TOP PAGE » お茶の旅


武夷山駅到着

2013/8/16

Z59/Z58 福建省福州行き

軟臥車両の入り口に立っている女性の車掌さんに切符を見せて乗車です。
軟臥は寝台車両の中でもグリーン車のような扱いで、複数の車掌さんが常にスタンバイしていて検札からシーツの取替え、掃除などを忙しく担当していました。おかげでトイレや洗面所も綺麗で想像していた以上に快適に過ごすことができました。

Z59/Z58 福建省福州行き

指定されている軟臥のコンパートメントに向かいます。軟臥は1室4ベッドのコンパートメントになっていて、使い捨てスリッパなどの用意などもあります。ベッドは2段ベッドになっています。コンパートメントには扉があり、鍵もかかるようになっていますが、今回は満席だったようで私たちと別の乗客も1人同じコンパートメントであったため、鍵を使用することはありませんでした。

中国らしいと言えばお湯がいつでも無料でもらえることです。おかげで乗車中はずっとお茶を飲んで過ごすことができました。
また、日本には今はない食堂車も健在です。食事時は満席になってしまうほどの人気で、実際に食事も美味しかったです。

河北省付近

北京を出てしばらくすると河北省に入ります。広々とした乾燥気味の大地が続く華北地方らしい景色が続きます。
お茶を飲みながら景色を眺めて、お茶について話をしながら過ごします。

江西省

翌朝、日が昇って周囲が見えるようになると景色が見違えるように変わっています。
これは江西省付近の景色ですが、山が多く華北のような見渡すような平地が少ない感じです。水が豊かで小麦畑から水田に変わっています。一晩で景色の様相が一変していました。

武夷山駅

列車は2時間ほど遅れて武夷山駅に到着しました。
6月というのに気温は夏そのもの。湿度の多さも出発した北京とは全く違い、湿度で空気が重い感じがするほど。
霧の多さをいきなり実感するような天気で、お茶処というのが実感できます。

武夷山駅

北京西駅を出発して17時間。1700kmの距離を移動しました。

改札を出た所で現地にいる迎えにきてくれた武夷山岩茶研究所の方と再会。
武夷山駅は武夷山の街の中心部から少し離れた場所にあります。迎えの車に乗り込んで、早速市内へ向かいます。


この武夷山へ旅の途中、ずっと楽しんでいたお茶です。

基本的に大陸を旅する時は台湾のお茶を、台湾を旅する時には大陸のお茶を持っていきます。この時は仕上がったばかりの溪頭高山茶を持っていました。
普段は岩茶しか飲まない武夷岩茶研究所の人たちも、これは美味しい!譲ってもらうことはできますか?と聞かれたほどに美味しく上質な高山茶です。暑い中でも爽やかに楽しめます。もちろんアイスティーや水出しでもお勧めです。

溪頭 高山茶
溪頭 高山茶

近年主流の醗酵の浅いタイプではなく、しっかりと醗酵を行う製法で作られた溪頭高山茶を後熟成していたものです。甘い桜餅のような香りが心地よく、さらっと淹れていただければ清らかな高山気も楽しむことができます。甘く旨みの深い味わいで、雑味がないため、さっと軽く入れると高山気をしっかり楽しめるお茶に、じっくり淹れると旨みの強いしっかりと味わえるお茶と、淹れ方を変えて楽しめます。

このお茶はもしお手持ちに別の高山茶があれば是非茶葉を比べていただきたいと思うほどに丁寧に作られています。岩茶研究所の作り手さんたちも驚くほどに製茶技術が高いお茶です。
1つ1つの茶葉がとても小さく丸められていて、一般的な高山茶の半分ほどの大きさです。

溪頭 焙香高山茶
溪頭 焙香高山茶

標高1100m前後の茶畑から作られた高山茶を伝統的な凍頂烏龍茶の製法で作った焙香高山茶です。2012年の春茶を後熟成させていました。
この焙香高山茶の特徴はその甘い香りと味わいです。先にご紹介した溪頭高山茶と同じ地域、茶樹から作られたとは思えないほどに違うお茶に仕上がっています。溪頭高山茶が爽やかな甘さを持っているのに対して、この焙香高山茶は濃厚な深みのある甘味と見事な蜜香があります。
岩茶研究所の作り手さんに一番人気だったのはこの焙香高山茶でした。

お得な溪頭 高山茶セットもございます。

7月、8月中にご注文いただいた方には、美味しい水出し・アイスティーの作り方をお付けしてお届けしています。(黒茶のみのご注文は除きます。ただし、黒茶の保管方法・飲み方をお付けしております。)

北京から武夷山へ

2013/8/11

北京西駅

6月に武夷岩茶の産地、福建省武夷山を訪問してきました。

丁度、この時期は武夷岩茶の最終焙煎工程がはじまった時期です。いつもお世話になっている武夷山岩茶研究所の方は春先からずっと武夷山で製茶を行なっていますが、他のスタッフの方も焙煎工程ではその出来上がりを確認するために武夷山へ向かいます。そのスタッフの方と北京で合流してから武夷山を目指しました。

北京から武夷山へは飛行機でも行くことができますが、私たちは寝台列車で向かいました。北京西駅から福建省福州行きの寝台列車で15時間、1763キロの大移動です。

中国のターミナル駅はとても大きいです。ちょっとした空港並の大きさで、セキュリティも厳しく、駅の中に入ることができるのは切符を持っている人のみ。荷物のセキュリティチェックと切符、身分証明書(外国人はパスポート)をチェックしてようやく駅の中に入ることができます。

北京西駅

広い駅の中、自分の乗車する列車の乗車口を探します。
見つけた福州行きの長距離列車の待合所はこんな状態になっていました。凄い人ですが、他の列車との共同待合所になっています。とはいえ、日本の列車よりもずっと1列車の車両の数が多いので、かなりの乗客が列車の発車を待っています。

おやつを食べる人、グループでトランプをはじめる人たち、中には修学旅行生と思われる団体も。列車を待つ人の間を縫うように折りたたみの椅子を売る人など、人々のパワーに圧倒されます。なかなか日本ではこういった光景は無いですよね。

北京西駅

時間がくると待合所のゲートが開いてホームへ移動します。
ホームは待合所のある場所よりもかなり低い位置にあるので、ホームへ降りるエスカレーターは高所恐怖症には少し怖い位の高低差です。日本にはまず無い設計で、北京西駅に限ったことではありませんが(上海などのターミナル駅も同様です)、先まで見渡せる視野の広さと長い列車が外国なんだなと実感させてくれます。

