ここで働く茶藝師さんたちは茶藝師の専門学校の卒業生だそうです。茶藝師の専門学校といっても、かなり本格的なもので、良くあるカルチャースクール的なものではなく、全日制の専門学校とのこと。その卒業生の中から選ばれた彼女たちの茶芸は本当に美しくて見応えがあります。
もちろん淹れてくれるお茶もとても美味しく、もう飲めませんと言わない限り、ずっとお茶を淹れてくれます。みなさん、とても良い方ばかりで、茶藝師の専門学校の話やお茶の話などをしながら一緒にお茶を楽しみました。

それと、こちらの店長さんがとても素敵な女性です。芯の強さと優しさを持っている女性で、この時は話が弾んで彼女のとっておきのお茶まで特別に出していただき、スタッフの方も含めてみんなで楽しむことに。
お茶の縁ですね。またお会いしましょう。なんて言葉もいただいて、帰り道は心まで心地よい余韻でいっぱいでした。

碧露轩茶艺馆(国际俱乐部店)
中国・北京市朝阳区建国门外大街21号北京国际俱乐部饭店公寓1楼
010-65327008


鳳凰単欉 芝蘭香
鳳凰単欉 芝蘭香

芝蘭香は宋代から続く名叢の1つとされ、鳳凰単叢十大花蜜香型にも挙げられる鳳凰単欉です。
本来、芝蘭香は柏槇(ビャクシン)と蘭の香りを持つとされていますが、近年流通する殆どの芝蘭香にはこの柏槇の香りを感じることができなくなってしまっていました。
柏槇とはヒノキ科の針葉樹の1種で中国にあるものは日本のヒノキとは異なるそうですが、清涼感のある香りを持ちます。この芝蘭香はその柏槇香を感じていただける本来の香りを持った鳳凰単欉です。

鳳凰単欉 草蘭香
鳳凰単欉 草蘭香

この草蘭香は2012年の鳳凰単欉の中では最高の香気と滋味を持っています。
烏崠山の中でも標高1000mを越える高い場所にある1本の老欉(老茶樹)から作られるため、非常に生産量が少なく年間10キロしか作ることができない貴重な鳳凰単欉です。こうした高山にある老欉から作られるお茶には特韵と呼ばれる特別な香気、味わいがあります。この草蘭香はその特韵が良く出ている素晴らしい出来上がりとなっています。
この上なく上品な甘い花の香りを感じていただけます。
最高の鳳凰単欉を味わってみたい方に自信を持っておすすめします。


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ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

成都・大西南茶葉市場 再訪

2013/3/21

成都・大西南茶葉市場

雅安、カンゼ・チベット、アバ・チベットとまわって、ようやく成都まで戻って来ました。
以前にも行った成都の茶葉市場、大西南茶葉市場ですが、今回はお連れしていたお客さまをご案内する意味もあり、再度見学にいってきました。半年ぶりの大西南茶葉市場は鉄観音の秋茶の出荷で賑わっていました。前回は春の新茶シーズンで、四川省のお茶が沢山並んでいたのですが、今回は鉄観音が中心です。

北京の馬連道や広州の芳村茶葉市場と違って、かなり小さい印象のある大西南茶葉市場ですが(それでも中国西部最大のお茶市場だそうです)、やはり競争が厳しいのか、たった半年ぶりにも関わらずお店が変わっているところもちらほらありました。お茶市場はここ成都に限った話ではありませんが、どこも競争が厳しいようです。お茶自体の値上がりもそうですが、地代・家賃の値上がりが激しいようで、しっかり顧客を掴んでいないお店はすぐに撤退を余儀なくされる状態です。

成都・大西南茶葉市場

こちらは市場の街路樹の根本です。こんなところにも「茶」の文字があります。

四川の市場ですが、意外と揃っているのは雲南省のお茶です。普洱茶はどこの市場でも人気があることもあり揃っていますが、この市場では雲南緑茶なども入手することができます。地理的に近いために、雲南省の茶業さん(製造者)が直接出店しているケースが他の地域の茶市場よりも多いように思います。

折角なのでいくつかお店を覗いてきました。勉強用にいくつかのお茶を購入したり、ご一緒していたお客さまには茶葉市場の雰囲気を味わっていただきました。

日本では市場や卸に行くと一般販売はされていないことが多いですが、中国では一般販売も業務販売もあまり区別していません。ですので、初めて訪れるお店で買い物をすることも可能です。一般販売と業務販売の違いは価格ですが、明確な区別はなく、良く買いに来てくれるお得意さまや20キロや30キロといった大量に購入する場合は安い価格で販売するなどしています。
価格は基本的に交渉ですが、中国向けのガイドブックなどに書かれているような値切り交渉はあまり意味がありません。というのも、良心的な質の良いお茶を扱うお店は元々大きく利益を乗せるような価格は提示しないことが殆どで、価格交渉もこれだけ大量に購入するならこれだけ安くできますよといった感じです。提示額の半額になるということはなく、逆に大きく値切れるようなお茶屋さんはあまり信用ができない、むしろ観光客向けのお店であることが殆どです。普段から地元の人たちが買いに来るような信頼のあるお店は、そんな商売の仕方をすると誰も来なくなってしまうんですね。

購入の単位は斤で表します。1斤は500g(台湾の1斤は600g)です。観光地のお土産屋さんのようなお茶屋さん以外の最低販売量はどこも大概、1両で50g(台湾は37.5g)です。日本だと50gも?と思ってしまうところですが、実際のところ、50gで購入する人は殆どいません。中国(台湾もわりと当てはまりますが)では本当にお茶を沢山飲むので大体は1斤単位で購入します。少なくても半斤(250g)単位で購入していて、現地の方の感覚だと半斤以下の量は逆に恥ずかしいとか。両の単位で購入すると外国人、特に日本人だと分かるそうです・・・(日本人と区別が付きにくい韓国人も斤単位で購入することが殆どだそうです)

