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暁芳窯

2013/6/21

暁芳窯

2012年は11月の台湾訪問の後、12月にも台湾を訪れました。
その訪問の中で真っ先にお伺いしたのは台北にある暁芳窯のギャラリーです。

暁芳窯といえばとても有名なのでご存知の方も多いとは思いますが、1975年に台湾の蔡曉芳先生が創設した陶磁器の工房です。
蔡曉芳先生は古代中国の釉薬を研究しておられ、その失われた技術の復刻をされた方です。台湾の故宮博物院に収蔵された作品のレプリカ製作を依頼されているそうで、それらは故宮博物院の展示や海外展示に使われているそうです。
各国王室からの依頼も多く、まさに現代の官窯とも言うべき存在になっています。
近年は人気が高く、作品の入手が困難になってきました。オーダーしても5年、10年待ちなら良い方なんて話も聞くほどです。

暁芳窯

ギャラリーの中には沢山の素敵な作品が並んでいました。青磁から白磁、青花や見事な美しい粉彩まで、ため息がでるほどに美しい作品ばかりでした。

ギャラリーへの訪問は予約制ですが、この日も多くのお客さんが世界中から来ていました。

暁芳窯

暁芳窯の作品は非常に人気が高いため、ギャラリーで購入できる作品には限りがあります。白磁の茶器など、いくつかその場で購入できる作品はあるのですが、青花やこの茶器のような粉彩はまず購入できません。ギャラリーに並んでいる作品は基本的には展示用で、購入したい場合は希望の作品をオーダーします。もっとも何年かかるかは分かりませんが・・・
私たちも粉彩の蓋碗とそのセットをお願いして来ました。

ギャラリーではお忙しい中、蔡先生自ら対応していただき、色々なお話をさせていただきました。蔡先生はとても柔らかな印象の優しい方で、そのお人柄が作品に映しだされているような気がします。

暁芳窯

私たちの老師や友人たちの口添えもあり、特別にその場で譲っていただいたものが上の写真の粉彩茶器です。透明感のある美しい白磁に繊細で緻密な絵が施されている美しい茶器です。他にも沢山の茶器を譲っていただくことができました。ありがとうございます。

暁芳窯
臺湾臺北市北投區中和街錫安巷105弄1號
02-2891-1141
(ギャラリー見学は事前予約が必要です)


溪頭 高山茶
溪頭 高山茶

溪頭 焙香高山茶
溪頭 焙香高山茶

美味しい台湾の溪頭高山茶が入荷しました!

2012年の春茶ですが、しっかりと発酵させた昔ながらの製法で作られた高山茶を熟成させていました。柔らかく、丸く、美味しく仕上がりましたのでご紹介させていただきます。
清らかな高山気も楽しめる溪頭高山茶ともう1つは焙香高山茶という名前の焙煎の強いタイプの2種類ご用意しました。どちらも捨てがたい美味しさです。お好みに合わせてお選びください。

飲み比べができるセットもご用意しました。お得な価格になっておりますので、どうぞこちらもご利用ください。

溪頭 高山茶セット

凍頂烏龍茶も入荷しております。

凍頂烏龍茶 2013年春茶
凍頂烏龍茶 2013年春茶

鈴茶堂がイチオシの作り手による凍頂烏龍茶です。
近年主流の焙煎の浅いタイプではなく伝統的な製法を守って作られた凍頂烏龍茶になります。

最近は本来の産地以外で作られたものなども多く流通していますが、この凍頂烏龍茶は代々、伝統的な製法を頑なに守って作り続けています。その味わいはまさに本来の凍頂烏龍茶そのものです。

この作り手の凍頂烏龍茶には実質的な賞味期限はありません。
非常に製茶技術と焙煎技術が高いため一般的な烏龍茶よりも水分量が少なく、年月を経ることで後熟成が進み、柔らかさや味の深みがどんどん増してきます。湿度と匂い移り、高温を避けて保存していただければ10年と長く楽しめるものです。

今回はその後熟成の違いも実感していただこうと思い、とてもお得なビンテージ・収穫時期違いのセットをご用意しました。2012年の春茶の在庫が少なくなっているため、数を多くご用意できませんでしたが、是非この機会にその味わいの違いを体験していただければと思います。どうぞ好みの味わいを見つけてください。

凍頂烏龍茶 テイスティングセット


クレジットカード決済会社の変更を行いました。

今まで利用していたPayPalの規約変更に伴い、7月以降はPayPal会員以外のクレジットカード決済ができなくなってしまうため、ソフトバンクペイメントサービスに変更いたしました。
ご利用方法は今までと変わりませんが、クレジットカード情報の入力画面などが変更になっています。(ソフトバンクペイメントサービスサイト上でのお手続きになります)
セキュリティも向上しておりますので、引き続き安心してご利用ください。

よろしくお願いいたします。

四川雅安地震 義捐金のご報告

2013/6/13

蒙頂山

6月1日から11日までの中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。
中国の北京をベースに福建省の武夷山を訪問して、岩茶の焙煎技術のブラッシュアップと新茶の状況を確認してまいりました。武夷山での様子はまた改めてこのブログでご報告させていただきます。

・・・

4月19日に発生した四川省雅安大地震の義捐金を当店がお世話になっている蒙頂山の作り手さんにお渡ししてきました。
以前にもご報告させていただいていましたが、支援物資としてお渡しするか、中国赤十字をはじめとする支援団体へ義捐金をお渡しするか悩んだのですが、本来の目的以外に使用されてしまう可能性も捨てきれず、現地スタッフや友人たちのアドバイスもあり蒙頂山の作り手さんに直接お渡しして役立てていただくこととしました。

この蒙頂山の作り手さんは蒙頂山主峰とその周辺に茶畑を持っていますが、それらの管理を村の人々にお任せしています。彼らは茶畑を借りて茶葉を収穫するのですが、この作り手さんは非常に研究熱心な方で、無農薬はもちろん、可能な限り肥料は使わない(必要な場合は最低限の有機肥料のみ使用しているそうです)と指導しています。また、低温被害がでそうな場合は茶畑にヒーターを持ち込んで徹夜で過ごすこともあります。村の人々はこれらの指示に従って茶畑を管理していくことで、収入を保証してもらうというシステムになっています。他にも契約農家がありますが、こちらも同様です。

