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発送業務お休みのお知らせ

2012/8/9

四川の茶農家さんにて

誠に勝手ながら、中国・台湾出張・研修のため
8月23日から9月16日までの間
発送業務をお休みさせていただきます。

8月22日14時までのクレジットカードによるお支払い方法を
お選びいただいたご注文は22日に発送させていただきます。
銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は
8月22日14時までに入金確認ができたご注文については同様に
当日中に発送させていただきます。
それ以降のご注文は9月17日以降の発送となります。

今回はかなり長い出張・研修となります。
ご迷惑をおかけしますが、お早めのご注文をお願いいたします。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、
ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、
ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに
お時間をいただく場合がございます。
ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、
ご返信などに最長で1週間程度のお時間をいただくことも予想されます。
ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますよう
お願いいたします。

四川の茶農家さんにて

今回は少し長くお休みをいただくことになってしまい、
大変ご迷惑をおかけします。
今回は現地スタッフとの打ち合わせや売り切れや
品薄になってしまったお茶や茶器などの仕入れといった通常の出張とは別に
茶産地訪問やお茶についての研修の受講なども予定しているため
長期間の旅になってしまいました。
体力が続くか不安がありますが、素晴らしいお茶と出会えるように
頑張って行ってまいります。

老舎茶館

2012/8/2

老舎茶館

四川省でのお茶の旅も終わり、輸出手続きなどで北京へ。
少し開いた時間に有名な老舎茶館へ行ってきました。

老舎茶館は小説家、劇作家として有名な老舎にちなんで命名された茶館です。
1988年創業の老舗で、今も伝統的演芸も楽しめる茶館として人気があります。
国賓も訪れることがあるとか。

老舎茶館

大碗茶の屋台も残されています。
1980年代に老舎茶館となり、現在に至っていますが
元々は大碗茶と呼ばれる「どんぶり茶」のお店でした。
1杯2分という安さでとても人気があったそうです。

私たちが行った際には販売されていませんでしたが
今も1杯2分という価格を守って大碗茶の販売が続けられています。
(10:00〜16:30までの販売だそうです。)

老舎茶館

時間帯によっては演芸鑑賞もできますが、私たちは茶館へ。
一般的な茶館と同じく個室が選べます。
個室によって料金が変わりますので(個室代)どの個室が空いているのかなどを聞いて決めます。

個室に案内されたらオーダーするお茶を決めます。
基本的には個室についた茶藝師の女性がお茶を淹れてくださいます。
私たちは鳳凰単欉をお願いしました。

北京にはこの老舎茶館の他にもいくつかの茶館があります。
それぞれ特色がありますが、主にはビジネス接待などで使われる高級茶館です。
この老舎茶館はどちらかと言うと観光客向けの茶館になりますので
最高の茶藝とはいきませんが、お値段も比較的お手頃で
北京の茶館を体験してみたいという方にはお勧めです。

今回はちょっと長いお茶の旅でしたが、この老舎茶館でその旅も終わりです。

この旅で訪れた北京、四川での茶縁は新たに広がりつつあります。
また近いうちに旅に出ますので、美味しいお茶などのご報告ができればと思っています。


古玉 茶荷 Aタイプ
古玉 茶荷 Aタイプ

白磁のシンプルな茶荷が入荷しました。
上質な白磁を使用しています。
シンプルなデザインですので他の茶器との相性を気にせずにお使いいただけます。
茶荷は軽視されがちですが、1つ持っているととても便利な道具の1つです。

幅の広いタイプもございます。
古玉 茶荷 Bタイプ

紫砂茶玩 ウサギとコウモリ
紫砂茶玩 ウサギとコウモリ

丁寧に作られたウサギとコウモリの茶玩です。
ウサギは長い耳で福を集め、物事がトントン拍子に進む縁起の良い動物とされています。
コウモリも同様に蝙蝠の「蝠」が「福」と同じ音で呼ばれるため、中国では大変縁起の良い動物です。