とはいえ、大概のお店は1両から購入することができますので、もし現地でお茶市場に行くことがあれば、遠慮せずに、ぜひ覗いてみてください。購入する際には必ず試飲して納得できるものを、納得できる価格で購入してください。日本の方が思っているよりも、ずっと高価なお茶は沢山あります。日本ではお茶は比較的安いような感覚がありますが、基本的に高級な嗜好品として扱われています。びっくりするほど高いお茶でも詐欺などではなく、正当な価格であることが殆どですが、中には観光地やそれに近いお店では高額を要求するケースもありますので、自分の納得できる金額で購入するようにしてください。慣れてくるとお茶市場巡りは楽しいですよ!


正岩茶 悦明香
正岩茶 悦明香

とても美味しい武夷岩茶です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。

正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)
正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製作り手の技術の違いを感じていただけると思います。

百年老枞水仙(百年老欉水仙)
百年老枞水仙(百年老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢160年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた貴重な老枞水仙(老欉水仙)です。特別な古樹だけが持つ落ち着きある、凄みすら感じる旨味を持つ岩茶に仕上がっています。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)の中でも齢を重ねた特別な古樹だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
煎を重ねていくほどに旨味が出てくるのもこの百年老欉水仙の特徴です。回甘も強く、喉を過ぎてからの余韻が長く続きます。上品な花の香りと落ち着きのある甘い火の香りから始まり、煎を進めるうちに果実のような香りも出てきます。
これは凄いと思える最高の武夷岩茶です。

発送業務お休みのお知らせ

2013/3/17

蒙頂山茶区

4月11日から15日までのあいだ、中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。

4月9日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日10日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、4月9日中に入金確認ができたご注文を4月10日に発送させていただきます。それ以降のご注文は4月16日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で3日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

蒙頂山茶区

今年は中国各地で茶摘が例年よりも早く行われているようで、ちらほらと新茶が日本にも到着しはじめているようです。

私たちがお付き合いしている四川省の作り手さんのお話では、標高の低い地域では3月上旬から茶摘が始まっているものの、標高の高い場所にある茶畑はまだ少しかかりそうとのことでした。それでも例年よりも少し早く茶摘が始まりそうです。

私たちが取り扱いさせていただく新茶は標高の高い茶畑のものですので、まだ少しお待たせしてしまいますが、最高に美味しい、上質な新茶をご紹介させていただきたいと思っています。
どうぞもう少しお待ちください。


班盆古樹純料谷花茶 2012年
班盆古樹純料谷花茶 2012年

最高に美味しい、普洱生茶が到着しました。

樹齢300年以上の茶樹から完全手作りで作られた普洱生茶です。
名前の中にある「班盆」という言葉はこのお茶の産地の村の名前です。雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い場所にある村で、標高は1700~1900mという場所にあります。班盆は老班章と同様に古茶樹園が知られ、このお茶はその中でも樹齢300年以上の茶樹から作られています。

この普洱茶はまるで蜜をそのまま飲んでいるかのような、素晴らしい香りを持っているお茶です。普洱茶というと独特の香りを連想する方も多いと思いますが、このお茶は緑茶や白茶に近いような、フレッシュさを持っています。

今回、このお茶は中国で高名な普洱茶専門家である私たちの師から特別に譲っていただきました。師が自ら現地へ赴き、作った、とても貴重なお茶になります。あまりにも上質な茶葉を使用しているため、グラム数の大きくなる餅茶にすると非常に高額になってしまうために、1つ1つ小さな固形茶にしたというお茶です。
是非この機会に特別な普洱茶をお楽しみください。

和合 下関沱茶 2007年
和合 下関沱茶 2007年

下関茶廠の2007年和合下関沱茶です。2007年1月の出庫(未入倉)の少し大きめ、125gサイズの沱茶です。

和合という名前は平和などを願ってという意味で名づけられました。政府幹部からの指示で商品化されたもので、贈答用に使用できる品質、中でも老茶樹を指定して作られていると言われています。

蜜香、蘭香が感じられ、甘さはしっかりと深みのあるタイプで雲南紅茶のような甘さを持っています。これは茶葉に含まれているシルバーチップの甘さがしっかり出ているためです。柔らかい渋みとすっきりした苦味のバランスも良く微かな酸味もあります。

雲南紅茶を連想させるような甘いプーアル生茶に仕上がっています。

下関布朗沱茶 2010年
下関布朗沱茶 2010年

下関茶廠の下関布朗沱茶です。布朗茶区の茶葉を使った生茶で、標高1800m以上の地域で採取された茶葉を使用して作られています。

爽やかな荷香、遅れて蜜香、橙香、微かな烟香があります。中でも蜜香が強く、甘い深みのある香りをお楽しみいただけます。フレッシュさを感じるような果実のような甘さと柔らかい酸味と、うっすらとした渋みのバランスが非常に良い美味しい普洱茶です。強さも持ちながら、優しい味わいが同居しているような印象です。

比較的年数が経過していなくても美味しく楽しめるのは布朗茶区の茶葉の特徴でもあります。年数が経過したプーアル茶はどうしても高価になりがちですが、この2010年下関布朗沱茶はまだお求め安い価格でご紹介できます。

今飲んでも十分に美味しく、この先も長くお楽しみいただけます。

四川高山紅茶のシフォンケーキ

2013/3/3

四川高山紅茶のシフォンケーキ

FacebookやTwitterではお知らせしていましたが、新宿のAfter Tasteさんの新作は鈴茶堂の四川高山紅茶を使った四川高山紅茶のシフォンケーキでした。ありがとうございます!