通常、収穫した茶葉は鮮葉を扱う市場で売りに出されます。鮮葉の価格は当然ですが、その時の品質で上下します。高い価格で売れる年もあれば、その逆もあり、茶葉栽培農家にとってはリスクもあります。買い手側、製茶側も同様ですが、中でも大きな問題は買い取った鮮葉の素性が分からないということが挙げられます。市場では美しい鮮葉でも、もしかしたら農薬を使用されていたかも、肥料を多用していたかもしれません。ある程度は茶葉を味わうことで分かりますが、全く使用していないかどうかは確信できません。

蒙頂山の一部にある小さな村ですが、この作り手さんはこの村の生活を担っている方です。役人でもなく、村長でもなく、公的には何の肩書きもない方ですが、村の人々からとても信頼されています。
私たちが訪れた際にもすれ違う村の人々から「老板!(中小企業の社長さんといった意味です)お客さん?そうそう、ウチの畑、そろそろ茶摘みできそうだから見て!」といった感じで、たくさん声をかけられていました。ご本人はとても無口な方なのですが、周囲の人が話しているのを黙って聞き、最後に的確なアドバイスをしていて、とても良い信頼関係があるのが感じられました。

蒙頂山 茶業訪問

蒙頂山

この作り手さんの奥さまにお会いしてきました。
奥さまも高級評作り手として活躍されている方で、お茶や製茶のベテランです。

とても気丈な方なので、最初は「震源から60キロも離れていたし大丈夫よ!」と話していたのですが、作り手さんと村の人々へお役に立てて欲しいとお願いして義捐金をお渡しした途端に涙ぐんでしまいました。
お話を聞いていくと、実際には人的被害は無かったものの、建物の被害は相当であったようで、まだ沢山直さなくてはならない場所があるそうです。お会いした日の数日前に丁度、花茶の製茶が終わったばかりで、これらのお茶を作るのにも例年にはない大変な苦労があったようです。これからの時期は四川高山紅茶の製造が始まります。きっと何とか例年通りに美味しい紅茶を作ってくれるとは思いますが、製茶場の修復状況によっては製茶ができない、あるいは大きな減産となってしまうことも考えられます。

また、2008年の四川大地震に比べて規模が小さかったせいか、中国でも私たちの滞在中は雅安大地震の話題は既に殆ど見かけることはありませんでした。そういった事情もあり、また政府からの支援も殆ど望めない状況で、まだまだこれからも大変な状況が続くものと思います。

義捐金にご協力いただいたみなさまには本当に感謝しております。ありがとうございました。
現地ではまだ支援が必要な状況であると思われますので、引き続き蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金に変えて送らせていただきます。

また、作り手さんより義捐金のお礼としてお茶をお預かりしております。お礼を受け取ってしまうと義捐金の意味が意味がなくなってしまうと一度はお断りしたのですが、本当に喜んでいただけたのだとと思います。義捐金に協力してくださった方に渡して欲しいとお茶をお預かりしてきました。四川のお茶をご注文いただくなど、ご協力いただいたみなさまに次回のご注文時に同梱させていただきます。数に限りがありますので、無くなり次第終了させていただきますこともご了承ください。

# 写真は私たちが訪問した際、震災前の蒙頂山の様子です。


7月7日に開催するお茶会ですが、ご予約いただき、ありがとうございます!
残りのお席が少なくなってきております。完全予約制ですので、参加をご希望される方は事前にAfter Tasteまでご予約いただけますよう、お願いいたします。

日時 2013年7月7日(日曜)13時~15時
場所 Bistro&Bar After Taste
東京都新宿区新宿3-28-16 新宿コルネやまとビル5F
03-6273-2001
新宿駅 徒歩2分 / 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩1分
料金 2500円(お茶3種以上・デザート・お土産つき)
ご予約 お席に限りがありますため、事前にAfter Taste店舗までご予約ください
( 03-6273-2001)

多くの方とお会いできるのを楽しみにしております!

お茶会のお知らせ

2013/5/31

7月のお茶会

7月は春に摘み取られた新茶がちょうど美味しくおちついてくる季節です。 鈴茶堂が世界各地をまわって厳選した美味しい新茶を中心に、After Taste自慢のデザートと共に自由に楽しむお茶会を行います。
お茶についてのお話はもちろん、お茶を探して各国を回っているお茶の旅について、ご希望があれば美味しいお茶の淹れ方など、自由にみなさまと楽しみたいと思います。

日時 2013年7月7日(日曜)13時~15時
場所 Bistro&Bar After Taste
東京都新宿区新宿3-28-16 新宿コルネやまとビル5F
03-6273-2001
新宿駅 徒歩2分 / 新宿三丁目駅 A5出口 徒歩1分
料金 2500円(お茶3種以上・デザート・お土産つき)
ご予約 お席に限りがありますため、事前にAfter Taste店舗までご予約ください
( 03-6273-2001)

多くの方とお会いできるのを楽しみにしております。


手摘み川根茶 2013年一番茶
手摘み川根茶 2013年一番茶

昨年のご紹介では予約分のみで完売してしまった人気の川根茶ですが、今年は通常販売も行っています。

この川根茶は一般には流通せず、毎年口コミによる茶農家さん自身の直接販売だけで完売してしまう知る人ぞ知る名茶です。大井川の上流、標高が高く山深い場所の川根町は静岡県の中でも気温が低く、最も茶摘みが遅い場所の1つです。高冷地でじっくりと育てられた茶樹は完全無農薬で大事に育てられています。

完全に手摘みで作られる上質な川根茶です。川根茶の中でも非常に上質なもので、一般的には100gあたり3~4000円で販売されるお茶です。茶農家さんのご好意でかなり価格を抑えてご提供させていただくことができました。

日本茶が苦手という方でも美味しく楽しめる日本茶です。
是非この機会に日本の美味しいお茶もお楽しみください。


6月1日から11日までのあいだ、中国出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
度々のお休み、大変申し訳ありません。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で4日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

インドネシア・プンチャック

2013/5/20

インドネシア・プンチャック

インドネシアはインド、スリランカ、ケニヤに続く紅茶生産国として知られています。その歴史は古く、オランダ統治時代(1690年代)に茶樹が持ち込まれたことから始まります。その後、各国の資本が入ることとなり、プランテーション方式での茶園運営が今も行われています。私たちが良く知っている日東紅茶もその1つで、紅茶だけでなく、「やぶきた」種による緑茶生産も行われているそうです。