四川省雅安茶廠 訪問

2012/7/15

四川省雅安茶廠 訪問

蒙頂山訪問の後は今回の目的、蔵茶を製造する四川省雅安茶廠を訪問させていただきました。

四川省雅安茶廠は1546年創業という最も古い歴史を持つ蔵茶のメーカーで
その伝統的な蔵茶の製造方法は今も最重要国家機密に指定されています。
そうした理由からか一般の茶廠訪問は通常認められず
ましてや外国人の訪問は更に認められません。
今回は鈴茶堂がお世話になっている茶廠の方のご好意で訪問が許可されました。

四川省雅安茶廠の本社は宿泊している西康大酒店と同じビルにありますが
訪問する工場は街から少し離れた場所にあります。
国家農業科技園という警備の厳しいエリアの中にあり
このエリアにも許可がないと入れないような場所にありました。

空気の綺麗な山の麓にあるとても綺麗な工場で
現在は新しい工場も作っている最中でした。

四川省雅安茶廠 訪問

茶廠では副廠長の余栋钢先生が出迎えてくださいました。
余先生は中国茶の世界ではとても素晴らしい先生で、通常はお会いすることすらなかなかできない方です。
お忙しい中、数時間、余先生には蔵茶についてご説明していただきました。
私たちの質問にも快く答えていただいたり、美味しい蔵茶の楽しみ方を教えていただいたり
とても貴重な体験と知識をいただきました。

茶廠では自由に撮影ができませんので、あまり写真がないのですが
余先生の後ろにあるオブジェは上海万博のために作ったものだそうです。
オブジェの後ろにある茶色の巨大なパネルは蔵茶でできています。
他にも歴史ある古い蔵茶が展示されていたり
普通は見ることのできないような貴重なものを沢山拝見させていただきました。



蔵茶 康磚

鈴茶堂でも一番人気の蔵茶です。
四川省雅安茶廠の蔵茶は癖が少なく、プーアル茶のような刺激性もカフェインもないため
飲むタイミングを気にせず、空腹時でも就寝前でもお楽しみいただけます。
とても体に優しく、夏バテや疲れた胃腸にも優しい健康茶です。
暖かいままお楽しみいただくだけでなく、冷やしても美味しく楽しめます。

使いやすいティーバックタイプもございます。

蔵茶 康磚(ティーバッグ)
蔵茶 康磚(ティーバッグ)おためし


蔵茶 金尖 雅細

蔵茶の中でも味を追求するのであれば、こちらの金尖 雅細です。
チベットの高僧が楽しむ蔵茶とされています。
黒茶とは思えない華やかな甘い花果香があり
蔵茶の優しさはそのままで、深みのある甘さがとても美味しいお茶です。

蒙頂山 茶農家訪問

2012/7/7

蒙頂山 茶農家訪問

鈴茶堂がお世話になっている茶農家さんを訪問しました。

蒙頂山の中腹にある、この茶農家さんでは
ちょうど緑茶の製茶をしていました。
朝に摘まれたばかりの鮮葉を使って蒙頂甘露を作っています。

この茶農家さんでは機械を使った現代的な製茶も行なっていますが
昔ながらの機械を使わない製茶も伝統を忘れないようにと
今も頑なに行なっています。
お茶に対してとても熱い情熱を持っている職人さんです。

蒙頂山 茶農家訪問

あたり一面、とても良いお茶の香りが充満していました。
山の中腹とはいえ、標高の高い場所のため、ひんやりとした美味しい空気と
小鳥のさえずりが心地良い、とても素敵な工房です。

とはいえ、職人さんは真剣そのもの。
重労働の揉捻(発酵を止めた茶葉を揉んで成形します)も黙々と行なっています。
上の写真は茶葉薄く広げて香りを出す攤放(たんふぁん)という工程です。
これがあの華やかな蒙頂甘露の香りを生み出すんですね。

殺青と言う茶葉の酸化発酵を止めるべく熱を加える工程を動画に撮らせていただきました。
日本の緑茶と違って蒙頂甘露をはじめとする中国緑茶の多くは釜炒りです。
熱い鉄鍋にも怯むこと無く、素手で茶葉の状態を確認しながら殺青を続けています。