お店で提供を開始した日は即日完売してしまい、私たちもいただくことが出来なかったのですが、ようやく実際にいただいてくることができました。

紅茶のシフォンケーキというとアールグレイなどを使うことが多いと思いますが、四川高山紅茶のシフォンケーキはもっと柔らかく優しい味わいになっています。お茶のもつ天然の甘い香りはそのまま。とても優しくて美味しいシフォンケーキでした。さすが斎藤シェフ。

四川高山紅茶

もちろん、After Tasteさんでは四川高山紅茶のご用意もございます。ぜひ、四川高山紅茶のシフォンケーキとあわせてお楽しみください。15時から18時までのカフェタイムはお得なケーキセットもご用意しています。

四川高山紅茶のシフォンケーキをご用意していない場合や売り切れてしまっている場合もございます。どうしても四川高山紅茶のシフォンケーキが食べたいという場合は事前にお店までお問い合せの上、ご来店ください。

フラン・タルト

このシフォンケーキ以外にも美味しいデザートのメニューがたくさんあります。こちらはフラン・タルト。イチゴはこの時期だけの限定だそうです。こちらも絶品。

シフォンケーキだけでなく、鈴茶堂のお茶を使ったカクテルなども続々と開発中とのことです。四川省のジャスミン茶、碧潭飄雪を使ったカクテルも登場します。

新宿にお越しの歳はぜひお立ち寄りください。

Bistro&Bar After Taste
(アフターテイスト)

東京都新宿区新宿3-28-16 新宿コルネやまとビル5F
03-6273-2001
15:00~翌1:00
新宿駅 徒歩2分 / 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩1分
ビックロの裏手、天ぷらつな八さんの目の前のビル5Fです。

鈴茶堂サイト内紹介ページ


四川高山紅茶
四川高山紅茶

一般的な四川紅茶よりももっと香り高く深い甘みを持つこの紅茶は、鈴茶堂でも人気のあるお茶の1つです。天然の茶葉の香りとは思えないほどの香りと、砂糖を入れていないとは思えないほどの甘い紅茶は、リピートされる方がとても多いお茶です。
中国式に蓋碗や茶壷で丁寧に淹れると深みのある甘さと香りが、ティーポットで淹れた場合はすっきりとした甘さと柔らかい微かな渋みが楽しめます。シチュエーションに合わせて淹れ方を変えておためしください。


貢品 碧潭飄雪

蒙頂山で栽培された茶葉を使って丁寧に作られた蒙頂甘露に、四川省はもちろん、中国大陸でも最も品質の良い四川省楽山市のジャスミンの花を厳選して丁寧に香りを移したジャスミン茶です。茶葉はもちろんですが、ジャスミンの花も無農薬栽培にこだわっているとても手間をかけたお茶です。(ジャスミンの花は虫がつきやすく、無農薬栽培をするのはとても大変です。)
こだわりの上に高い製茶技術を持った作り手が作っているため、ジャスミン茶に良くある「焼けた感じ」が一切ありません。普通のレベルとは違う、上質なジャスミン茶を楽しみたい方にお勧めします。

正山小種
正山小種

Lapsang Souchong(ラプサン・スーチョン)という名前で有名な紅茶です。日本で販売されている殆どの正山小種はイギリスを中心としたヨーロッパを経由して輸入されているものです。そのため、とても焙煎香が強く、「このお茶は臭いお茶だ」と認識されている方が多いと思います。
イギリスやヨーロッパでは非常に焙煎香の強いものを好みます。これはイギリスの水が硬水のため、香りや色、味が非常に出にくいことに起因します。そのため、輸出用の正山小種は中国国内向けのものよりもはるかに強い焙煎を行います。また、このように強い焙煎を行うため、上質な茶葉をヨーロッパ輸出用に使うことも滅多にありません。
鈴茶堂での正山小種は中国国内の富裕層向けに作られている伝統的な龍眼香のあるものです。その中でもバランスの良いものを厳選しました。本物の伝統的な正山小種を楽しみたい方にお勧めです。

チベット食と蔵茶

2013/2/22

モモ

チベット族の方に色々と教えていただきながら、普段この地域の方が食べている食事をいただきました。

このパンはモモと呼ばれる主食です。チベット料理のモモというと水餃子の様な料理が有名ですが、このあたりではこのパンをモモと呼ぶそうです。このモモというチベット料理は地域によって違うようで、別の場所では饅頭(具の無い蒸しパン)もモモと呼ばれるとか。そう遠くない陝西省にこの地域のモモに似たパンがありますが(もっと大きさは小さいです)、それらは饃饃(モーモー)と呼ばれます。どこかで関連しているのかもしれませんね。

大きさはとても大きく、人の顔よりも大きいパンです。チベット族の方のテーブルには必ず1枚はある主食です。あまりの大きさに驚いたのですが、半分といった単位では販売していなく基本は1枚です。食べきれない分は持ち帰ります。素朴なパンですが、粉本来の味わいが伝わってくる美味しいパンでした。

豚ベーコン

天井から吊り下げられていた豚肉とその場にあった野菜を炒めたものです。この時はキクラゲでした。
この豚肉は雲南省のデチェン・チベット族自治州のあたりで食べている琵琶肉と呼ばれる保存用加工肉に似ているようです。この琵琶肉には藏猪と呼ばれる山岳地帯でも飼育が可能な豚が使われることが多いのですが、この地域も標高が高いことからも、この藏猪が使われていたのかもしれません。
味付けはこのベーコン状の豚肉の塩気だけで、とてもシンプルでした。それだけに素材の美味しさが楽しめます。もちろん化学調味料は使用されていません。チベット自治州に入ってから食べた食事の中では一番美味しい食事でした。