インドネシアでは西ジャワを中心にお茶の生産が行われています。プンチャック(Puncak)峠はその1つで、標高800〜1200mにもなるこの地域は雨や霧が多く、お茶の栽培に適しています。

私たちはそのプンチャックの茶産地を訪れてきました。

プンチャックパス

ジャカルタの渋滞を避けるためと標高の高いプンチャックの茶畑に霧が出てしまうことを避けるために、ジャカルタを出発したのは早朝の5時。まだ日が昇りはじめた、まだ暗い中を出発します。朝早いために渋滞はまだ発生していませんが、それでもかなりの交通量です。
プンチャックパスと呼ばれるこの峠道は、高速道路が整備するまで、ジャカルタとバンドゥンを結ぶ重要な道路として知られていました。

プンチャック

ジャカルタを出て2時間程度でプンチャックに到着しました。この地域は茶産地としてだけでなく、避暑地としても有名な場所です。それを裏付ける様に美しい景色が広がっています。標高が高いために気温はかなり低く、ジャカルタでは30度を越えるような暑さであったにも関わらず長袖の上着が必要になるほど寒い状態です。このあたりの平均気温は18〜22度です。

目の前に広がる茶畑はアッサム系の大葉種です。茶葉は人の手の大きさほどの大きさになります。

プンチャック

しばらくすると摘み子さんたちが茶畑にやってきました。
この地域では年間を通して茶摘みを行うことができます。そのためか、通常、大葉種の経済的寿命は3〜40年と言われているのですが(経済的寿命を越えると茶葉の生産量が少なくなります)、プンチャックでは10年ほどで茶樹の入れ替えを行うそうです。

Gunung Mas

製茶工場の入り口はジャカルタ方向へ峠を少し下った場所にあります。
私たちが訪問したのは今回見学したGunung Masという国営企業です。Teh Waliniというブランドで紅茶と緑茶を製造しています。山裾に広がる敷地は広大で、従業員の住居も敷地内にあります。あまりにも広いため、敷地内の移動はバイクや車が必要です。
ここではお茶だけでなく果物の栽培も行なっています。
残念ながら、この日は製茶工場の休日にあたってしまい、工場の見学はできませんでしたが色々なお話を伺うことができました。

インドネシアで作られるお茶のうち、良質なものは国外へ輸出されます。癖がなく柔らかい味わいのため、多くはブレンド用茶葉として使われています。そのため、インドネシアのお茶というと私たちには馴染みが薄いのですが、有名なリプトンもインドネシアの紅茶を多く買い付けていることからも、実際は結構口にしていることも多いのかもしれません。
インドネシアの人々が飲むお茶はジャワティーでお馴染みの茶色い水色のお茶や、それらにミントやジャスミンの香りを付けたお茶です。香りを付けたものは日本人からするとかなり強烈な香りのものが多く好まれています。

残念ながらまだインドネシアでは美味しいと思うお茶には出会えていません。
プンチャックではありませんが、最近では台湾から作り手を呼び、紅茶だけでなく台湾式の烏龍茶の製造を始めた地域もあります。また中国から技術を受け継ぎ、白毫銀針などの白茶を製造しはじめた地域もでてきました。
いつか美味しいインドネシアのお茶をみなさまにご紹介できる日がくることを楽しみにしています。


手摘み川根茶 2013年一番茶
手摘み川根茶 2013年一番茶

昨年のご紹介では予約分のみで完売してしまった人気の川根茶が今年も入荷いたします。

この川根茶は一般には流通せず、毎年口コミによる茶農家さん自身の直接販売だけで完売してしまう知る人ぞ知る名茶です。大井川の上流、標高が高く山深い場所の川根町は静岡県の中でも気温が低く、最も茶摘みが遅い場所の1つです。高冷地でじっくりと育てられた茶樹は完全無農薬で大事に育てられています。

中国茶がメインの当店ですが実は中国茶にこだわっている訳ではありません。美味しく、安全に楽しんでいただけるお茶をご紹介したいと、日本や中国、台湾をはじめ、インドやマレーシア、タイ、インドネシアなども茶畑の確認も含めて行っているのですが、なかなか中国と台湾以外には広げられないというのが現状です。そんな中、これは美味しいと私たちも納得できる日本のお茶がありました。それがこの川根茶です。

この茶農家さんでは品質を確保するため1番茶のみの生産となり、私たちが確保できる量にも限りがあります。そのため、今年も昨年同様に予約販売という形を取らせていただきます。(ご予約分以上の量が確保できた場合は通常販売も行う予定です。)
ご予約いただいた場合はお得な事前予約特別価格(メール便送料込)でご提供させていただきます。通常販売を行う場合は価格が変わりますのでご了承ください。
完全に手摘みで作られる上質な川根茶です。川根茶の中でも非常に上質なもので、一般的には100gあたり3~4000円で販売されるお茶です。茶農家さんのご好意でかなり価格を抑えてご提供させていただくことができました。

是非この機会に日本の美味しいお茶もお楽しみください。

金華 野生茶
金華 野生茶

野生茶は浙江省金華市に住む私たちの友人のお母様が毎年春になると手作りしているもので、本来は名前のない自家製茶です。野生茶樹から作るお茶のため、いつしかみんな野生茶と呼ぶようになりました。

この地域では自家消費用のお茶はその家を守る主婦が作ります。春になると各家庭の主婦は所有する畑の片隅にある茶樹などから茶摘みし、その年のお茶を作るそうです。この友人のお母様はそういった茶樹よりも安全で美味しいものを飲んで欲しいという思いから付近の山に登り、そこで自生する野生茶樹から茶葉を摘んでお茶を作ります。

たまに見つけることができる、工場で作られている「野生茶」とは全く違います。素朴で身体に染み込むような甘さと優しさは古くからの茶産地ならではの味わいです。


6月1日から11日までのあいだ、中国出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
度々のお休み、大変申し訳ありません。

5月30日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日31日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、5月30日中に入金確認ができたご注文を5月31日に発送させていただきます。それ以降のご注文は6月12日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で4日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。

新茶 第2弾 入荷しました & 発送業務お休みのお知らせ

2013/5/7

浙江省

入荷が遅れていた新茶が入荷しました。

第2弾はとても珍しい野生茶と普洱茶(プーアル茶) の新茶です。

金華 野生茶
金華 野生茶

野生茶は浙江省金華市に住む私たちの友人のお母様が毎年春になると手作りしているもので、本来は名前のない自家製茶です。野生茶樹から作るお茶のため、いつしかみんな野生茶と呼ぶようになりました。

