雀舌は武夷山の天心岩九龙窠という岩壁に数本だけ生えている大紅袍母樹の1つに起源する岩茶です。この有名な大紅袍母樹は「大紅袍」という品種ではなく雀舌をはじめとする3品種の茶樹で構成されています。雀舌には武夷山に最近持ち込まれた品種とするものもあるようですが、この雀舌は歴史ある大紅袍母樹にその起源を持つ品種になります。 雀舌は岩茶の中でも香り高く、味わい深い品種として知られていますが、この雀舌は中でも三坑两涧と呼ばれる、ワインで言うところのグランクリュ畑の1つに挙げられる流香涧(流香澗)で栽培された茶葉から作られています。機械を使わずに全て手づくりで作られた上質な岩茶です。高価な岩茶のため、なかなかご紹介できずにおりましたが、今回は7年ぶりに入荷しました。武夷岩茶試飲茶会でも大変人気の高い岩茶でした。 雀舌と呼ばれるにふさわしい小さな茶葉です。艷やかで均一、手工ならではの美しさを持つ外観です。その小さな茶葉からは想像できない茶樹の持つ力強さがありながら、強く感じさせない柔らかさも同時に持つのは、このお茶のバランスの良さによるものです。ミネラル感、甘味、酸味、苦味、収斂味の全てがバランス良く、奥行きの深い味わいです。フルーツを連想させる果実感の強い花果香がそれらを更に引き立てています。回甘も強く、香りとともに身体の中から戻る余韻を長くお楽しみいただけます。 2022年の春に製茶された岩茶です。上質な岩茶はお手元にあっても少しずつ後熟成していきます。時間の経過による味わいや香りの変化もぜひお楽しみください。 関連ブログ: |