ジャガイモ

地元で作られるジャガイモを茹でただけのシンプルなものですが、とてもしっとりしていて美味しいジャガイモでした。特に赤い皮のジャガイモはデンプン由来の甘みが強く美味しかったです。味付けなどは一切無く、別皿に添えられた塩でいただきます。

食事自体はこれらの至ってシンプルなものでした。とはいえ、かなりお腹いっぱいになる内容です。

蔵茶

お茶といえば蔵茶です。厨房の端に蔵茶が火にかけられています。ヤカンの中には蔵茶と水が入っていて、1日中このように火にかけながら煮だしています。煮だしたお茶が減ったら水を足し、薄くなったら蔵茶を足します。

ここではバター茶ではなく、もっと軽いミルクティーをいただきます。バターやクルミ、ハダカムギの粉は入ってはいませんが、日本のミルクよりももっと乳脂肪分が多いミルクと塩を入れて撹拌します。それをアルマイト製(と思われます)のポットに移して冷めないように火の近くで保温しています。

蔵茶

ほんのりと塩味のするミルクティーは思っていた以上に身体が暖まります。かなり美味しいミルクティーで、塩を入れて楽しむ発想がなかただけに驚きました。食事とも合わせやすく、現地ではかなり癖の強い蔵茶を使っているのですが、塩を入れたミルクティーにすると癖も殆どありません。
食事の内容が良くなった現在のこの地域ではバター茶よりもこのミルクティーが良く飲まれているそうです。確かにバター茶はそれだけでお腹にたまるような、食事の1つであるようなお茶でしたが、このミルクティーは気軽に飲むことができます。生活の変化とともに蔵茶の飲み方も変化していくんですね。


民国60年 包種老茶
民国60年 包種老茶

台湾・石錠の茶商の倉庫で発見された、民国60年、1971年の老茶です。忘れ去られていた包種老茶で非常に良い状態です。

4~5年前に作られた包種茶の老茶というのは本物、偽物を問わず見つけることはできますが、民国60年、1971年の老茶は、まず出まわることはありません。現在は窒素肥料の使用などの問題が挙げられる台湾ですが、40年前には肥料はもちろん農薬も使われることもなく、現在の茶樹にはないパワーの感じられる上質な茶葉です。今となってはこのような良質な茶葉の入手が本当に難しくなりました。

とろりとした甘さ、南国の果実を思わせる柔らかい酸味が、40年近く経った老茶とは思えないほどフレッシュに感じられます。それでいて老茶ならではの優しさ、柔らかさがあり、言葉では表現しきれない程に複雑な美味しさを持っています。

日本はもちろん、台湾でもまず見つけることのできない品質の老茶です。

普洱熟散茶 2009年
普洱熟散茶 2009年

このプーアル熟散茶は普段使いにお勧めのお茶です。

深みのある旨味と甘味があります。ナッツのような香ばしい香りとナツメのような果物の香りも楽しめます。

とても香り、味ともに良く、身体の温まるお茶です。入門用のプーアル茶としても最適です。

四姑娘山・双橋溝の台所

2013/2/17

食堂

この地域に住むチベット族の方に親切にしていただき、彼らが日常的に食べる食事や飲んでいる蔵茶についても教えていただきました。
この建物は教えていただいた四姑娘山・双橋溝にある食堂です。一見しただけでは食堂とは思えないような建物で、見落としてしまいそうな小さな建物です。そしてこの背景の雄大な景色が素晴らしく、食事後はチベット族の方に山々の説明をしていただいたりと景色も十分に堪能することができました。

食堂内の厨房

色々と教えていただいたチベット族の方に手招きされて厨房内の端にあるテーブルに落ち着きました。
食堂はこの付近で働くチベット族の方か漢族のツアー客が主な利用者のようです。ツアー客は別棟で中華料理を食べていて、この厨房内の客席はどうやら顔なじみのチベット族の方の指定席のようです。
厨房といっても部屋の真ん中に大きな窯がある部屋といった感じです。写真では分かりませんが、薪を燃やす煙が充満していて慣れるまで少し時間がかかります。

食堂内の厨房

建物の中はかなり暗いのですが、天井に開いたこんな穴のおかげで厨房内は明るく太陽の光に照らされています。雨の日は大丈夫なのでしょうか・・・?

食堂内の厨房

天井からは豚肉のベーコンと思われる枝肉が吊り下げられています。この厨房内の煙で燻されているようです。雲南省やこの付近(アバ・チベット族自治州)のチベット族の方たちは豚肉も食べるようです。

食堂内の厨房

建物は質素ですが、綺麗に使い込まれています。
メニューはありません。その場にある食材と調理法を指定してオーダーするシステムです。

モモ

チベット族の方に色々と教えていただきながら、普段彼らが食べている食事とお茶を楽しむことができました。

少し長くなってしまったので、食事の内容やお茶については次のエントリでご紹介します。


1970年代 重庆乌龙沱茶(重慶烏龍沱茶)
1970年代 重庆乌龙沱茶(重慶烏龍沱茶)

沱茶は実は四川省重慶でも作られていたのをご存知ですか?(現在は四川省ではなく重慶直轄市)その品質はとても良く、雲南の下関よりも良いと言われてましたが、時代の流れで下関の味が好まれるようになり、一度その姿を消してしまいました。近年になって復活しましたが、現在は下関の雲南大葉種や福鼎大白茶種が使われています。