この地域では自家消費用のお茶はその家を守る主婦が作ります。春になると各家庭の主婦は所有する畑の片隅にある茶樹などから茶摘みし、その年のお茶を作るそうです。この友人のお母様はそういった茶樹よりも安全で美味しいものを飲んで欲しいという思いから付近の山に登り、そこで自生する野生茶樹から茶葉を摘んでお茶を作ります。

標高約800mの中国特有の急斜面の山を登り、1日ずっと茶摘みをして回っても1日で作れるお茶の量はたった250gだそうです。山が厳しいうえに野生茶樹は成長が遅く、また点在して生えているために折角山に入っても少しずつしか摘めないそうです。そうして苦労して摘み取った茶葉は、夜を徹してお茶に加工されます。

薄い金色の透明なお茶は表面に艶もあり、自家製茶とは思えない品質です。香りは若干弱いものの、花の香りと豆のほっこりした香りが感じられます。味は驚くように甘く、自然な、身体にすっと入ってくるような優しい味わいは、農薬はもちろん、肥料すらも与えられずに自然のままに育ってきた野生茶樹の美味しさです。製品化されているお茶には無い、上品で優しい美味しさがあります。

今回は友人にお願いして鈴茶堂でご紹介するように譲っていただきました。
数に限りがあるお茶ですので、是非お早めにご注文ください。

もう1つの新茶は普洱生茶の班盆 早春茶です。

班盆 早春茶
班盆 早春茶

雲南省の有名な布朗山、その中にある老班章と程近い班盆という村で作られた2013年の普洱生茶です。今年に最初に摘み取られた茶葉で作られたお茶です。
完全に手作業で作られているため、良くある小沱茶の形ではなく、単純に丸めただけの形をしています。

先にご紹介させていただいている、班盆古樹純料谷花茶 2012年の妹分のようなお茶になります。

薄い金色の透明度が高いお茶は蜜のような、甘い樹液を連想するような香りと、ミネラル感のある深みのある甘さが心地よい美味しさです。とても柔らかく、出来たばかりの普洱生茶とは思えないような優しさは、班盆ならではの味わいです。

今はとてもフレッシュで美味しい味わいが楽しめますが、年月と共に緩やかに熟成もしていきます。段々と味に今とは違う深み、甘さが感じられるように変化し、5年、10年と経過したものは上質なブルゴーニュワインのような深みのある味わいになっていきます。
時間と共に変わっていく香気や味わいも楽しんでいただけるお茶です。

普洱茶はかび臭い、美味しくないと思っている方にも是非お勧めです。普洱生茶の美味しさをぜひ味わってみてください。

岩茶 慧苑肉桂
岩茶 慧苑肉桂

新茶ではありませんが、とても美味しい武夷岩茶、慧苑肉桂が入荷しました。
慧苑坑という特別な場所で摘み取られた茶葉から作られているため「慧苑肉桂」と呼ばれています。

慧苑坑という場所は正岩茶区の中心となる特別な地域です。その場所で育った武夷岩茶は特別な香気と味わいを持っています。正岩茶ならではの味わい、岩韻が素晴らしいこのお茶は、むせ返るような見事な花果香と質の良い岩茶特有の蜜蝋のような深み、ミネラル感、甘味がとても上品なバランスで同居しています。

岩茶本来の美味しさを知るのに最適な、最高のお手本のような武夷肉桂です。


6月1日から11日までのあいだ、中国出張・研修のため、発送業務をお休みさせていただきます。
度々のお休み、大変申し訳ありません。

5月30日21時までにクレジットカード・代金引換によるお支払い方法をお選びいただいたご注文は翌日31日に発送させていただきます。銀行振込やゆうちょ銀行送金などのお支払い方法をお選びいただいた場合は、5月30日中に入金確認ができたご注文を5月31日に発送させていただきます。それ以降のご注文は6月12日以降の発送となります。

発送業務をお休みさせていただいている期間も、ご注文は変わらずお受けいたしておりますが、ご注文確認のメールやお問い合わせの返信メールなどにいつもより少しお時間をいただく場合がございます。ネット接続環境が不明な場所へも行くことを予定しておりますため、ご返信などに最長で4日程度のお時間をいただくことも予想されます。

ご不便をおかけしますが、どうぞご了承いただけますようお願いいたします。


蒙頂山 茶業さん

四川省雅安市の地震について、多くの方にご心配いただき、またご配慮をいただき、本当にどうもありがとうございました。

みなさまにご購入いただいた四川のお茶の売上の一部を雅安市蒙頂山の茶業さんを通して寄付させていただくことにしました。
以前にもブログで紹介させていただいた茶業さんで、公的な役職などには何も就いてはいないのですが、実質的な村の世話役で、その村の茶葉農家を抱え、栽培技術の指導を行っています。
とても村人の信頼の厚い方で、私たちも何度かお会いして信頼しています。
必ず地域の復興のために役立ててくれると思います。

蒙頂山 茶業訪問

義捐金の送付先は中国赤十字をはじめ、いくつかの支援団体を検討しましたが、本当に被災された方まで支援が届くかどうか確信が持てない状況で、私たちがもっとも信頼できる、そして被災されたご本人とその村にお渡しさせていただくことにしました。
どうぞご理解いただければと思います。

今後も当面の間、継続して蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

台湾茶の輸出木箱

2013/5/6

台湾茶藝

台湾でのお茶の老師をお伺いし、貴重なお茶などを沢山見せていただきました。

老師は台湾では有名な茶商さんでもあります。台北の多くのお茶屋さんや卸店、台湾では誰もが知っているようなお茶屋さん(というよりも、日本では台湾ならではのお茶系飲料を開発したお店として有名かもしれません)へ茶葉を卸しているというだけでなく、普洱茶鑑定の権威でもあり、台湾で普洱茶関係の書籍が出版される際にはその鑑定の依頼が来るという方でもあります。当然ながら老師のところには沢山の貴重な普洱茶が沢山あります。