Z59

乗車した北京西駅から福建省福州まで走るZ59という列車です。

私たちは軟臥という日本で言うところのA寝台です。この列車では一番良い寝台席です。他にも硬臥(日本で言うB寝台)や硬座(寝台ベッド無しの座席のみ)もありました。
かつては価格の高い軟臥は敬遠されて硬座や硬臥の方が人気があると言われていましたが、最近は収入も向上してきて軟臥が一番人気があるのだそうです。

午後3時過ぎ、定刻の発車です。翌朝の6時過ぎに武夷山到着予定になっています。


猛暑が続いていますが、そんな暑さを乗り切る白茶がお勧めです。
白茶は去熱作用、体内の余分な熱を取り除いてくれると言われています。その上、美肌作用や抗酸化作用もあるとされていて、集中して飲んでいると、肌がモチモチになるだけでなく、脂浮きも収まってきたりも。
実は私たちもそこまで期待していなかったので驚きです。(薬ではありませんから・・・)

夜寝る前に野生白牡丹、昼間は雲南白茶をゴクゴクと飲んでいますが、このパターンが一番効果が実感できるような気がします。
(薬品ではありませんので効果の程は個人差があります。また、カフェインを含んでおりますので、就寝前の飲用は眠りにくくなることも考えられます。体調や体質を踏まえてお楽しみください。)

10126.1
政和 野生白牡丹

白茶がこんなに香り高くて美味しかったんだと、リピートされる方も多い白牡丹です。
驚くほどに美味しい白茶です。

この野生白牡丹は山中にある野生茶樹から作られています。この地で白茶を作り続けている作り手が自家用にと山中に入って摘み取り、製茶したものを分けていただきました。貴重で大変手間のかかるお茶であるため、一般には流通させていないものですが、この作り手さんとは長年の友人でもあり、当店にならと譲っていただきました。
無農薬はもちろん、肥料すら施されていない純粋な野生茶です。

10914.3
思芽 雲南白茶

この雲南白茶は雲南省南部の思茅の標高1800m付近にある茶園で2013年3月中旬に摘み取られました。無農薬栽培の茶樹から丁寧に摘み取り、製茶されています。ビロードのような白毫が非常に美しい茶葉です。
雲南大葉種の持つ深い甘さと、夏向きの爽やかな紅茶のような風味、プーアル生茶のようなミネラル感を持つ深みのある味わいです。

思芽に住む少数民族の作り手さんが丁寧に作った白茶です。
お求めやすいお値段でコストパフォーマンスも良く、ゴクゴク飲むのにお勧めです。

8月中にご注文いただいた方には、美味しい水出し・アイスティーの作り方をお付けしてお届けしています。(黒茶のみのご注文は除きます。ただし、黒茶の保管方法・飲み方をお付けしております。)

暁芳窯

2013/6/21

暁芳窯

2012年は11月の台湾訪問の後、12月にも台湾を訪れました。
その訪問の中で真っ先にお伺いしたのは台北にある暁芳窯のギャラリーです。

暁芳窯といえばとても有名なのでご存知の方も多いとは思いますが、1975年に台湾の蔡曉芳先生が創設した陶磁器の工房です。
蔡曉芳先生は古代中国の釉薬を研究しておられ、その失われた技術の復刻をされた方です。台湾の故宮博物院に収蔵された作品のレプリカ製作を依頼されているそうで、それらは故宮博物院の展示や海外展示に使われているそうです。
各国王室からの依頼も多く、まさに現代の官窯とも言うべき存在になっています。
近年は人気が高く、作品の入手が困難になってきました。オーダーしても5年、10年待ちなら良い方なんて話も聞くほどです。

暁芳窯

ギャラリーの中には沢山の素敵な作品が並んでいました。青磁から白磁、青花や見事な美しい粉彩まで、ため息がでるほどに美しい作品ばかりでした。

ギャラリーへの訪問は予約制ですが、この日も多くのお客さんが世界中から来ていました。

暁芳窯

暁芳窯の作品は非常に人気が高いため、ギャラリーで購入できる作品には限りがあります。白磁の茶器など、いくつかその場で購入できる作品はあるのですが、青花やこの茶器のような粉彩はまず購入できません。ギャラリーに並んでいる作品は基本的には展示用で、購入したい場合は希望の作品をオーダーします。もっとも何年かかるかは分かりませんが・・・
私たちも粉彩の蓋碗とそのセットをお願いして来ました。

ギャラリーではお忙しい中、蔡先生自ら対応していただき、色々なお話をさせていただきました。蔡先生はとても柔らかな印象の優しい方で、そのお人柄が作品に映しだされているような気がします。

暁芳窯

私たちの老師や友人たちの口添えもあり、特別にその場で譲っていただいたものが上の写真の粉彩茶器です。透明感のある美しい白磁に繊細で緻密な絵が施されている美しい茶器です。他にも沢山の茶器を譲っていただくことができました。ありがとうございます。

暁芳窯
臺湾臺北市北投區中和街錫安巷105弄1號
02-2891-1141
(ギャラリー見学は事前予約が必要です)


溪頭 高山茶
溪頭 高山茶

溪頭 焙香高山茶
溪頭 焙香高山茶

美味しい台湾の溪頭高山茶が入荷しました!

2012年の春茶ですが、しっかりと発酵させた昔ながらの製法で作られた高山茶を熟成させていました。柔らかく、丸く、美味しく仕上がりましたのでご紹介させていただきます。
清らかな高山気も楽しめる溪頭高山茶ともう1つは焙香高山茶という名前の焙煎の強いタイプの2種類ご用意しました。どちらも捨てがたい美味しさです。お好みに合わせてお選びください。

飲み比べができるセットもご用意しました。お得な価格になっておりますので、どうぞこちらもご利用ください。

溪頭 高山茶セット

凍頂烏龍茶も入荷しております。

凍頂烏龍茶 2013年春茶
凍頂烏龍茶 2013年春茶

鈴茶堂がイチオシの作り手による凍頂烏龍茶です。
近年主流の焙煎の浅いタイプではなく伝統的な製法を守って作られた凍頂烏龍茶になります。

最近は本来の産地以外で作られたものなども多く流通していますが、この凍頂烏龍茶は代々、伝統的な製法を頑なに守って作り続けています。その味わいはまさに本来の凍頂烏龍茶そのものです。