重慶「烏龍」沱茶となっているのは、烏龍種から作られているからです。今ではその姿を消してしまいましたが、昔は重慶に烏龍在来種がありました。その烏龍在来種から晒日緑茶を作り、現在もある沱茶と同様の作り方をしたのがこのお茶です。

40年の熟成を経た貴重な重慶烏龍沱茶です。今回、台湾の黒茶においては非常に高名な私たちの師から特別にいくつか譲っていただきました。名前を御紹介することはできませんが、台湾で黒茶の書籍が発行される際は必ずこの師に鑑定や監修を依頼するというほどの方です。

香港の有名な老茶商の乾倉での熟成を経て、香港返還直前に台湾へ移した貴重な重慶沱茶です。40年近い年月を経て熟成した重慶沱茶というだけでも非常に貴重ですが、烏龍沱茶は今後も恐らく流通することはありません。
また、珍しいというだけでなく、とても美味しいお茶です。ナツメのような甘さと旨みがあり、柔らかい烏龍茶の味わいがあります。

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倉熟成 老プーアル茶 入荷しました!

重慶烏龍沱茶を譲っていただいた台湾の師のご好意で、日本ではまず入手できないような倉熟成を経た老プーアル茶が到着しました。

近年作られているプーアル茶で現在流通しているものは未入倉と呼ばれる加工用の倉で保管されていないものが殆どです。おそらく熟成を行ったプーアル茶は全体流通量の10%もありません。プーアル茶ブームにより多くの人がプーアル茶を求めるようになった結果、プーアル茶自体の品薄と、今まで緑茶などしか飲まなかった人が倉熟成された本来の深みのある味わいを好むようになることもなく、中国でも殆どの人たちが好むのは熟成していない未入倉のプーアル茶です。これはプーアル茶に限らず青茶(烏龍茶)などにも同じことが起きていて、武夷岩茶や鳳凰単欉、鉄観音などもどんどん醗酵も火入れも浅く、緑茶のような加工が主流となってきています。

その本来の味わいが楽しめる倉熟成のプーアル茶をご紹介できることになりました。どのお茶も名品と呼ばれるものばかりです。
詳細な説明は是非各商品ページをご覧ください。

乙级蓝印青饼(乙級藍印青餅) 1999年

甲级绿印青饼(甲級緑印青餅) 1999年

7542青饼(青餅) 中茶牌 1995年

广南贡饼(廣南貢餅) 1992年

8592 中茶牌 熟餅 1996年

なかには数の確保が難しいものもあり、在庫数が僅かというものもございます。ご了承ください。

プーアル茶はおいしくない、臭いお茶と思っておられる方には特にお勧めしたい名品ばかりです。中には紅茶のような味わいのものもあります。
また、固形茶に慣れていない初心者の方にもお勧めです。新しい固形茶は崩す際に茶葉を傷つけてしまうと雑味が出てしまいますが、熟成された固形茶にはその心配はありません。

是非本物の熟成を経たプーアル茶で本来の美味しさを知ってください

バター茶の作り方

2013/2/14

蔵茶

日隆鎮で最初に教えていただいたのはバター茶の作り方です。

この蔵茶は現地で一般的に流通しているものです。1つの塊がかなり大きなもので500gあります。あまり味の良いランクのものではありませんが、価格が安いため現地の方が日常的に飲用している蔵茶です。(風味が劣るためWEBショップでのご紹介はしていませんが、ご希望の方にはご連絡いただければお譲りします。)
このランクの中にも康砖(康磚)と 金尖と更に分かれています。康砖(康磚)と金尖の違いはメーカーによって異なるようです。鈴茶堂が取り扱いしている四川省雅安茶厂(茶廠)ではこの違いを茶葉のグレード・配分の違い(基本的には配分の違いのみで、康磚の中でも様々なグレードに分けられます)としています。他のいくつかのメーカーも同様の回答だったのですが、いくつかの中国国内で行われている評茶員などの講座では康砖(康磚)は穀雨に摘採されて作られたものとし、金尖は立夏に摘採されて作られたものとして教えているようですので、そういった分け方をしているメーカーもあるのだと思います。

蔵茶

現地では煮茶法を使っています。ヤカンに茶葉を入れて煮出します。鈴茶堂で販売している蔵茶はメーカーのアドバイス通りに2回に分けて煮出す方法をお勧めしていますが、現地の方はそんなことは気にせず、お湯や茶葉を継ぎ足しながら1日中火にかけて飲み続けているようです。

ドンモ

このようなドンモと呼ばれるバター茶専用の攪拌器具を使います。どの家庭にも1つは必ずある器具で、これは装飾のない質素なものだとか。

ヤクバター

こちらはバター茶に使うヤクの乳から作られたバターです。バターと言ってもインドなどで使われるギーと同じく澄ましバターの一種で、色が濃くなっているのもそのせいです。ヤクの乳を沸騰させて殺菌した後、乳酸発酵を行います。その後、撹拌してバター状にした後、加熱して溶かし、固形になった部分をろ過します。
通常のバターよりも常温で長期間保存が可能になるため、チベットを含めてこのあたりでギーが利用されるようです。これらの工程を経ることで独特の香りと色が生まれます。

ハダカムギの粉

これはバター茶に入れるハダカムギの粉です。他にもクルミの粉など様々なものが入ります。本来は更に牛乳(ヤクミルク)も入れるそうなのですが、最近は手に入らないとのことで、今回は脱脂粉乳と思われる粉ミルクで代用していました。
この地域では塩を入れていましたが、地域によっては砂糖を入れるところもあるそうです。バター茶に入れるものも場所によって異なるそうで、あくまでもこの地域のバター茶の作り方だそうです。