また、台湾茶藝の先生でもあり、素敵な茶室を持っていらっしゃいます。上の写真はその老師の茶室です。

台湾茶の輸出木箱

その老師のところにあった昔の台湾茶の輸出木箱です。
これは台湾の包種茶の木箱です。何と中身もそのまま入っているとのこと。まだ当分は開けるつもりはないそうです・・・
鈴茶堂でも40年ものの包種老茶を取り扱っていますが、包種茶の老茶は本当に美味しいです。普通に探すと3〜5年の若い老茶や年数を偽ったものが多く、きちんと年月を経た柔らかな老茶はなかなか出会えません。

色種の輸出木箱

こちらは大陸・福建省産の色種の輸出木箱です。1981年とあります。こちらも中身入り・・・どんな状態になっているかは分かりませんが、状態が良ければ火入れなどの手入れをして、まだ飲めるのではないかと思います。開ける際には是非呼んでいただきたいと思います。(笑

普洱茶の権威である老師ですが、台湾茶にもとても造形が深く、色々と教えてくださいます。
当店の香檳烏龍茶、石錠の青心烏龍種から作られている東方美人ですが、その美味しさに驚かれた方も多いと思います。台湾茶の中では凍頂烏龍茶に並んでリピートの多いお茶です。
その香檳烏龍茶を自ら監修して作ったのが老師です。本当に丁寧に作られていて、実際、私たちも驚くほどに素晴らしい香檳烏龍茶なのですが、これを手頃な価格で譲っていただけたのも老師のおかげです。(普通であれば現在の価格で提供できないような品質です。)

普洱茶から台湾茶、台湾と大陸の鉄観音についてなど、この時も沢山のお茶を試させていただき、そして色々と教えていただきました。また、台中では沢山の方のご好意で、素晴らしい作り手さんや茶人のみなさまに引きあわせていただき、沢山の茶縁を広げることができました。
本当にお茶の縁というものは凄いのだなと改めて実感させていただいた訪台になりました。


10905.8
1970年代 重庆乌龙沱茶(重慶烏龍沱茶)

老師から特別に譲っていただいた貴重な重慶沱茶です。
重慶「烏龍」沱茶となっているのは、これが烏龍種から作られているからです。今ではその姿を消してしまいましたが、昔は重慶でも烏龍在来種がありました。その烏龍在来種から晒日緑茶を作り、現在もある沱茶と同様の作り方をしたのがこのお茶です。香港乾倉での熟成を経て、香港返還直前に台湾へ移した貴重な重慶沱茶です。
貴重というだけでなく、とても美味しいお茶です。重慶沱茶特有の药香からはじまり、煎を重ねていくとナッツ系の美味しい烏龍茶といった感じになります。15煎も越える頃には茶気も消えて、甘い旨みが続く美味しい烏龍茶に変化します。

10905.7
7542青饼(青餅) 中茶牌 1995年

こちらも老師が鑑定した孟海茶厂(孟海茶廠)の名レシピ、7542の普洱生茶です。1995年に製造され、香港と台湾の乾倉で熟成を行った非常に美味しい生茶に仕上がっています。
古いだけの普洱茶は探せば本物、偽物問わず見つけることができます。しかし保存状態によって普洱茶は全くその美味しさが違ってきます。この7542は非常にバランスが良く、厚みもあり、芳醇という言葉が相応しい美味しさです。カビ臭いということは全くなく、生茶の尖った感じもなく、ビンテージのブルゴーニュワインのような繊細な広がりがあります。

陳文濱老師 工房訪問

2013/5/2

陳文濱老師 工房訪問

台中ではお茶の縁がきっかけで知り合うことのできた、陳文濱老師の工房を訪問させていただきました。

陳文濱老師は台湾ではもちろん、海外でも数多くの賞を受賞されている芸術家です。作陶家というだけでなく、陶刻家としても。そして漆を使った芸術作品も多く発表されている漆陶人として知られています。

陳文濱老師ご自身もお茶が好きとのことで、工房には自らお作りになった茶器が沢山飾られています。ご自分で使うためとのことでしたが、どれも素敵な茶器で、使いやすい工夫がされていたのが印象的でした。

陳文濱老師 工房訪問

沢山のオーダーが入っているそうで、工房には作業中の作品が所狭しと並んでいます。
中にはとても可愛らしい小さな茶壷もあったのですが、これは別の作品の素材になるとのこと。そのままでも十分使えるのに何となく勿体無いような気がしてしまいますが、どんな作品になるのか楽しみです。

陳文濱老師はとても穏やかで優しい雰囲気を持っている方で、作業中におじゃましてしまったのにも関わらず、作陶のこと、茶器のこと、漆のことなど沢山のお話を聞かせていただきました。

陳文濱老師 工房訪問

茶器の他にも大きな作品も見せていただきました。

こちらは陶器に漆を使っている作品で、不思議な質感と色合いがとても綺麗でした。実際に見るとかなり大きく、迫力がありながらも優しさもあるような、老師の人柄が分かるような素敵な作品でした。

陳文濱老師 工房訪問

これは私が一番気に入った作品です。かなり大きな作品で、とても迫力があります。
陶器に漆を塗って焼き上げたものだそうです。不思議な色合いと質感は漆によるものなのですね。見る角度を変えると色合いと質感がまた異なって見えます。素敵で不思議な作品です。

作業中におじゃましてしまったのにも関わらず、作業の手を止めてニコニコともてなしていただき、とても良くしていただきました。
ありがとうございました。


明前 四川玖瑰紅茶
明前 四川玖瑰紅茶

人気の高い四川高山紅茶の姉妹版とも言える四川玖瑰紅茶が入荷しました。
通常の四川高山紅茶は今頃から初夏にかけて作られますが、これは緑茶と同じような早春に摘み取られた繊細な茶葉を使用して作られた紅茶です。「玖瑰(メイグイ)」と名前にあるのはバラのような香りがあるからです。
一般的に言われる「玖瑰紅茶」は後からバラの香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ですが、この紅茶は違います。茶葉本来の香りがまるで可憐なバラのような、甘い繊細な紅茶です。

特級 蒙頂黄芽
特級 蒙頂黄芽

黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

四川省雅安市は4月19日に大地震が発生して大きな被害が出ておりますが、これらのお茶は震災前に製茶、輸入されたものです。幸い、現地関係者に大きな人的被害はありませんでしたが、建物の一部崩壊などが発生し、今も懸命に復旧作業に努めています。鈴茶堂では出来る限りの支援を行っていきます。
鈴茶堂では当面の間、蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