出来立ての蒙頂甘露と数日前に作ったという紅茶をご馳走になりました。
とても美味しく、宝石のように綺麗な茶葉が印象的でした。

ショップでは既に完売してしまいましたが、手作りの蒙頂甘露はこの茶農家さんによるものです。
手摘み、手作りのために数量が少ない貴重なお茶です。

機械を使用して作った緑茶もそうですが、出来立ての新茶はまだ火が残っていると言われます。
この火が抜けた状態が最も美味しく、熟成が進んだ状態と言って良いと思います。
機械で作られた緑茶の方が早く火が抜けるように思いますが
手作りの緑茶が美味しくなるのは、好みにもよりますが製造後半年以上経過してからとも。
(私の好みは1年位経過した方が美味しいと感じますが・・・)
熟成が進むと香りが更に良くなり、味も丸く深みのある甘さを楽しめます。
低温で保存しながら、熟成による変化をゆっくりと楽しんでください。


10808.2
特級 明前 蒙頂甘露

とても美味しい蒙頂甘露です。
花の香りと丸く甘い芳醇な味と合わさって、とても品のある美味しい緑茶です。
水出しでも美味しくお楽しみいただけます。

10914.1
雲南白茶 翠玉

去熱効果や美肌効果を持つと言われる白茶です。
雲南省の樹齢100年を越す無農薬栽培の茶樹から丁寧に摘み取り、製茶されています。
ミネラル感を感じることができる甘い美味しいお茶です。
温かいうちでももちろん、冷やしても水出しでもお楽しみいただけます。

蒙頂山

2012/7/3

蒙頂山

まずは蒙頂山の観光ルートを辿ってみました。
あまり人気のない観光地なのか、あるいは早朝だったからか
観光客は私たち以外に殆ど見かけることがなく貸切で楽しんできました。

蒙頂山の半分位は車で登ることができます。
あまり標高の高い山というイメージはなかったのですが(1500m弱位です)
急な斜面が続くのは中国ならではの地形で、
車で登り始めてすぐに険しい山という印象に変わりました。

蒙頂山

車で行けるところまで行くと世界茶文化博物館やロープウェイ乗り場のある広場に出ます。
ここには蒙頂山のお約束、巨大な茶壷がお出迎えです・・・
本当に大きいです。

蒙頂山

ロープウェイに乗って更に上へ向かいます。
かなりの急斜面に見渡す限り、茶樹が植えられています。
普通に立っていられないような斜面も茶畑になっています・・・
中国茶には珍しくない斜度ですが、こうして見ると改めて無農薬で当然と実感できますね。
農薬はおろか、肥料も持って登れそうにありません・・・(^^;

蒙頂山

ロープウェイの終点には天蓋寺があります。
ここでは茶聖と呼ばれた陸羽や
この地に茶樹を植えて人工栽培を歴史上初めて行った呉理真が祀られています。

蒙頂山

朝早かったせいもあって、観光客は誰もいません。
静かで気持ちのよい空間です。

蒙頂山

天蓋寺を通り抜けて更に奥へ行くと千年茶樹王や苔むした古い山門などが現れます。

それまでの観光地的な雰囲気から一変して
荘厳な雰囲気の古い建築物が時間の経過と共に崩れながらも
そのままの状態で残されていました。

蒙頂山

こちらは蒙泉井、または甘露井と呼ばれる古井戸です。
甘露大師がお茶を育てるために、ここで水を汲んだとされています。

この先に皇帝専用茶樹園の皇茶園があります。

蒙頂山

赤い門と柵に囲まれ、虎の石像に守られながら皇茶園はありました。
思ったよりも小じんまりとした茶園ですが、今も茶樹がしっかり育っています。

蒙頂山でもこの付近は殆ど頂上近くで、3月のこの時期はかなり寒くまだ芽も動いていない状態でした。



貢品 碧潭飄雪

蒙頂山で栽培された茶葉を使って丁寧に作られた蒙頂甘露に
四川省はもちろん、中国大陸でも最も品質の良い四川省楽山市のジャスミンの花を厳選して
丁寧に香りを移したジャスミン茶です。
ここでご紹介させていただいた社長がこだわり抜いて製茶した
雑味のない本当に美味しいジャスミン茶です。


春韻白毫

君子蘭の香りを丁寧に移した、とてもめずらしい花茶です。
このお茶のベースにも、ここ蒙頂山で作られた蒙頂甘露が使われています。
花茶が苦手な方や男性の方がハマってしまう、不思議なお茶です。

