名称 |
天心岩 千里香 |
産地 |
中国・福建省武夷山天心岩 |
種類 |
青茶・烏龍茶(半発酵茶) |
等級 |
特級 |
茶水の色 |
|
このお茶に適した茶器 |
ティーポット・茶壷・蓋碗 |
標準的な湯温 |
95~100℃ |
十大岩茶に挙げられる品種の1つである千里香です。
千里先まで香りが届くと例えられる程の香りの良さからその名前がつきました。
岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶。武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。
標高の高い厳しい岩山の隙間で育つ正岩茶は収穫量が少なく、平地のように畑を切り開く訳にもいかないため増産もできません。希少茶です。今でこそ普通に見かけることの多い岩茶ですが、実はその殆どは正岩茶ではありません。
名前の通り、驚く程に素晴らしい甘い花の香りを持つお茶です。甘さと複雑な旨味が合わさり、非常に良いバランスの岩茶に仕上がっています。飲み終えたあとも体の中から香りと甘い旨味が立ち昇ってくる余韻があります。
大きさの揃った茶葉は細やかな艶をしっとりとたたえています。焙煎の程度は中程度です。
ティーポットで、中国式であれば茶壷や蓋碗で淹れてみてください。透明感のある金色のお茶は煎を進めるほどに甘さと旨味を増していきます。
十分に楽しんだ後は茶殻も鑑賞してみてください。中国茶では茶殻の形も楽しみます。
深い緑と艶の美しい茶殻です。葉があまり砕けていないため、元の鮮葉の状態が分かるようです。柔らかくふっくらした茶殻はミネラルや旨みを十分含んでいたことが分かります。
当店で千里香をご紹介するのは8年ぶりとなります。他の岩茶に比べてインパクトが少ないのか、あまり人気の高い岩茶ではないため、毎年見送ってきた岩茶です。今年の千里香は作り手さん自らもオススメと言うほどに良い仕上がりで、実際に店主も同じように感じました。
派手さのある岩茶ではありませんが、華やかではあるものの、こころと身体に寄り添うような優しさも持つ、天心岩の千里香ならではの美味しさを持つ岩茶です。
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