杉林渓茶区

2013/4/29

蒙頂緑茶や雲南緑茶の新茶ですが、多くの方にご注文をいただき、本当にありがとうございました。
一時期、ご注文が大変混み合い、通常よりも発送にお時間をいただいておりました。
ご迷惑をおかけして、申しわけありません。

現在は通常通り発送させていただいております。
どれもとても美味しい新茶です。この機会に美味しい中国緑茶をお試しください。

杉林渓茶区

凍頂烏龍茶の凍頂茶区を更に奥へ向かい、かなり斜度のきつい斜面を登って行くと杉林渓茶区があります。
このあたりは標高1600mを軽く超えたあたりで、何と雲海の上に茶畑が広がっています。見渡す限りの雲の上の茶畑は、幻想的でとても美しい光景でした。

11月中旬といっても汗ばむほどの暑さを感じる程でしたが、ここ杉林渓茶区は寒くて震えてしまうほどに気温が低い状態でした。標高が高く、麓との温度差がかなり大きいようです。
この日はちょうど冬茶の摘み取りが始まった日で、杉林渓茶区の中でも最も標高の高い、気温の低い茶畑から摘み取った茶葉の製茶が始まっていました。

杉林渓茶区

この製茶場は茶畑と同じように標高の高い場所にあります。何でも麓で製茶を行うと、せっかく標高の高い場所で摘み取った茶葉も味わいが変わってしまうとか。摘み取った茶葉を麓の製茶場へ運ぶために、猛スピードで茶葉を摘んだ軽トラックが下っていくことも多いなか、この作り手さんの茶葉は山を登ってくることもあるそうです。

摘み取った茶葉を日光萎凋しています。
まだ茶摘みが始まったばかりで茶葉の量が少ないのですが、最盛期には茶葉が一面に敷き詰められます。周囲には茶葉から香る花の香りが充満していました。まるで目の前に本物の花があるかのように錯覚するような香りで、改めて茶葉の力を感じさせられます。

萎凋をしている場所は製茶場の最上階にあるガラス張りの温室のようなところです。周囲はすっかり気温が低くて寒いほどですが、ここは日の光で暖められていて暖かいです。
屋根は開閉式になっていて、気温の高い春茶の時期には屋根を開放して日光萎凋を行うそうです。標高が高いため、気温が低くなりがちな高山茶ならではの工夫ですね。

杉林渓茶区

こちらは団揉機です。
台湾茶に多い丸い形状の茶葉をつくるために行う作業、「団揉」を行う機械です。軽く乾燥まで終えた茶葉を布袋に入れて硬く締め付けます。大きなボール状にしてから、この団揉機にかけてゴロゴロ転がしながら茶葉を丸めていきます。
途中、何度か布袋の中の茶葉を取り出して、絡み合った茶葉を解きほぐし、再度「団揉」を行います。これを何度も繰り返していくと、綺麗な球形のお茶になります。

家族総出で冬茶の製茶を行なっている忙しい最中にも関わらず、快く製茶の様子を見せていただきました。みなさん真剣に無言で黙々と作業を行なっているのが印象的でした。


2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 特級 明前 蒙頂甘露

今年は春が来るのが早く、四川でも例年より早く茶摘みがはじまりました。蒙頂山茶区でも標高の低い地域では3月上旬からはじまっていたようです。

私たちがお願いしている蒙頂の作り手さんは蒙頂山の中でも主峰、その中の標高1200m付近にある茶畑の茶樹から1つ1つ手摘みした茶葉にこだわっているため、他の地域よりも気温がなかなか上がらず、茶摘み日が一般的なものよりも1週間ほど遅くなっています。
蒙頂山はとても気温差が大きく、麓では汗がにじむ程暑くても、山の上の方は寒くて震えてしまうような場所です。気温が低く、寒暖差が大きい分、とても美味しい新茶です。

今回、蒙頂甘露は等級の異なる2種類を入荷しました。どちらも個性の異なる美味しいお茶です。
これらの等級の違いをお試しいただけるよう、これらをセットにした蒙頂甘露テイスティングセットもご用意いたしました。

2013年 蒙頂甘露テイスティングセット

2013年 特級 明前 蒙頂石花
2013年 特級 明前 蒙頂石花

日本ではあまり馴染みのない蒙頂石花ですが、その歴史は古く、中国の銘茶の中では最も古いお茶とも言われています。
蒙頂石花にはいくつかのタイプがあります。
大きくは伝統的な製法によるものと、それらを改良した製法によるものに分けられます。昨年にご紹介した蒙頂石花は後者の伝統的な製法を改良したタイプですが、今年は伝統的な製法による蒙頂石花を選びました。摘み子さんたちが1つ1つ手摘みし、製作り手の方が最低限の機械しか使わずに真剣に丁寧に作った真面目なお茶です。

これらの蒙頂緑茶を組み合わせたお得なセットもご用意しました。

2013年 蒙頂緑茶セット

思茅 早春茶
思茅 早春茶

中国国内でも流通の少ない雲南緑茶の新茶も入荷しました。
多くの雲南緑茶は柑橘系の香りがありますが、この早春茶は桜餅のような香りがあります。雲南紅茶を連想させるような、深みのある優しい甘さが感じられる美味しい雲南緑茶です。

とても美味しい、この桜餅のような甘い雲南緑茶をお求めやすいお値段でご紹介することができました。ぜひ毎日のお茶としてお楽しみください。

2013年 新茶 入荷しました

2013/4/26

蒙頂茶

4月の中国出張では発送業務をお休みさせていただき、みなさまにはご不便、ご迷惑をおかけしました。

今回は緑茶の新茶を中心に選んできました。
日本人は新茶に対して特別な思いを持っています。本来は中国茶も日本茶も、できたての新茶ではなく、少し時間をおいて落ちつかせたお茶のほうが味わい深いのですが、やはり春の訪れを知らせる新茶は特別です。これは中国の人々にも同じような感覚があるようで、日本ほどではありませんが、お茶市場ではいつもとは少し違う、なんとなく浮足だったような雰囲気に包まれていました。