ドンモ

ドンモに材料を全て入れて撹拌します。かなり疲れそうな作業です・・・そのためか、最近は電動ミキサーのような攪拌器具もあるそうです。日本でも試してみたい場合はミキサーで代用できそうですね。

バター茶

撹拌し終わったあとは金色のアルマイト製と思われるポットに移していただきます。このポット、蔵茶やバター茶が提供される場所には必ずありました。冷めてくるとポットごと火にかけて温めます。

作ったバター茶と饅頭で朝ごはんをいただきました。少し癖のある味ですが、慣れればそんなに気になりません。好みは人によって分かれると思いますが、独特のギーの匂いに慣れてしまえば美味しくいただけます。塩気が効いていて身体が温まるお茶でした。私だけはおかわりして飲んでいました。
バター茶や詳細な作り方については、改めて講習会やお茶会などで実際にご紹介させていただこうと思います。

チベットで飲まれているお茶の殆どは蔵茶だそうです。普洱茶の方が有名なので、そちらの方が多いのかと思っていたのですが、実際にチベット文化圏で飲まれているお茶の7割以上はこの蔵茶ということを知りました。四川省の雅安から茶馬古道を通ってチベットへ運ばれる蔵茶の一部はチベットを抜けてネパールやインドなどのチベット文化圏までも運ばれているそうです。

次回はバター茶以外の蔵茶の楽しみ方と、この地方での伝統的な食事についてご紹介します。



蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

アバ・チベット族チャン族自治州・四姑娘山

2013/2/10

川蔵公路

チベット自治州へ来た目的は雅安近辺に残る茶馬古道の跡を確認することと、蔵族(チベット族)の方が実際にどのように蔵茶を飲んでいるか学びたいということでした。
その目的地である四姑娘山の麓にある日隆鎮へ向かいますが、想像以上の悪路でなかなか先に進むことができません。

丹巴

落石やがけ崩れが多く、当初1日で移動できると思っていた日隆鎮までたどり着けず、途中のカンゼ・チベット族自治州にある丹巴の町で急遽1泊したり、その丹巴では私自身が高山病で倒れてしまい、地元の方のお世話になったりと、なかなか順調とは言えませんが、何とか先に進むことができました。

石碉楼

丹巴はギャロン・チベット族(嘉絨蔵族)が多く住む山間の小さな町で、町外れにはこのような石碉楼を見ることができます。この石碉楼は木組みに石を組み合わせた建物で戦いの際に立てこもるために建てられたそうです。多くは清代に作られたものだそうです。
(この写真はアバ・チベット族チャン族自治州に入ってから見た石碉楼です)

アバ・チベット族チャン族自治州

カンゼ・チベット族自治州を抜けてアバ・チベット族チャン族自治州に入ってから、また目まぐるしく景色が変わっていきます。河の対岸にある崖の上にあるのは、それなりに大きな建物です。想像以上にスケールの大きな、素晴らしい景色が続きます。
標高も高くなってくるに従って、太陽の光が眩しく、目に見える色彩が鮮やかになっていくのが印象的でした。

日隆鎮

ようやく着いた日隆鎮の町はとても美しい、静かな場所でした。可愛らしいチベット式の建物が並んでいます。どの建物も比較的新しいのは、おそらく四川大地震の被害後に立て直された建物が多いからではないかと思います。
人よりも馬やヤク、牛などに出会う方が多いような、素朴な場所でした。
このあたりの標高は3200mです。空気が薄いということもありますが、空気がとても綺麗です。

四姑娘山

滞在中は大きく天気が崩れることもなく、とても美しい景色を堪能することができました。
素晴らしい山の景色や色とりどりに咲く花、美しい清流や夜は目が眩む程の沢山の星など、本当に素晴らしい場所でした。

四姑娘山

地元の蔵族の方がにはとても良くしていただき、蔵茶を使ったバター茶の作り方を教えていただいたり、蔵族の方が普段食べる伝統的な食事やミルクティー(奶茶)などについても詳しく教えていただくことができました。
この地が気に入って移住したという漢族の方にもお会いしたのですが、何とお茶好きでもありました。茶器や茶道具一式を貸していただき、四姑娘山から湧きでた美味しい水と愛用しているお茶をいただきました。このお水が本当に美味しくて、今も忘れられないほどです。

四姑娘山

私たちが思っている以上に蔵茶は現地に住む方々の生活の一部となっていました。

次回からは、この地方でのバター茶の作り方などについてご紹介していこうと思います。


白磁 聞香杯セット
白磁 聞香杯セット

シンプルな白磁の聞香杯セットです。
品質に定評のある台湾・三希陶瓷の牙白シリーズの品茗杯・聞香杯・茶托のセットになります。

聞香杯は素材やつくりによって良し悪しが決まります。しっかりと熱を保つ素材で作られていない聞香杯は、香りを充分に引き出すことができません。この聞香杯はしっかり温めると手に持つのが熱くなるほどに保温性の高い、上質な素材を使用しています。

D01.5-2
白磁 茶杯(大)

台湾・三希陶瓷社製の茶杯です。聞香杯セットと同じ素材で作られています。

大ぶりの茶杯で手になじみやすく、たっぷりとお茶を楽しみたいときにお勧めです。お茶の色を楽しみやすい上品な白色で口当たりも良い茶杯です。

Bistro&Bar After Taste

2013/2/9

Bistro&Bar After Taste

メールマガジンやTwitter、Facebookで告知させていただいていましたが、2月4日からオープンしたBistro&Bar After Tasteさんで鈴茶堂のお茶がお楽しみいただけることになりました。