この作り手の凍頂烏龍茶には実質的な賞味期限はありません。
非常に製茶技術と焙煎技術が高いため一般的な烏龍茶よりも水分量が少なく、年月を経ることで後熟成が進み、柔らかさや味の深みがどんどん増してきます。湿度と匂い移り、高温を避けて保存していただければ10年と長く楽しめるものです。

今回はその後熟成の違いも実感していただこうと思い、とてもお得なビンテージ・収穫時期違いのセットをご用意しました。2012年の春茶の在庫が少なくなっているため、数を多くご用意できませんでしたが、是非この機会にその味わいの違いを体験していただければと思います。どうぞ好みの味わいを見つけてください。

凍頂烏龍茶 テイスティングセット


クレジットカード決済会社の変更を行いました。

今まで利用していたPayPalの規約変更に伴い、7月以降はPayPal会員以外のクレジットカード決済ができなくなってしまうため、ソフトバンクペイメントサービスに変更いたしました。
ご利用方法は今までと変わりませんが、クレジットカード情報の入力画面などが変更になっています。(ソフトバンクペイメントサービスサイト上でのお手続きになります)
セキュリティも向上しておりますので、引き続き安心してご利用ください。

よろしくお願いいたします。

インドネシア・プンチャック

2013/5/20

インドネシア・プンチャック

インドネシアはインド、スリランカ、ケニヤに続く紅茶生産国として知られています。その歴史は古く、オランダ統治時代(1690年代)に茶樹が持ち込まれたことから始まります。その後、各国の資本が入ることとなり、プランテーション方式での茶園運営が今も行われています。私たちが良く知っている日東紅茶もその1つで、紅茶だけでなく、「やぶきた」種による緑茶生産も行われているそうです。

インドネシアでは西ジャワを中心にお茶の生産が行われています。プンチャック(Puncak)峠はその1つで、標高800〜1200mにもなるこの地域は雨や霧が多く、お茶の栽培に適しています。

私たちはそのプンチャックの茶産地を訪れてきました。

プンチャックパス

ジャカルタの渋滞を避けるためと標高の高いプンチャックの茶畑に霧が出てしまうことを避けるために、ジャカルタを出発したのは早朝の5時。まだ日が昇りはじめた、まだ暗い中を出発します。朝早いために渋滞はまだ発生していませんが、それでもかなりの交通量です。
プンチャックパスと呼ばれるこの峠道は、高速道路が整備するまで、ジャカルタとバンドゥンを結ぶ重要な道路として知られていました。

プンチャック

ジャカルタを出て2時間程度でプンチャックに到着しました。この地域は茶産地としてだけでなく、避暑地としても有名な場所です。それを裏付ける様に美しい景色が広がっています。標高が高いために気温はかなり低く、ジャカルタでは30度を越えるような暑さであったにも関わらず長袖の上着が必要になるほど寒い状態です。このあたりの平均気温は18〜22度です。

目の前に広がる茶畑はアッサム系の大葉種です。茶葉は人の手の大きさほどの大きさになります。

プンチャック

しばらくすると摘み子さんたちが茶畑にやってきました。
この地域では年間を通して茶摘みを行うことができます。そのためか、通常、大葉種の経済的寿命は3〜40年と言われているのですが(経済的寿命を越えると茶葉の生産量が少なくなります)、プンチャックでは10年ほどで茶樹の入れ替えを行うそうです。

Gunung Mas

製茶工場の入り口はジャカルタ方向へ峠を少し下った場所にあります。
私たちが訪問したのは今回見学したGunung Masという国営企業です。Teh Waliniというブランドで紅茶と緑茶を製造しています。山裾に広がる敷地は広大で、従業員の住居も敷地内にあります。あまりにも広いため、敷地内の移動はバイクや車が必要です。
ここではお茶だけでなく果物の栽培も行なっています。
残念ながら、この日は製茶工場の休日にあたってしまい、工場の見学はできませんでしたが色々なお話を伺うことができました。

インドネシアで作られるお茶のうち、良質なものは国外へ輸出されます。癖がなく柔らかい味わいのため、多くはブレンド用茶葉として使われています。そのため、インドネシアのお茶というと私たちには馴染みが薄いのですが、有名なリプトンもインドネシアの紅茶を多く買い付けていることからも、実際は結構口にしていることも多いのかもしれません。
インドネシアの人々が飲むお茶はジャワティーでお馴染みの茶色い水色のお茶や、それらにミントやジャスミンの香りを付けたお茶です。香りを付けたものは日本人からするとかなり強烈な香りのものが多く好まれています。

残念ながらまだインドネシアでは美味しいと思うお茶には出会えていません。
プンチャックではありませんが、最近では台湾から作り手を呼び、紅茶だけでなく台湾式の烏龍茶の製造を始めた地域もあります。また中国から技術を受け継ぎ、白毫銀針などの白茶を製造しはじめた地域もでてきました。
いつか美味しいインドネシアのお茶をみなさまにご紹介できる日がくることを楽しみにしています。


手摘み川根茶 2013年一番茶
手摘み川根茶 2013年一番茶

昨年のご紹介では予約分のみで完売してしまった人気の川根茶が今年も入荷いたします。

この川根茶は一般には流通せず、毎年口コミによる茶農家さん自身の直接販売だけで完売してしまう知る人ぞ知る名茶です。大井川の上流、標高が高く山深い場所の川根町は静岡県の中でも気温が低く、最も茶摘みが遅い場所の1つです。高冷地でじっくりと育てられた茶樹は完全無農薬で大事に育てられています。

中国茶がメインの当店ですが実は中国茶にこだわっている訳ではありません。美味しく、安全に楽しんでいただけるお茶をご紹介したいと、日本や中国、台湾をはじめ、インドやマレーシア、タイ、インドネシアなども茶畑の確認も含めて行っているのですが、なかなか中国と台湾以外には広げられないというのが現状です。そんな中、これは美味しいと私たちも納得できる日本のお茶がありました。それがこの川根茶です。

この茶農家さんでは品質を確保するため1番茶のみの生産となり、私たちが確保できる量にも限りがあります。そのため、今年も昨年同様に予約販売という形を取らせていただきます。(ご予約分以上の量が確保できた場合は通常販売も行う予定です。)
ご予約いただいた場合はお得な事前予約特別価格(メール便送料込)でご提供させていただきます。通常販売を行う場合は価格が変わりますのでご了承ください。
完全に手摘みで作られる上質な川根茶です。川根茶の中でも非常に上質なもので、一般的には100gあたり3~4000円で販売されるお茶です。茶農家さんのご好意でかなり価格を抑えてご提供させていただくことができました。