蔵茶の街 雅安

2012/6/23

蔵茶の街 雅安

茶業さんや茶馬司を訪問した後は雅安の街へ。
雅安では蔵茶が中心に作られている、いわば蔵茶の故郷です。

雅安は青衣江を囲むように広がる山間の街で、廊橋と呼ばれる特徴的な橋が有名です。
なかでも、街の中心になっている雅州廊橋は雅安のシンボルになっています。

蔵茶の街 雅安

年間の殆どは雨か霧という雨の街でもあります。
昔のまま時間が止まっているかのような、とても静かな街です。

この写真は早朝、まだ霧が出る前に撮影したものです。
こうして見ると、街がかなり高く険しい山に囲まれているのが分かります。

蔵茶の街 雅安

霧が晴れているのは日の出後の数時間ほどしかありませんでした。
昼間は霧に覆われて周囲に山があることすら分からなくなります。

蔵茶の街 雅安

町中にある廊橋は橋というだけでなく、それぞれ色々な役割を持っているようです。

この廊橋の上には茶館がありました。

雅安にも成都と同じように茶座が川沿いを中心にありましたが
雨が多いこの街では廊橋の上に作られた、屋根のある茶館の方が人気のようでした。

蔵茶の街 雅安

こちらは雅安の中心にある雅州廊橋の中です。
とても大きい廊橋で、中は商店街になっています。
蔵茶のお店や日用品などのお店が並んでいました。

蔵茶の街 雅安

観光地以外では珍しい人力車も沢山走っています。
タクシーよりもまだまだ人力車が人々の足代わりのようです。

蔵茶の街 雅安

四川省雅安茶廠の方のご好意で、この茶廠が経営する雅安西康大酒店に宿泊させていただきました。

雅安西康大酒店は元々は雅安市の迎賓館として使われていたホテルで
今は茶廠が経営するお茶をテーマとしたホテルとして一般の利用も可能になっています。

蔵茶の街 雅安

ホテルの中はもちろん、客室の壁にも蔵茶で作られたタイルで飾られています。
蔵茶のタイルで消臭と殺菌効果はもちろん、お茶の香りでリラックス効果もあるそうです。
確かにとても良い香りのするホテルで、設備は古いながらも快適に過ごすことができました。

このホテルを拠点に蒙頂山と雅安を回ります。


花香 漳平水仙
花香 漳平水仙

湿度も気温も上がってきた時に爽やかに楽しめる、とても珍しい固形の烏龍茶です。
1回分ずつ紙に包まれていますが、現地の人が楽しむサイズになっているため
茶葉の量もたっぷり10g前後になっています。
1日中楽しめるのはもちろん、水出しでもしっかりたっぷり楽しめる
CPの良い烏龍茶です。

桂花 漳平水仙
桂花 漳平水仙

こちらはその漳平水仙の金木犀の花の香りを持つ桂花香型です。
落ち着いた香りをお好みの方にお勧めです。

茶馬司

2012/6/9

茶馬司

その昔、1000年以上前から長い間、現在の四川省や雲南省とチベットはお茶の交易がありました。
野菜の栽培が難しい厳しい自然にあるチベットでは人々の健康を維持するためにお茶が欠かせない飲み物でした。
ともすれば肉食に偏りがちな彼らの健康を保つために、今で言う黒茶はその機能からも毎日摂取しなくてはならない飲み物でしたし、今もそれは変わらないようです。

チベットからはお茶の対価として馬が運ばれてきました。
こうして茶馬古道(サウスシルクロードなどとも呼ばれます)が生まれ、1人100キロ以上のお茶を背負い、何ヶ月も場合によっては1年もかけて厳しい山道を通ってチベットへお茶が運ばれていました。
その茶馬古道の起点の1つが蒙頂山の麓、ここ雅安市です。

茶馬司

茶馬司というのは、その茶馬古道の関所のようなもので、交易に対する税金や交換比率などを司る役所です。
その遺跡が蒙頂山の麓に残っています。

建物は近年、観光地化を目指して再現されたもののようで、それほど古いものではありません。
とはいえ、周囲には何もないこともあって観光地としての役割は果たしていないようです。
誰もいない、半分廃墟のようになっていました・・・