Bistro&Bar After Taste
(アフターテイスト)

東京都新宿区新宿3-28-16 新宿コルネやまとビル5F
03-6273-2001
15:00~翌1:00
新宿駅 徒歩2分 / 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩1分
ビックロの裏手、天ぷらつな八さんの目の前のビル5Fです。

鈴茶堂サイト内紹介ページ

上の写真はプレオープンのパーティーの時のものですので混雑していますが、普段のお店はゆっくりと落ち着ける気持ちのよい場所になっています。新宿のこのあたりはゆっくりとお茶を飲む場所が少ないのですが、お買い物などで疲れた時などにふらっと立ち寄るのも良さそうです。15時から18時まではカフェタイムになっていますので、是非気軽にお立ち寄りください。

Bistro&Bar After Taste

鈴茶堂のお茶はショップでも人気のある四川高山紅茶正山小種碧潭飄雪、ショップにはラインナップしていない鳳凰単欉などもございます。
また、蔵茶もご用意しておりますので、お食事との相性も抜群です。お酒が苦手な方は、是非お食事と合わせてお楽しみください。ちょっと体調が優れないという時や蔵茶を試してみたいという方にもお勧めです。蔵茶を製造する会社や工場はいくつかありますが、鈴茶堂のお勧めする四川省雅安茶厂の蔵茶はとても美味しくお楽しみいただけます。

Bistro&Bar After Taste

お食事もしっかりお楽しみいただけます。
フレンチ出身のシェフが作りお料理はどれも絶品で、こだわりの産直有機野菜を使った野菜料理や熟成肉のお料理など本当に美味しく楽しむことができます。
シェフは美味しいことで有名なカフェの出身で、お食事はもちろんですがデザートもとても美味しく、特にシフォンケーキはびっくりするほど美味しかったです。デザートメニューだけでも5種類以上ありますので、カフェタイムはもちろん、お食事後にも是非お試しになってみてください。

お酒も本格的です。オーナーは有名なバーのバーテンダーをされていた方だけに、こだわりのお酒が揃っています。炭酸を添加しないリアルエール(ビール)やカクテルはもちろん、モルトウイスキーの品揃えも充実しています。鈴茶堂のお勧めする中国茶は雑味が殆どありませんので、お酒との相性も抜群です。是非、お酒とのマリアージュもお楽しみください。

新宿へお越しの際には是非お立ち寄りください。

新宿西口ではBar Argyllでも変わらずご提供しています。
こちらでもWEBショップにはないお茶も含めてお楽しみいただけます。
どうぞお近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

茶馬古道の難所・二郎山を越えてカンゼ・チベット族自治州へ

2013/1/24

川蔵公路

西蔵門戸(チベットへの入り口)と呼ばれる雅安の街を出て二郎山へ向かいます。
二郎山は四川からチベットへ続く茶馬古道の中でも一番の難所と呼ばれた険しい山で、当時は隧道(トンネル)などもなく、多くの方が命を落とした場所でもあるそうです。

まずは成都からチベットまで続く川蔵公路、G318国道を走ります。岩山のような険しい山の間を抜けて走ります。日本ではあまり見かけないような傾斜のきつい山々で、最初はお茶畑もちらほらと見えていたものも標高が上がるにつれて段々と姿を消していきます。

二郎山茶馬古道の碑

途中で見かけた茶馬古道の碑です。すっかりイタズラ書きがされていますが、このあたりではかつてお茶を背負って茶馬古道を歩いた茶葉運搬人の方が今でも住んでいらっしゃると、以前に四川省雅安茶厂(茶廠)の所長に伺ったことがあります。

この石碑のあたりから段々と舗装も怪しくなってきて、車の相互通行ができないような状態になってきます。かつて茶馬古道として交易が盛んだったことと同じように、今はこの川蔵公路がチベット地域と四川地域をつなぐ交易路として人々に利用されているようです。

川蔵公路

細い山道である上にがけ崩れや落石も多く、補修工事が頻繁に行われています。さらに荷物を運搬するトラックやそれらの工事用車両なども沢山通行していることもあってか、片側通行になることもしばしば。
何十分も全く動かないような渋滞を何度も繰り返して何とか前に進みます。渋滞となると付近の農家の人々が飲み物や収穫した果物やトウモロコシを売りに出てきます。川蔵公路を通る人々も慣れているようで、それらの果物を買ったりしてゆっくりしている人や日光浴をはじめる人、中にはトランプをして遊びはじめる人もいるような状態です。

二郎山隧道

予定を大幅にオーバーして二郎山を超える二郎山隧道に到着しました。

この二郎山隧道は人民解放軍がチベット侵攻(共産党の表現では開放ですが・・・)を行うために作ったトンネルで、茶馬古道でも一番の難所とされる二郎山を超えて侵攻を行うためには必ずここにトンネルを作らなくてはならなかった要所でもありました。険しいこの地にトンネルを作ることは非常に過酷だったようで、解放軍にも多くの犠牲が出たと聞きます。

チベットでは蔵茶が生活に欠かせないものでした。解放軍はまず雅安側にある蔵茶の茶廠を支配下におき、このトンネルを作り、チベット侵攻を行います。このチベット侵攻時、毛沢東は「チベットを侵攻するのには武器を少なめ、お茶を沢山持って行きなさい」と指示したと言われています。それほどチベットの人々の生活に蔵茶は大事なものでした。