是非この機会に日本の美味しいお茶もお楽しみください。

金華 野生茶
金華 野生茶

野生茶は浙江省金華市に住む私たちの友人のお母様が毎年春になると手作りしているもので、本来は名前のない自家製茶です。野生茶樹から作るお茶のため、いつしかみんな野生茶と呼ぶようになりました。

この地域では自家消費用のお茶はその家を守る主婦が作ります。春になると各家庭の主婦は所有する畑の片隅にある茶樹などから茶摘みし、その年のお茶を作るそうです。この友人のお母様はそういった茶樹よりも安全で美味しいものを飲んで欲しいという思いから付近の山に登り、そこで自生する野生茶樹から茶葉を摘んでお茶を作ります。

たまに見つけることができる、工場で作られている「野生茶」とは全く違います。素朴で身体に染み込むような甘さと優しさは古くからの茶産地ならではの味わいです。


6月1日から11日までのあいだ、中国出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
度々のお休み、大変申し訳ありません。

5月30日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日31日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、5月30日中に入金確認ができたご注文を5月31日に発送させていただきます。それ以降のご注文は6月12日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で4日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

台湾茶の輸出木箱

2013/5/6

台湾茶藝

台湾でのお茶の老師をお伺いし、貴重なお茶などを沢山見せていただきました。

老師は台湾では有名な茶商さんでもあります。台北の多くのお茶屋さんや卸店、台湾では誰もが知っているようなお茶屋さん(というよりも、日本では台湾ならではのお茶系飲料を開発したお店として有名かもしれません)へ茶葉を卸しているというだけでなく、普洱茶鑑定の権威でもあり、台湾で普洱茶関係の書籍が出版される際にはその鑑定の依頼が来るという方でもあります。当然ながら老師のところには沢山の貴重な普洱茶が沢山あります。

また、台湾茶藝の先生でもあり、素敵な茶室を持っていらっしゃいます。上の写真はその老師の茶室です。

台湾茶の輸出木箱

その老師のところにあった昔の台湾茶の輸出木箱です。
これは台湾の包種茶の木箱です。何と中身もそのまま入っているとのこと。まだ当分は開けるつもりはないそうです・・・
鈴茶堂でも40年ものの包種老茶を取り扱っていますが、包種茶の老茶は本当に美味しいです。普通に探すと3〜5年の若い老茶や年数を偽ったものが多く、きちんと年月を経た柔らかな老茶はなかなか出会えません。

色種の輸出木箱

こちらは大陸・福建省産の色種の輸出木箱です。1981年とあります。こちらも中身入り・・・どんな状態になっているかは分かりませんが、状態が良ければ火入れなどの手入れをして、まだ飲めるのではないかと思います。開ける際には是非呼んでいただきたいと思います。(笑

普洱茶の権威である老師ですが、台湾茶にもとても造形が深く、色々と教えてくださいます。
当店の香檳烏龍茶、石錠の青心烏龍種から作られている東方美人ですが、その美味しさに驚かれた方も多いと思います。台湾茶の中では凍頂烏龍茶に並んでリピートの多いお茶です。
その香檳烏龍茶を自ら監修して作ったのが老師です。本当に丁寧に作られていて、実際、私たちも驚くほどに素晴らしい香檳烏龍茶なのですが、これを手頃な価格で譲っていただけたのも老師のおかげです。(普通であれば現在の価格で提供できないような品質です。)

普洱茶から台湾茶、台湾と大陸の鉄観音についてなど、この時も沢山のお茶を試させていただき、そして色々と教えていただきました。また、台中では沢山の方のご好意で、素晴らしい作り手さんや茶人のみなさまに引きあわせていただき、沢山の茶縁を広げることができました。
本当にお茶の縁というものは凄いのだなと改めて実感させていただいた訪台になりました。


10905.8
1970年代 重庆乌龙沱茶(重慶烏龍沱茶)

老師から特別に譲っていただいた貴重な重慶沱茶です。
重慶「烏龍」沱茶となっているのは、これが烏龍種から作られているからです。今ではその姿を消してしまいましたが、昔は重慶でも烏龍在来種がありました。その烏龍在来種から晒日緑茶を作り、現在もある沱茶と同様の作り方をしたのがこのお茶です。香港乾倉での熟成を経て、香港返還直前に台湾へ移した貴重な重慶沱茶です。
貴重というだけでなく、とても美味しいお茶です。重慶沱茶特有の药香からはじまり、煎を重ねていくとナッツ系の美味しい烏龍茶といった感じになります。15煎も越える頃には茶気も消えて、甘い旨みが続く美味しい烏龍茶に変化します。

10905.7
7542青饼(青餅) 中茶牌 1995年

こちらも老師が鑑定した孟海茶厂(孟海茶廠)の名レシピ、7542の普洱生茶です。1995年に製造され、香港と台湾の乾倉で熟成を行った非常に美味しい生茶に仕上がっています。
古いだけの普洱茶は探せば本物、偽物問わず見つけることができます。しかし保存状態によって普洱茶は全くその美味しさが違ってきます。この7542は非常にバランスが良く、厚みもあり、芳醇という言葉が相応しい美味しさです。カビ臭いということは全くなく、生茶の尖った感じもなく、ビンテージのブルゴーニュワインのような繊細な広がりがあります。

陳文濱老師 工房訪問

2013/5/2

陳文濱老師 工房訪問

台中ではお茶の縁がきっかけで知り合うことのできた、陳文濱老師の工房を訪問させていただきました。

陳文濱老師は台湾ではもちろん、海外でも数多くの賞を受賞されている芸術家です。作陶家というだけでなく、陶刻家としても。そして漆を使った芸術作品も多く発表されている漆陶人として知られています。

陳文濱老師ご自身もお茶が好きとのことで、工房には自らお作りになった茶器が沢山飾られています。ご自分で使うためとのことでしたが、どれも素敵な茶器で、使いやすい工夫がされていたのが印象的でした。

陳文濱老師 工房訪問

沢山のオーダーが入っているそうで、工房には作業中の作品が所狭しと並んでいます。
中にはとても可愛らしい小さな茶壷もあったのですが、これは別の作品の素材になるとのこと。そのままでも十分使えるのに何となく勿体無いような気がしてしまいますが、どんな作品になるのか楽しみです。