茶馬司

当時の様子を説明した文章や絵などが掲示されています。
馬を繋ぎ止めていた柱なども再現されていて、当時の様子が分かりやすく説明されています。

茶馬司

中はガランとした静かな空間でした。
中にはかなり詳細な資料や説明があり、当時の貴重な写真や、茶馬古道のルート図などもあります。

はるか昔の茶馬古道に思いを馳せながら、ゆっくり見学させていただきました。

茶馬司

おそらくお隣さんの収穫した野菜だと思います。
この写真を撮影している間にも2羽の鶏が足元を走ってどこかに消えていきました。

こんなのどかな遺跡もなかなかいいですね。



蔵茶 金尖 雅細

この地域で作られ、茶馬古道を通って運ばれていたお茶がこの蔵茶です。
今もチベットの人々の生活にはなくてはならないお茶として変わらず運ばれています。
この金尖 雅細は中でも最高品質の香り高い美味しい蔵茶です。

下関特級沱茶 2007年
下関特級沱茶 2007年

この地域のお茶と同じように雲南省からチベットへ運ばれていたもう1つのお茶がこの普洱茶です。
近年に開発された人工的に後発酵させた普洱茶ではなく、昔ながらの作り方をした爽やかなお茶です。
10年単位で長くお楽しみいただけます。

蒙頂山 茶業訪問

2012/6/5

蒙頂山 茶業訪問

成都から車で2時間半ほど行くと蒙頂山があります。

蒙頂山は茶樹の人工栽培が世界で最初に行われた場所で、その歴史はなんと紀元前の漢に遡ります。
その当時から今も変わらず蒙頂山ではお茶作りが行われています。

鈴茶堂が扱う春韻白毫や四川高山紅茶を作っている茶業さんを訪問してきました。
蒙頂山といってもこのあたりは観光地もなく、ただひたすら茶畑しかないような場所です。後で聞きましたが、この村に来た日本人は私たちが初めてだったそうです・・・

蒙頂山 茶業訪問

この地域の茶畑はどこも茶摘みが始まったようで、蒙頂山の麓にある村では路上で摘み取った茶葉を売る茶農家さんとそれを買い取る茶業さんで臨時の茶葉市場ができていました。
そんな光景を眺めながら更に山の中へ行くと目的の茶業に到着します。

周囲は見渡す限りの茶畑です。平らな場所もあれば歩くのも怖くなるような急傾斜まで、見渡す限りが茶畑です。
すべてこの茶業さんの自家農園だそうです。
とはいえ、茶業としては規模が小さい方なんだとか・・・凄いですね。

蒙頂山 茶業訪問

ご挨拶もそこそこに早速茶畑を見せていただきました。

摘み子さんだけでなく、職人さんまで総出で茶摘みをしています。
凄い速さで新芽の芽の部分だけを摘み取っています。実は手の動きが早すぎて写真を撮るのに大変だったほどのスピードです。

農薬を使わない茶畑には小さな蜘蛛などの虫もいました。茶樹の下の方を除くと放し飼いの鶏が餌を探しながら歩いています。
とても気持ちのよい素敵な茶畑で、美味しいお茶が作られるのも納得です。

蒙頂山 茶業訪問

摘み取った茶葉は宝石のように綺麗です。
ふっくらとした萌葉はそのままでもとても良い香りがします。
1つそのまま食べさせていただきましたが、甘くて美味しい茶葉でした。

蒙頂山 茶業訪問

茶畑見学の後はすぐそばにある製茶工場を見せていただきました。工場といっても小さな体育館ほどの大きさです。

こちらも摘み取った茶葉を製茶している真っ最中で、ベテランの作り手でもある社長の指示のもとに数人の作り手の方々が忙しく動き回っています。
実際に製茶を行なっているところの撮影はできませんでしたが、とても丁寧に真面目に作っているのが印象的でした。

蒙頂山 茶業訪問

工場の中は爽やかなお茶の香りが充満していてとても良い香りなのですが、摘みとった新芽の白毫が舞って雪が降っているような状態で、しばらくすると身体中真っ白になるほどです。
そんな中でも作り手のみなさんは製茶中のお茶から目を離さず、真剣そのものです。
社長も私たちの案内をしてくださる間も、途中経過を確認して作り手さんに指示を出しながら工場内を移動します。

