瓜子金といえば4大名欉ではないものの名欉と名高い品種です。実際に飲んだことがある方も多い品種ではないかと思います。分類的には奇種とされ、岩茶らしい味わいが楽しめる品種でもあります。 岩茶はその茶樹が武夷山のどこで栽培されたかで区別されます。武夷山風景区内の標高の高い地域にある岩山の自然環境で育てられて収穫された茶葉は正岩茶と呼ばれ、標高の低い地域のものは半岩茶。武夷山の麓、平地で栽培されたものは州茶とされ、全く異なる地域で作られたものは外山茶と呼ばれます。これは育った環境の違いがお茶の香りと味に大きく影響するためで、岩茶本来のミネラル感や旨み、香気といった岩韻は正岩茶以外にはありません。 この老茶は2010年に慧苑坑で栽培された非常に品質の良い茶葉を何年もかけて後熟成、火入れを繰り返して大切に育ててきたものです。老茶にするための茶葉はその年の中でも上質な、パワーのあるものが選ばれます。数年かけて熟成するにふさわしく、それに応えられる品質の茶葉が要求されます。 甘く深みのある果香と柔らかい甘味のバランスが良い上質な岩茶に仕上がっています。煎を進めていくと甘い味わいが変化してお菓子のようなニュアンスもでてきます。余韻が強く、体の中から旨みと香りが飲み終えた後に戻ってきます。火入れの程度は中火。強すぎず弱すぎず、絶妙のバランスで火入れが行われています。 大きさの揃った茶葉は細やかな艶をしっとりとたたえています。 十分に楽しんだ後は茶殻も鑑賞してみてください。中国茶では茶殻の形も楽しみます。 関連ブログ: |