陳文濱老師はとても穏やかで優しい雰囲気を持っている方で、作業中におじゃましてしまったのにも関わらず、作陶のこと、茶器のこと、漆のことなど沢山のお話を聞かせていただきました。

陳文濱老師 工房訪問

茶器の他にも大きな作品も見せていただきました。

こちらは陶器に漆を使っている作品で、不思議な質感と色合いがとても綺麗でした。実際に見るとかなり大きく、迫力がありながらも優しさもあるような、老師の人柄が分かるような素敵な作品でした。

陳文濱老師 工房訪問

これは私が一番気に入った作品です。かなり大きな作品で、とても迫力があります。
陶器に漆を塗って焼き上げたものだそうです。不思議な色合いと質感は漆によるものなのですね。見る角度を変えると色合いと質感がまた異なって見えます。素敵で不思議な作品です。

作業中におじゃましてしまったのにも関わらず、作業の手を止めてニコニコともてなしていただき、とても良くしていただきました。
ありがとうございました。


明前 四川玖瑰紅茶
明前 四川玖瑰紅茶

人気の高い四川高山紅茶の姉妹版とも言える四川玖瑰紅茶が入荷しました。
通常の四川高山紅茶は今頃から初夏にかけて作られますが、これは緑茶と同じような早春に摘み取られた繊細な茶葉を使用して作られた紅茶です。「玖瑰(メイグイ)」と名前にあるのはバラのような香りがあるからです。
一般的に言われる「玖瑰紅茶」は後からバラの香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ですが、この紅茶は違います。茶葉本来の香りがまるで可憐なバラのような、甘い繊細な紅茶です。

特級 蒙頂黄芽
特級 蒙頂黄芽

黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

四川省雅安市は4月19日に大地震が発生して大きな被害が出ておりますが、これらのお茶は震災前に製茶、輸入されたものです。幸い、現地関係者に大きな人的被害はありませんでしたが、建物の一部崩壊などが発生し、今も懸命に復旧作業に努めています。鈴茶堂では出来る限りの支援を行っていきます。
鈴茶堂では当面の間、蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

杉林渓茶区

2013/4/29

蒙頂緑茶や雲南緑茶の新茶ですが、多くの方にご注文をいただき、本当にありがとうございました。
一時期、ご注文が大変混み合い、通常よりも発送にお時間をいただいておりました。
ご迷惑をおかけして、申しわけありません。

現在は通常通り発送させていただいております。
どれもとても美味しい新茶です。この機会に美味しい中国緑茶をお試しください。

杉林渓茶区

凍頂烏龍茶の凍頂茶区を更に奥へ向かい、かなり斜度のきつい斜面を登って行くと杉林渓茶区があります。
このあたりは標高1600mを軽く超えたあたりで、何と雲海の上に茶畑が広がっています。見渡す限りの雲の上の茶畑は、幻想的でとても美しい光景でした。

11月中旬といっても汗ばむほどの暑さを感じる程でしたが、ここ杉林渓茶区は寒くて震えてしまうほどに気温が低い状態でした。標高が高く、麓との温度差がかなり大きいようです。
この日はちょうど冬茶の摘み取りが始まった日で、杉林渓茶区の中でも最も標高の高い、気温の低い茶畑から摘み取った茶葉の製茶が始まっていました。

杉林渓茶区

この製茶場は茶畑と同じように標高の高い場所にあります。何でも麓で製茶を行うと、せっかく標高の高い場所で摘み取った茶葉も味わいが変わってしまうとか。摘み取った茶葉を麓の製茶場へ運ぶために、猛スピードで茶葉を摘んだ軽トラックが下っていくことも多いなか、この作り手さんの茶葉は山を登ってくることもあるそうです。

摘み取った茶葉を日光萎凋しています。
まだ茶摘みが始まったばかりで茶葉の量が少ないのですが、最盛期には茶葉が一面に敷き詰められます。周囲には茶葉から香る花の香りが充満していました。まるで目の前に本物の花があるかのように錯覚するような香りで、改めて茶葉の力を感じさせられます。

萎凋をしている場所は製茶場の最上階にあるガラス張りの温室のようなところです。周囲はすっかり気温が低くて寒いほどですが、ここは日の光で暖められていて暖かいです。
屋根は開閉式になっていて、気温の高い春茶の時期には屋根を開放して日光萎凋を行うそうです。標高が高いため、気温が低くなりがちな高山茶ならではの工夫ですね。

杉林渓茶区

こちらは団揉機です。
台湾茶に多い丸い形状の茶葉をつくるために行う作業、「団揉」を行う機械です。軽く乾燥まで終えた茶葉を布袋に入れて硬く締め付けます。大きなボール状にしてから、この団揉機にかけてゴロゴロ転がしながら茶葉を丸めていきます。
途中、何度か布袋の中の茶葉を取り出して、絡み合った茶葉を解きほぐし、再度「団揉」を行います。これを何度も繰り返していくと、綺麗な球形のお茶になります。

家族総出で冬茶の製茶を行なっている忙しい最中にも関わらず、快く製茶の様子を見せていただきました。みなさん真剣に無言で黙々と作業を行なっているのが印象的でした。


2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 特級 明前 蒙頂甘露

今年は春が来るのが早く、四川でも例年より早く茶摘みがはじまりました。蒙頂山茶区でも標高の低い地域では3月上旬からはじまっていたようです。

私たちがお願いしている蒙頂の作り手さんは蒙頂山の中でも主峰、その中の標高1200m付近にある茶畑の茶樹から1つ1つ手摘みした茶葉にこだわっているため、他の地域よりも気温がなかなか上がらず、茶摘み日が一般的なものよりも1週間ほど遅くなっています。
蒙頂山はとても気温差が大きく、麓では汗がにじむ程暑くても、山の上の方は寒くて震えてしまうような場所です。気温が低く、寒暖差が大きい分、とても美味しい新茶です。

今回、蒙頂甘露は等級の異なる2種類を入荷しました。どちらも個性の異なる美味しいお茶です。
これらの等級の違いをお試しいただけるよう、これらをセットにした蒙頂甘露テイスティングセットもご用意いたしました。

2013年 蒙頂甘露テイスティングセット

2013年 特級 明前 蒙頂石花
2013年 特級 明前 蒙頂石花

日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
蒙頂石花にはいくつかのタイプがあります。
大きくは伝統的な製法によるものと、それらを改良した製法によるものに分けられます。昨年にご紹介した蒙頂石花は後者の伝統的な製法を改良したタイプですが、今年は伝統的な製法による蒙頂石花を選びました。摘み子さんたちが1つ1つ手摘みし、製作り手の方が最低限の機械しか使わずに真剣に丁寧に作った真面目なお茶です。