蒙頂山 茶業訪問

ひと通り製茶の様子を見せていただきながら、色々なお話を伺いました。
とても研究熱心で真面目な社長は実はとても寡黙な方なのですが、私たちの質問に真摯に答えてくださいました。
茶畑のこと、茶葉のこと。製茶の難しさ・・・
こうやって、あの美味しいお茶たちが生まれてくるんだなと納得できる訪問でした。

美味しいお茶を作り出している社長の手です。
とても真面目で無骨な素敵な手なので、恥ずかしがる社長に無理にお願いして撮影させていただきました。


四川高山紅茶
四川高山紅茶

社長が伝統的な四川紅茶の製法を何年もかけて研究して生まれた四川高山紅茶です。
一般的な四川紅茶よりももっと香り高く深い甘みを持つこの紅茶は、鈴茶堂でも人気のあるお茶の1つです。
天然の茶葉の香りとは思えないほどの香りと、砂糖を入れていないとは思えないほどの甘い紅茶を是非おためしください。

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特級 明前 蒙頂石花

日本では殆ど知られていませんが、実はかなり日本人好みの美味しい蒙頂山の緑茶です。
中国最古の銘茶とも言われ、唐の玄宗皇帝から清代末までの皇帝献上茶でした。現地では蒙頂甘露と同じ位かそれ以上に馴染みのあるお茶で、お茶に関する歴史書などでは蒙頂甘露よりも高い評価を受けているお茶です。文化大革命などにより、一度その製法が途絶えてしまったお茶の1つですが近年になって復活しました。
とろっとした金色のお茶は甘い花と香ばしいナッツのような香り、丸い柔らかな甘味のある上質な緑茶に仕上がっています。煎持ちもよく、上手く淹れれば10煎以上楽しむことができます。

手摘み川根茶 2012年一番茶

2012/5/30

手摘み川根茶

中国茶の多い鈴茶堂ですが、美味しいお茶は地域に限らずにご紹介したいと思っています。
鈴茶堂の扱う川根茶もその1つで
普段は日本茶をあまり飲まない人でも美味しいと言っていただけるような
特別に美味しい日本のお茶です。

手摘み川根茶

川根茶のふるさと、静岡県の川根本町は大井川の上流
SLで有名な大井川鉄道が走る、山深い静かなところにあります。

川根は標高が高いために年間を通して気温が低く
静岡県の中でも最も茶摘みが遅い場所です。

高冷地でじっくりと育てられた茶樹は完全無農薬で大事に育てられています。

手摘み川根茶

険しい山間地に広がるお茶畑は、一般的に知られる平坦な茶畑と違い、
歩くのも大変な険しい傾斜地に作られていたり
春先になってからの朝晩の冷え込みによる霜から守るべく霜よけを施したり・・・

気の遠くなるような茶農家さんの努力によって、ようやく茶摘みの時期を迎えます。

今年は5月10日すぎからの茶摘みになりました。

手摘み川根茶

私たちがお願いしている茶農家さんでは手袋をして茶摘みを行なっていました。
何でも茶樹の樹液が手につくとなかなか落ちなくなることや
無農薬栽培をしているため小さな虫たちが沢山いる畑で手を守るためとか。
茶摘みは茶農家さん家族総出で行っていますが、女性はやっぱり手のケアも気になりますよね。
私たちも早速手袋をして茶摘みに参加させていただきました。

手摘み川根茶

摘み取った茶葉はすぐに製茶されます。
茶畑の横にある製茶工場で荒茶まで加工されます。
製茶工場といっても数件の茶農家さんが共同で作業するとても小さな作業場所で、実際に茶農家さん自ら製茶を行います。

手摘み川根茶

鈴茶堂がご紹介させていただく茶農家さんの川根茶は
一般には流通せず、毎年口コミによる茶農家さん自身の直接販売だけで完売してしまう知る人ぞ知る名茶です。

川根茶は他の地域の日本茶に比べて色が薄く
華のような香り高さ、適度な柔らかい渋み、そして濃厚な甘みと旨みが特徴です。

普段は中国茶ばかりで日本茶をあまり意識してこなかった私たちも「これは美味しい。」と感動した最高のお茶です。
茶葉をそのまま食べても美味しく楽しめる、旨みの塊のような日本茶です。