解放軍のチベット侵攻が終わり、この二郎山隧道が出来てからは人が二郎山を越える必要も無くなります。荷馬車で蔵茶をチベットまで運ぶようになります。朝鮮戦争後はアメリカ軍が朝鮮半島に残した軍用トラックを使って運ばれるようになりました。今も当時の写真は四川省雅安茶廠に残されていて、チベットへ蔵茶が運ばれる量がこの二郎山隧道が出来たこと、輸送手段の変化によって飛躍的に増加したことが記録されていました。(二郎山隧道の一般通行が可能になったのは2001年のようです)

カンゼ・チベット族自治州

二郎山隧道を抜けるとカンゼ・チベット族自治州(甘孜蔵族自治州)です。

二郎山隧道を抜けたところには軍による検問があり、チベット高原のチベット自治区のように入境許可書が必要ないとはいえ、ツアー参加ではない外国人の通行は禁止される可能性があります。そのため現地のドライバーと中国語が達者な弊店代表が対応し、中国語があまり達者ではないWEB担当の私と上海から同行されていたお客様は後部座席で寝たふりをして通過しました・・・

検問を抜けるとそこはチベットでした。
驚くように素晴らしい青い空と光がとても美しく、目に見える山の緑も今まで見てきた景色とは全く違う鮮やかな色彩を放っていました。二郎山はチベットとの境界と言われますが、それを実感できるような、本当に素晴らしい青空です。


先日ご紹介を開始した台湾茶ですが、大変ご好評をいただき、本当にどうもありがとうございます。
台湾・老欉佛手は発売後1日で完売してしまい、量の確保ができず申し訳ありませんでした。
他にもまだまだ素晴らしい台湾茶が到着しておりますので、是非お試しください!

凍頂烏龍茶 2012年冬茶
凍頂烏龍茶 2012年冬茶

凍頂烏龍茶の2012年冬茶がようやく届きました。

台湾の凍頂烏龍茶の産地、南投県のあたりは気温がなかなか下がらず、11月上旬で標高の高い杉林渓がようやく冬茶の摘み取りに入れたという、かなり厳しい状況でした。11月中旬以降になって、それよりも標高の低い凍頂茶区でも冬茶の摘み取りが始まったという状況でしたが、鈴茶堂がお世話になっている作り手が納得する程の気温、茶樹の状態ではなく、一時は冬茶の製造を断念することも考えていた程でした。12月に入ってから、ようやく量は少ないものの、納得できる品質の冬茶を作ることができました。他の作り手がとっくに冬茶の摘み取りを終えるころまで充分に待ってから作られた今回の冬茶は数が少ないものの非常に良い出来だそうです。

この作り手の凍頂烏龍茶は伝統的に醗酵が強く、火入れもしっかり行うため、実質的な賞味期限がないどころか、年月を経た方がより柔らかく美味しくなります。この冬茶も本当に美味しいのは半年後、6月以降です。
ご紹介するのには早いかとも悩んだのですが、非常にバランスよく、美味しい冬茶ですので、その後熟成の変化もお楽しみいただけることと思い、ご紹介させていただきます。

既にリピートされている方も多い凍頂烏龍茶ですが、春茶とはまた違った味わいがあります。台湾では1年中春茶しか飲まない人や、冬茶しか飲まない人もいるほど味わいや香りが異なります。どうぞ好みの味を見つけてください。

今シーズンは冬茶の量が少なく、その分価格も上昇していますが、作り手のご好意により春茶と同じ価格でご紹介できることになりました。この機会に最上質の冬茶をお試しください。

同じ作り手による老茶も入荷しております。
伝統凍頂烏龍茶 7年老茶
伝統凍頂烏龍茶 11年老茶

凍頂烏龍茶 蘭亭序
凍頂烏龍茶 蘭亭序

冬茶などと同じ作り手の蘭亭序と名づけられた凍頂烏龍茶です。これ以上ないほどに素晴らしい香りと味わいを持つお茶ということから、書の最高傑作と呼ばれる王羲之の蘭亭序の名前が付けられました。

この蘭亭序は毎年作ることができません。鮮葉の状態や製茶時の気温や天気などの要因が合わさって出来る、まさに天からの授かりものです。当然ながら生産量も極めて少なく、今回は特別に作り手から譲っていただくことができました。

甘く複雑で深い旨みと、香ばしく言葉では言い表せないような上品で華やかな花果香があり、まるで上質なお酒のようなお茶です。茶樹から作られた「お茶」とは思えないほどで、むしろ葡萄などの果物から作られた飲み物と言われた方が納得できるような感じを受けます。

こんな凄い烏龍茶があったのかと驚かれると思います。私たちも試飲して本当に驚いたほどに美味しいお茶です。

特級 香檳烏龍茶 (東方美人)
特級 香檳烏龍茶 (東方美人)

この香檳烏龍茶は6月中旬に完全手摘みで摘み取られた茶葉を使用し、ロットの中でも最高品質のものです。落ち着きを出すために後熟成を行い、現在はこれ以上ないほどに最高の香り、味わいになっています。

東方美人の多くは新竹、苗栗などで作られる青心大有種のものが主流です。これらは果実香の強い、味わいのしっかりした火入れが強い特徴を持ちます。苦味が出やすく、中には苦味がそのまま出ているものや、多くは複数のロットや様々な品種から作られた東方美人をブレンドします。一方、石錠で作られる東方美人は青心烏龍種から作られ、軽やかな香りと味わいで、まさにシャンパンのようです。香檳烏龍という名前は石錠で作られた東方美人に与えられたと言われています。

その石錠郷の中でもこれ以上のものはないほどに上質な東方美人です。もしお手元に東方美人があれば是非比べていただきたいと思うほどに丁寧に美味しく作られています。