これらの蒙頂緑茶を組み合わせたお得なセットもご用意しました。

2013年 蒙頂緑茶セット

思茅 早春茶
思茅 早春茶

中国国内でも流通の少ない雲南緑茶の新茶も入荷しました。
多くの雲南緑茶は柑橘系の香りがありますが、この早春茶は桜餅のような香りがあります。雲南紅茶を連想させるような、深みのある優しい甘さが感じられる美味しい雲南緑茶です。

とても美味しい、この桜餅のような甘い雲南緑茶をお求めやすいお値段でご紹介することができました。ぜひ毎日のお茶としてお楽しみください。

台湾・凍頂 再訪

2013/4/21

凍頂

昨年の11月中旬、凍頂烏龍茶の冬茶、打ち合わせのため、台湾南投県鹿谷郷の作り手さんを改めて訪問してきました。

2012年の冬はなかなか気温が下がらず、私たちが訪れた11月中旬も暑さを感じるような気温で冬茶の摘み取りは凍頂の中でも一部でしか行われていませんでした。鹿谷郷の町も出来たばかりの冬茶を販売しているのは観光客向けのみといった感じで、嵐の前の静けさのような、静かさの中に熱気を保っているような不思議な雰囲気に包まれていました。
この年は天候に恵まれず、凍頂ではありませんが、同じ南投県の渓頭では気温が下がらない上に雨が多く、高山茶を作っている作り手さんは冬茶の製造を見送ったりと、お茶にとっては厳しい年でした。

私たちがお世話になっている作り手さんは一般的な「冬茶」と呼ばれる時期のものよりもずっと気温が下がった、遅い時期に摘み取り、製茶を行います。作り手さんによっては「冬片」と呼ばれる時期のお茶ですが、この作り手さんは「春茶」と「冬茶」のみ。気温がしっかり下がって、茶樹がベストなタイミングになったら作るというシンプルな信念で冬茶を作っています。
ただし、リスクも大きく、気温が十分に下がる時期まで茶摘みを待っていると予想外の降霜や降雪などで冬茶の製造が全くできないということもあります。以前、温暖な気候である凍頂でも予想外の降雪があり、その年の冬茶が殆どできないということがありました。作り手さんにとっては冬茶の製造ができない、つまり冬場の収入が全くないということに繋がり、死活問題にもなってしまいます。そのため、最近は以前は秋茶と呼ばれていたような時期に、早め早めに冬茶として茶摘を行うように変化してきているようです。(前述の渓頭の作り手さんはそういった意味では本当に断腸の思いで冬茶の製造を断念されたのだと思います。とても真面目に、真剣にお茶を作る方で、こちらは改めてご紹介させていただければと思っています。)

顧景舟大師の茶壷

私たちが訪れたこの時期もそんな時期で、周囲の作り手さんたちは茶摘みのタイミングを計っていた時期でしたが、この作り手さんは「うちはこの分だと12月だからね。まだまだ先。」とのんびりと構えていました・・・周囲の作り手さんは明日、茶摘みを始めるかどうかとピリピリしているというのに、この作り手さんのところだけは至って普通の雰囲気。何とも不思議な感じです。

この作り手さんは凍頂に大陸から持ち込まれた茶樹を受け取って以来、代々製茶を続けている家系で、私たちの訪問に合わせて高齢の先代まで出迎えてくださいました。普段は息子さんに任せている先代ですが、今も要人向けの特別なお茶の製茶や出来上がったお茶の最終チェックは先代が必ず確認しているそうです。といっても、息子さんも私たちよりもずっと年上のベテランの作り手さんです。まだまだ任せておけないということなのでしょうか?とても頑固な職人気質の先代です。

凍頂烏龍茶を等級別や製茶年別にテイスティングさせていただきながら、お茶作りについて、これから作る冬茶や美味しい淹れ方などを教えていただきました。
この作り手さんは製茶技術はもちろんのこと、焙煎技術が非常に高く、一般的な凍頂烏龍茶よりもずっと水分を少なく仕上げることができます。普通はそこまで水分を少なくしてしまうと味わいに影響が出てしまうのですが、この作り手さんのものは逆に味わいが深く、年月を重ねて楽しむことが可能になります。この時にも製造年別にテイスティングさせていただきましたが、10年近く経過したものの方が味わいが深くて柔らかい美味しさになっています。「老茶」とは別ですが、入手した人が適切に保管さえしていれば何年も楽しめるように作られています。中には何年の春茶が一番好みというのもでてきて、とても良い経験をさせていただきました。

既に当店で凍頂烏龍茶をお求めになっている方は是非、湿度と高温を避けて保存していただき、時間の経過と共に変化する美味しさを楽しんでいただければと思います。その際、冷蔵庫では保管しないでください。高温にならない場所で保管していただければ常温保存で大丈夫です。

写真の茶壷はこの作り手さんの宝物である顧景舟大師の茶壷です。話が弾んで、特別に出してきて見せていただきました。
顧景舟というのは茶壷作家の名前で、紫砂の人間国宝の様な方です。現代の紫砂作家の中ではこの方を越える作家はいないと言われ、作品は安くても数百万円、高いものは億を越える金額がつけられます。
そんな素晴らしい茶壷を実際に見せていただきました。流石に迫力を感じる作品で、言葉に出来ないような品があり、素晴らしい茶壷でした。写真が上手く撮れていないのが残念ですが・・・

凍頂

こちらは凍頂の茶畑です。この作り手さんの茶畑ではありませんが、雰囲気が伝われば。
茶畑の中に檳榔(ビンロウ)の椰子の木があるのが特徴的です。この景色を見ると凍頂に来たという実感が湧きます。


凍頂烏龍茶 2012年冬茶
凍頂烏龍茶 2012年冬茶

2012年の冬は気候が難しく、一時は冬茶の製造を断念することも考えていた程だったそうです。12月に入ってから、ようやく量は少ないものの、納得できる品質の冬茶を作ることができました。他の作り手がとっくに冬茶の摘み取りを終えるころまで充分に待ってから作られたこの冬茶は数が少ないものの、非常に良い出来の冬茶になりました。