昨年までは二番茶まで作っていたのですが、今年は一番茶のみの生産だそうです。

鈴茶堂のご提供する川根茶は5月13日に茶摘みされたものになります。
荒茶までの製茶は完了しておりますが、熟成をかけてから出荷されるため、入荷は6月はじめを予定しています。

手摘み川根茶 2012年一番茶
手摘み川根茶 2012年一番茶

5月31日24時までご予約を承っております。

ご予約いただいた数量以上に川根茶の確保ができれば通常販売もと思っていたのですが、口コミで完売してしまうような人気のお茶のため茶農家さんの方では既に完売してしまいました。
鈴茶堂で確保しているお茶の量、お受けしているご予約の量とペースを考えると、おそらくご予約いただいた方のみのご提供となり、通常販売させていただく量は残らないと思います。

日本のお茶も美味しい。と改めて感じることができる川根茶です。
是非この機会にお試しいただければ私たちも嬉しいです。

杜甫草堂

2012/5/28

杜甫草堂

杜甫草堂にも茶座があります。

杜甫草堂とは成都市内西部にある唐代の詩人、杜甫が48歳から51際の間に住んでいた旧居です。
現在は公園のように整備されて一般に公開されています。

杜甫草堂

騒がしい成都市内であることが嘘のように静かな空間に茶座があります。
賑やかで活気のある鹤鸣茶社とは対照的に、こちらは静かにお茶を楽しむような感じの落ち着いた雰囲気です。

杜甫草堂

お茶は15RMB(約190円)〜30RMB(約380円)あたりのお値段が中心になっています。
緑茶、花茶、菊花茶から鉄観音、プーアル茶まで揃っていますが、メインは緑茶のようです。

鹤鸣茶社とは違いジョッキでお茶が出てきます。
初めてだとびっくりしますが、実は蓋碗で出てくる鹤鸣茶社のような場所の方が珍しく、四川の殆どの場所はジョッキで出てくることが多いです。実は茶業さんでもジョッキでお茶をいただいたほど。
いかにこのあたりの人がお茶を沢山飲むかということで、確かに緑茶であれば合理的な飲み方でもあります。
流石お茶処ですね。

杜甫草堂

3月に訪れた時には丁度桜などの花が咲いていました。
四季折々に色々な表情が楽しめる場所のようです。

日差しも丁度良く、とても気持ちのよい時間を過ごすことができました。

杜甫草堂

茶座でお茶を堪能した後は敷地内散策。
するとこんな可愛らしい瓦を見つけました。

コウモリの瓦です。

蝙蝠(コウモリ)の「蝠」が「福」と同じ音で呼ばれるため、中国では大変縁起の良い動物とされ、大事にされています。
茶玩や茶器でコウモリの意匠は多いのですが、こんなところにも使われているんですね。

杜甫草堂

杜甫草堂自体はかなり広いです。
杜甫が晩年に過ごした建物などがあり、静謐という言葉が相応しいような静かな空間もあります。

茶座がついつい気持ちよくてゆっくりしすぎてしまうと、広い敷地内を回る時間が無くなることもありますので注意です。

杜甫草堂


2000年 感徳老観音
2000年 感徳老観音

ほっとしたい時にとっておきの鉄観音はいかがでしょうか?

2000年の春に伝統的な製法で作られた鉄観音を火入れを繰り返しながら熟成させたものです。
現在主流の清香型の鉄観音と違って、深みのある円い回甘はビンテージを経た伝統的製法で作られた鉄観音ならではです。
一般的にはもう入手の難しい2000年の老茶は、とっておきの時間に味わっていただきたいお茶です。

2000年はちょっと贅沢過ぎるかな?という時には2005年、2008年ビンテージもございます。
それぞれ個性があり、その日の気分に合わせても、お好みで選んでいただいても。
各ビンテージを1回分づつセットにしらお試しセットもございます。

2005年 感徳老観音
2008年 感徳老観音
2000年 2005年 2008年 感徳老観音 おためしセット