今年は中国でのお茶の価格が下がったと言われています。政府が高額な接待や贈り物を禁止したため、一番の贈り物とされてきたお茶の需要が少なくなったからのようです。確かに春の新茶でいつもとは違う雰囲気の市場ではあるものの、例年よりも人出が少ないような感じでした。
では確かにお茶の価格が下がったのかというと、実際に価格が下がったお茶は普通には手が出ないような超高額のお茶に限定されていたようです。まさに贈り物とされてきたお茶が対象となっていたようで、それ以外のお茶は例年通りか、物価や人件費の上昇に合わせて値上がりしています。ちょっと残念ですが、市場価格とは関係なく、昨年の取引量が予想を超えるものであったおかげで、私たちが取引させていただいている作り手さんや茶業さんたちからは少し抑えた価格で提供していただくことができました。今年の緑茶は昨年よりも少しお求めやすい価格になっています。これもご利用いただいているみなさまのおかげです。どうもありがとうございます。

蒙頂茶

今年も鈴茶堂では四川の緑茶を選びました。
各地の作り手さんや茶業さんからから沢山のサンプルをいただき、様々な地域の緑茶を試飲してきましたが、やはり、昨年と同様に四川の作り手さんの作る緑茶が一番美味しく、他のお茶とは違う魅力がありました。
特に今年は蒙頂甘露の出来が素晴らしく、貢級と特級、2つ等級の蒙頂甘露をご紹介することにしました。どちらも素晴らしく美味しく、それぞれの個性が違うので選びきれませんでした。貢級は最高品質の蒙頂甘露です。とても小さな萌葉が白毫(シルバーチップ)に覆われていて、まるで銀粉のような美しい茶葉です。素晴らしい香りと繊細で上品な味わいで、初春を感じさせる緑茶になっています。特級はそれよりも少し成長した茶葉で作られ、繊細な貢級に対して、ふくよかで、キャラメルビスケットのような香りと甘味を持つ日本人好みのお茶に仕上がっています。

2013年 貢級 明前 蒙頂甘露
2013年 特級 明前 蒙頂甘露

蒙頂石花は伝統的な製法で作られたタイプに変わりました。四川では蒙頂甘露よりも好まれているお茶で、昨年ご紹介したものは伝統的な製法を更に改良した作り方で製茶されたタイプでした。今年は伝統的な製法で作られたタイプをご紹介します。また違った美味しさをお楽しみいただけると思います。あまり日本では知名度のないお茶ですが、味わいは名前の知られている蒙頂甘露よりも日本人好みです。今年の蒙頂石花は甘味に加えて、塩気を感じるような上質な美味しさがあります。

2013年 特級 明前 蒙頂石花

もう1つ、雲南の緑茶も選びました。
雲南省南部にある思茅地域で作られた早春茶です。今年最初に摘み取られた茶葉から作られている緑茶です。
雲南緑茶というと柑橘系の果物の香りのあるものが多いのですが、この早春茶は甘い桜餅のような香りがあります。それだけでなく、雲南紅茶を連想させるような甘い味わいがとても美味しく、これは是非ご紹介させていただきたいと思い、入荷することにしました。

思茅 早春茶

新茶は緑茶だけではありません。

人気の高い四川高山紅茶の姉妹版とも言える四川玖瑰紅茶も入荷しました。
通常の四川高山紅茶は今頃から初夏にかけて作られますが、これは緑茶と同じような早春に摘み取られた繊細な茶葉を使用して作られた紅茶です。「玖瑰(メイグイ)」と名前にあるのはバラのような香りがあるからです。
一般的に言われる「玖瑰紅茶」は後からバラの香りを添加したり、花茶のように花の香りを移した紅茶ですが、この紅茶は違います。茶葉本来の香りがまるで可憐なバラのような、甘い繊細な紅茶です。

明前 四川玖瑰紅茶

他にも珍しい黄茶、蒙頂黄芽も入荷しています。
黄茶は皇帝献上茶として珍重されてきましたが、生産数が少なく、今ではなかなか見つけられない貴重なお茶です。独特の風味をもつものが多く、好みが大きく分かれるお茶でもあるのですが、この蒙頂黄芽は誰もが美味しいと思うような品格のある黄茶に仕上がっています。
この蒙頂黄芽を作っている作り手さんはとても真摯で真面目な方で、農閑期には大学で製茶について教鞭を取っています。その作り手さんが蒙頂黄芽をより美味しくするために研究して作りだしたお茶です。伝統的な製法を守りながらも技術を少しずつ改善していった集大成ともいえるこの蒙頂黄芽は、私たちが知っているどの黄茶よりも遥かに美味しいお茶になっていました。

特級 蒙頂黄芽


雅安
雅安市雨城区 2012年

これらのお茶が作られた四川省雅安市では4月19日、大地震が発生、大きな被害が出ております。
私たちとお付き合いのある蒙頂山および雅安の作り手さん、茶業さんたちには幸いなところ、軽傷はあったものの、大きな人的被害はありませんでした。しかしながら、被害の大きい地域と近い地域のため、揺れが激しく、建物の一部倒壊などがあったそうです。今も余震が続く中、懸命に復旧作業に努めています。

当店でご紹介する四川茶は全て震災前に製茶、輸入されたものです。

今年の新茶はどれも捨てがたい位に美味しいお茶ばかりです。それだけに四川雅安地震は本当に辛く、毎日ニュースを見ては心が締め付けられるような思いでいます。幸い、私たちの友人や知人に人的被害はなかったものの、何度か訪れているこの雅安とその周辺では日本人だということで、前回の四川大地震での日本の支援に対してお礼を伝えてもらったり、東日本大震災を心配していただいたりと、とても良くしていただきました。素朴で優しく、素敵な地域です。

被害が最も酷いと伝えられる地域は、平常時でも細い山道に落石や崩落が頻発しているようなところで、地図ではほんの2時間程度の場所でも実際に移動してみたら5時間もかかるような場所です。救助や支援活動が難航しているようですが、安否が分からない方々がどうかご無事でありますように、そして被災された皆様が早く安心出来るよう、祈らずにいられません。そして亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げます。
出来ることから、何かお手伝いができたらと思っています。

鈴茶堂では当面の間、蔵茶、蒙頂茶などの四川のお茶の売上の一部を義捐金または支援物資に変えて送らせていただきます。

台湾・凍頂 再訪

2013/4/21

凍頂

昨年の11月中旬、凍頂烏龍茶の冬茶、打ち合わせのため、台湾南投県鹿谷郷の作り手さんを改めて訪問してきました。

2012年の冬はなかなか気温が下がらず、私たちが訪れた11月中旬も暑さを感じるような気温で冬茶の摘み取りは凍頂の中でも一部でしか行われていませんでした。鹿谷郷の町も出来たばかりの冬茶を販売しているのは観光客向けのみといった感じで、嵐の前の静けさのような、静かさの中に熱気を保っているような不思議な雰囲気に包まれていました。
この年は天候に恵まれず、凍頂ではありませんが、同じ南投県の渓頭では気温が下がらない上に雨が多く、高山茶を作っている作り手さんは冬茶の製造を見送ったりと、お茶にとっては厳しい年でした。