この作り手の凍頂烏龍茶は醗酵が強く、伝統的な龍眼の炭による火入れもしっかり行うため、実質的な賞味期限がないどころか、年月を経た方がより柔らかく美味しくなります。この冬茶も本当に美味しいのは、あと数カ月後、今年の6月以降位ですが、味わいの変化も楽しめるお茶としてご紹介させていただいています。

20101.2
凍頂烏龍茶 2012年春茶

2012年の春茶です。もうすぐ今年の春茶も登場するような時期ですが、鈴茶堂でご紹介する凍頂烏龍茶の中で一番の飲み頃はこの春茶です。柔らかく深い味わいと清らかな品のある花の香りは、この作り手の凍頂烏龍茶ならではのものです。
今からがこのお茶の最も美味しい時期です。
上質な凍頂烏龍茶を是非お試しください。


雅安

4月20日に中国四川省雅安市で発生した大地震ですが、当店がお世話になっている蒙頂山の作り手さんは全員無事が確認できました。
一番被害の酷い地域からさほど離れていない場所ですので、相当に揺れが激しかったようです。建物の倒壊などはあったようですが、人に被害はないとのことです。
ご心配いただいたみなさま、ありがとうございます。

まだ情報があまり入ってきていない状態ですが、相当に大きな災害であったと思われます。今もニュースで目にする雅安市やその周辺の状況を目にして、愕然とする思いでおります。被災された方のご無事と、どうか1日も早く安心して過ごすことができるよう、祈らずにいられません。出来ることから、何かお手伝いができたらと思っています。

今年も鈴茶堂では蒙頂山の新茶をご用意しております。既に日本へは到着済です。
通関・検疫が完了次第、ご紹介させていただきます。
とても真面目に丁寧に作られている美味しい新茶です。
どうぞよろしくお願いいたします。

#写真は雅安市雨城区にある雅安廊橋で、雅安市のシンボルです。被害が少ないことを祈ります。

碧露軒茶芸館

2013/4/3

碧露軒茶芸館

成都を出て北京まで戻って来ました。

北京は南の上海や杭州などと違って茶芸館といったイメージが無いかもしれませんが、日本の料亭のような役割を持っているビジネスの場としての茶芸館は実は結構あります。中国でビジネスというと白酒で乾杯のイメージが強いですが、きちんとした商談を行う時にはお酒は飲まず、こういった茶芸館で行うそうです。意外と知られていませんよね。

今回お連れしていたお客さまに、美しい茶芸を楽しめて、ゆっくりと落ち着ける茶芸館を一度体験していただこうと碧露軒茶芸館に行ってきました。ここは以前にも何度か来ている茶芸館ですが、中国大陸ではかなり上位に入るのではないかと思うほどに美しい茶芸を見ることができます。
また、国際倶楽部飯店(St.Regis Beijing/セントレジス北京)に併設しているマンション楝の1階にあることもあって、とても豪華で素敵なインテリアと雰囲気も楽しめます。深夜1時位まで営業しているのも嬉しいです。夜の北京を楽しんだ後に行っても大丈夫です。

碧露軒茶芸館

個室と普通の半個室席が選べます。個室の場合は別途個室料金がかかります。(個室の広さなどによって個室料金は変動します。)私たちは秘密の商談をすることもないので普通の半個室席で。完全な個室にはなっていませんが、十分落ち着けます。

茶譜(お茶のメニュー)は緑茶から青茶、普洱茶などかなり揃っています。中にはかなりビンテージの経ったプレミア物の普洱茶も揃っています。ただし、ビジネス用の茶芸館という上に、ここは北京でもかなり高級な茶芸館ですので価格は高めです。
私たちは鳳凰単欉の蜜蘭香を選びました。煎持ちの良いお茶の中では一番お手頃で、確か600元位(この時期は7800円位でした)です。ここにサービス料などが加算されますが、こういったスタイルの茶芸館は1グループで1つのお茶を楽しみますので、人数で考えればそれほどでもないですし、この雰囲気、茶芸の美しさを考えたら良心的だと思います。

碧露軒茶芸館

お茶をオーダーすると担当の茶藝師さんが茶道具一式などを持ってテーブルに来てくれます。このお店は目の前でお茶を淹れてくれるスタイルです。
ここで働く茶藝師さんたちは茶藝師の専門学校の卒業生だそうです。茶藝師の専門学校といっても、かなり本格的なもので、良くあるカルチャースクール的なものではなく、全日制の専門学校とのこと。その卒業生の中から選ばれた彼女たちの茶芸は本当に美しくて見応えがあります。
もちろん淹れてくれるお茶もとても美味しく、もう飲めませんと言わない限り、ずっとお茶を淹れてくれます。みなさん、とても良い方ばかりで、茶藝師の専門学校の話やお茶の話などをしながら一緒にお茶を楽しみました。

それと、こちらの店長さんがとても素敵な女性です。芯の強さと優しさを持っている女性で、この時は話が弾んで彼女のとっておきのお茶まで特別に出していただき、スタッフの方も含めてみんなで楽しむことに。
お茶の縁ですね。またお会いしましょう。なんて言葉もいただいて、帰り道は心まで心地よい余韻でいっぱいでした。

碧露轩茶艺馆(国际俱乐部店)
中国・北京市朝阳区建国门外大街21号北京国际俱乐部饭店公寓1楼
010-65327008


鳳凰単欉 芝蘭香
鳳凰単欉 芝蘭香

芝蘭香は宋代から続く名叢の1つとされ、鳳凰単叢十大花蜜香型にも挙げられる鳳凰単欉です。
本来、芝蘭香は柏槇(ビャクシン)と蘭の香りを持つとされていますが、近年流通する殆どの芝蘭香にはこの柏槇の香りを感じることができなくなってしまっていました。
柏槇とはヒノキ科の針葉樹の1種で中国にあるものは日本のヒノキとは異なるそうですが、清涼感のある香りを持ちます。この芝蘭香はその柏槇香を感じていただける本来の香りを持った鳳凰単欉です。

鳳凰単欉 草蘭香
鳳凰単欉 草蘭香

この草蘭香は2012年の鳳凰単欉の中では最高の香気と滋味を持っています。
烏崠山の中でも標高1000mを越える高い場所にある1本の老欉(老茶樹)から作られるため、非常に生産量が少なく年間10キロしか作ることができない貴重な鳳凰単欉です。こうした高山にある老欉から作られるお茶には特韵と呼ばれる特別な香気、味わいがあります。この草蘭香はその特韵が良く出ている素晴らしい出来上がりとなっています。
この上なく上品な甘い花の香りを感じていただけます。
最高の鳳凰単欉を味わってみたい方に自信を持っておすすめします。


