武夷肉桂は岩茶の中でも最も多く生産されている品種です。多く生産されているとはいえ、数々の賞を受賞し、国家級銘茶にも指定されています。実際、武夷岩茶の中でも最も人気が高く、私たちも大好きな品種です。 良い岩茶は美味しく後熟成が完成するまでに数年かかります。2011年に摘み取り、製茶した後、大切に後熟成を行い、深みのある美味しい岩茶に仕上げました。 岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶(現在は標高に関わらず自然保護地区内で栽培されたものは全て正岩茶としていることが殆どのようですが当店では昔と同様の区分けを行い、標高の低い地域の「正岩茶」は取り扱いません)、武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。不思議なようですが同じ武夷肉桂でも正岩茶と半岩茶、州茶では全く味も香りも異なります。 この武夷肉桂はその希少な正岩茶の中でも慧苑坑、武夷岩茶の正岩茶区でも中心になる岩(峰)の名前がつけられています。慧苑坑とは三坑两涧と呼ばれる、ワインで言うところのグランクリュ畑の1つに挙げられます。その正岩茶区の中心となる地域で作られた素晴らしい岩韻を持つ肉桂です。 しっとりと細やかな艶が全体にあり、茶葉が光って見えます。焙煎の程度は中程度で、乾燥茶葉の状態で爽やかで落ち着いた花の香りを感じることができます。 煎持ちも非常に良く、4煎目あたりを超えたころから華やかな蘭香が出てきます。弱い蘭香ではなく、目が覚めるような華やかさで、ここから新たな美味しさが増してきます。更に進めると柑橘系の爽やかな果香へと変化します。とても奥の深い岩茶です。 十分に楽しんだ後は茶殻も鑑賞してみてください。中国茶では茶殻の形も楽しみます。肉厚でグラマラスな茶葉は適度に柔らかく、葉の1枚1枚を大事に丁寧に製茶されたのが良く分かります。製作り手の技術の高さ、茶樹のポテンシャルの高さを感じます。 ※ 缶入り装丁をご希望の場合はオプションでご指定ください。茶葉の量や形状などによってはお選びいただいた缶に入りきらない場合がございます。その場合は缶に入りきらない茶葉を別途袋装丁にてお届けいたします。装丁、缶の詳細はこちらをご確認ください。 ※ ギフト包装をご希望の場合は有料にて申し受けております。ご希望の場合はこちらからご注文ください。 関連ブログ: |