発送業務お休みのお知らせ

4月11日から15日までのあいだ、中国出張のため発送業務をお休みさせていただきます。

4月9日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日10日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、4月9日中に入金確認ができたご注文を4月10日に発送させていただきます。それ以降のご注文は4月16日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどに、いつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で3日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

成都・大西南茶葉市場 再訪

2013/3/21

成都・大西南茶葉市場

雅安、カンゼ・チベット、アバ・チベットとまわって、ようやく成都まで戻って来ました。
以前にも行った成都の茶葉市場、大西南茶葉市場ですが、今回はお連れしていたお客さまをご案内する意味もあり、再度見学にいってきました。半年ぶりの大西南茶葉市場は鉄観音の秋茶の出荷で賑わっていました。前回は春の新茶シーズンで、四川省のお茶が沢山並んでいたのですが、今回は鉄観音が中心です。

北京の馬連道や広州の芳村茶葉市場と違って、かなり小さい印象のある大西南茶葉市場ですが(それでも中国西部最大のお茶市場だそうです)、やはり競争が厳しいのか、たった半年ぶりにも関わらずお店が変わっているところもちらほらありました。お茶市場はここ成都に限った話ではありませんが、どこも競争が厳しいようです。お茶自体の値上がりもそうですが、地代・家賃の値上がりが激しいようで、しっかり顧客を掴んでいないお店はすぐに撤退を余儀なくされる状態です。

成都・大西南茶葉市場

こちらは市場の街路樹の根本です。こんなところにも「茶」の文字があります。

四川の市場ですが、意外と揃っているのは雲南省のお茶です。普洱茶はどこの市場でも人気があることもあり揃っていますが、この市場では雲南緑茶なども入手することができます。地理的に近いために、雲南省の茶業さん(製造者)が直接出店しているケースが他の地域の茶市場よりも多いように思います。

折角なのでいくつかお店を覗いてきました。勉強用にいくつかのお茶を購入したり、ご一緒していたお客さまには茶葉市場の雰囲気を味わっていただきました。

日本では市場や卸に行くと一般販売はされていないことが多いですが、中国では一般販売も業務販売もあまり区別していません。ですので、初めて訪れるお店で買い物をすることも可能です。一般販売と業務販売の違いは価格ですが、明確な区別はなく、良く買いに来てくれるお得意さまや20キロや30キロといった大量に購入する場合は安い価格で販売するなどしています。
価格は基本的に交渉ですが、中国向けのガイドブックなどに書かれているような値切り交渉はあまり意味がありません。というのも、良心的な質の良いお茶を扱うお店は元々大きく利益を乗せるような価格は提示しないことが殆どで、価格交渉もこれだけ大量に購入するならこれだけ安くできますよといった感じです。提示額の半額になるということはなく、逆に大きく値切れるようなお茶屋さんはあまり信用ができない、むしろ観光客向けのお店であることが殆どです。普段から地元の人たちが買いに来るような信頼のあるお店は、そんな商売の仕方をすると誰も来なくなってしまうんですね。

購入の単位は斤で表します。1斤は500g(台湾の1斤は600g)です。観光地のお土産屋さんのようなお茶屋さん以外の最低販売量はどこも大概、1両で50g(台湾は37.5g)です。日本だと50gも?と思ってしまうところですが、実際のところ、50gで購入する人は殆どいません。中国(台湾もわりと当てはまりますが)では本当にお茶を沢山飲むので大体は1斤単位で購入します。少なくても半斤(250g)単位で購入していて、現地の方の感覚だと半斤以下の量は逆に恥ずかしいとか。両の単位で購入すると外国人、特に日本人だと分かるそうです・・・(日本人と区別が付きにくい韓国人も斤単位で購入することが殆どだそうです)

とはいえ、大概のお店は1両から購入することができますので、もし現地でお茶市場に行くことがあれば、遠慮せずに、ぜひ覗いてみてください。購入する際には必ず試飲して納得できるものを、納得できる価格で購入してください。日本の方が思っているよりも、ずっと高価なお茶は沢山あります。日本ではお茶は比較的安いような感覚がありますが、基本的に高級な嗜好品として扱われています。びっくりするほど高いお茶でも詐欺などではなく、正当な価格であることが殆どですが、中には観光地やそれに近いお店では高額を要求するケースもありますので、自分の納得できる金額で購入するようにしてください。慣れてくるとお茶市場巡りは楽しいですよ!


正岩茶 悦明香
正岩茶 悦明香

とても美味しい武夷岩茶です。
南国の果物を連想させるフレッシュな香りと火の香ばしさが合わさり、非常に素晴らしい香りを持っています。またこの悦明香の特徴とも言える深みのある甘さは正岩茶の持つミネラル感と合わさり、非常に複雑で奥深い味に仕上がっています。
鈴茶堂が取引させていただいている岩茶研究所もお勧めという岩茶です。

正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)
正岩茶 老枞水仙(老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢80年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた老枞水仙(老欉水仙)です。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
水仙は火が強い、焙煎の強いお茶と思っている方にこそ味わっていただきたいと思います。決して焙煎が弱いという訳ではありませんが、数ヶ月かけてじっくりと丁寧に火を入れて作り上げた製作り手の技術の違いを感じていただけると思います。

百年老枞水仙(百年老欉水仙)
百年老枞水仙(百年老欉水仙)

武夷山の正岩地区にある樹齢160年ほどの水仙の茶樹から摘み取った茶葉で作られた貴重な老枞水仙(老欉水仙)です。特別な古樹だけが持つ落ち着きある、凄みすら感じる旨味を持つ岩茶に仕上がっています。
この老枞水仙(老欉水仙)は水仙種の持つ美味しさと老枞(古樹)の中でも齢を重ねた特別な古樹だけが持ち得る旨味、正岩地区で採れる茶樹だけが持つミネラル感を揃えた非常に上質な岩茶です。熟練した製茶技術の高い製作り手によるもので、火が強くなりがちな水仙種には珍しいほどのバランスの良さを持っています。
煎を重ねていくほどに旨味が出てくるのもこの百年老欉水仙の特徴です。回甘も強く、喉を過ぎてからの余韻が長く続きます。上品な花の香りと落ち着きのある甘い火の香りから始まり、煎を進めるうちに果実のような香りも出てきます。
これは凄いと思える最高の武夷岩茶です。