私たちがお世話になっている作り手さんは一般的な「冬茶」と呼ばれる時期のものよりもずっと気温が下がった、遅い時期に摘み取り、製茶を行います。作り手さんによっては「冬片」と呼ばれる時期のお茶ですが、この作り手さんは「春茶」と「冬茶」のみ。気温がしっかり下がって、茶樹がベストなタイミングになったら作るというシンプルな信念で冬茶を作っています。
ただし、リスクも大きく、気温が十分に下がる時期まで茶摘みを待っていると予想外の降霜や降雪などで冬茶の製造が全くできないということもあります。以前、温暖な気候である凍頂でも予想外の降雪があり、その年の冬茶が殆どできないということがありました。作り手さんにとっては冬茶の製造ができない、つまり冬場の収入が全くないということに繋がり、死活問題にもなってしまいます。そのため、最近は以前は秋茶と呼ばれていたような時期に、早め早めに冬茶として茶摘を行うように変化してきているようです。(前述の渓頭の作り手さんはそういった意味では本当に断腸の思いで冬茶の製造を断念されたのだと思います。とても真面目に、真剣にお茶を作る方で、こちらは改めてご紹介させていただければと思っています。)

顧景舟大師の茶壷

私たちが訪れたこの時期もそんな時期で、周囲の作り手さんたちは茶摘みのタイミングを計っていた時期でしたが、この作り手さんは「うちはこの分だと12月だからね。まだまだ先。」とのんびりと構えていました・・・周囲の作り手さんは明日、茶摘みを始めるかどうかとピリピリしているというのに、この作り手さんのところだけは至って普通の雰囲気。何とも不思議な感じです。

この作り手さんは凍頂に大陸から持ち込まれた茶樹を受け取って以来、代々製茶を続けている家系で、私たちの訪問に合わせて高齢の先代まで出迎えてくださいました。普段は息子さんに任せている先代ですが、今も要人向けの特別なお茶の製茶や出来上がったお茶の最終チェックは先代が必ず確認しているそうです。といっても、息子さんも私たちよりもずっと年上のベテランの作り手さんです。まだまだ任せておけないということなのでしょうか?とても頑固な職人気質の先代です。

凍頂烏龍茶を等級別や製茶年別にテイスティングさせていただきながら、お茶作りについて、これから作る冬茶や美味しい淹れ方などを教えていただきました。
この作り手さんは製茶技術はもちろんのこと、焙煎技術が非常に高く、一般的な凍頂烏龍茶よりもずっと水分を少なく仕上げることができます。普通はそこまで水分を少なくしてしまうと味わいに影響が出てしまうのですが、この作り手さんのものは逆に味わいが深く、年月を重ねて楽しむことが可能になります。この時にも製造年別にテイスティングさせていただきましたが、10年近く経過したものの方が味わいが深くて柔らかい美味しさになっています。「老茶」とは別ですが、入手した人が適切に保管さえしていれば何年も楽しめるように作られています。中には何年の春茶が一番好みというのもでてきて、とても良い経験をさせていただきました。

既に当店で凍頂烏龍茶をお求めになっている方は是非、湿度と高温を避けて保存していただき、時間の経過と共に変化する美味しさを楽しんでいただければと思います。その際、冷蔵庫では保管しないでください。高温にならない場所で保管していただければ常温保存で大丈夫です。

写真の茶壷はこの作り手さんの宝物である顧景舟大師の茶壷です。話が弾んで、特別に出してきて見せていただきました。
顧景舟というのは茶壷作家の名前で、紫砂の人間国宝の様な方です。現代の紫砂作家の中ではこの方を越える作家はいないと言われ、作品は安くても数百万円、高いものは億を越える金額がつけられます。
そんな素晴らしい茶壷を実際に見せていただきました。流石に迫力を感じる作品で、言葉に出来ないような品があり、素晴らしい茶壷でした。写真が上手く撮れていないのが残念ですが・・・

凍頂

こちらは凍頂の茶畑です。この作り手さんの茶畑ではありませんが、雰囲気が伝われば。
茶畑の中に檳榔(ビンロウ)の椰子の木があるのが特徴的です。この景色を見ると凍頂に来たという実感が湧きます。


凍頂烏龍茶 2012年冬茶
凍頂烏龍茶 2012年冬茶

2012年の冬は気候が難しく、一時は冬茶の製造を断念することも考えていた程だったそうです。12月に入ってから、ようやく量は少ないものの、納得できる品質の冬茶を作ることができました。他の作り手がとっくに冬茶の摘み取りを終えるころまで充分に待ってから作られたこの冬茶は数が少ないものの、非常に良い出来の冬茶になりました。

この作り手の凍頂烏龍茶は醗酵が強く、伝統的な龍眼の炭による火入れもしっかり行うため、実質的な賞味期限がないどころか、年月を経た方がより柔らかく美味しくなります。この冬茶も本当に美味しいのは、あと数カ月後、今年の6月以降位ですが、味わいの変化も楽しめるお茶としてご紹介させていただいています。

20101.2
凍頂烏龍茶 2012年春茶

2012年の春茶です。もうすぐ今年の春茶も登場するような時期ですが、鈴茶堂でご紹介する凍頂烏龍茶の中で一番の飲み頃はこの春茶です。柔らかく深い味わいと清らかな品のある花の香りは、この作り手の凍頂烏龍茶ならではのものです。
今からがこのお茶の最も美味しい時期です。
上質な凍頂烏龍茶を是非お試しください。


雅安

4月20日に中国四川省雅安市で発生した大地震ですが、当店がお世話になっている蒙頂山の作り手さんは全員無事が確認できました。
一番被害の酷い地域からさほど離れていない場所ですので、相当に揺れが激しかったようです。建物の倒壊などはあったようですが、人に被害はないとのことです。
ご心配いただいたみなさま、ありがとうございます。

まだ情報があまり入ってきていない状態ですが、相当に大きな災害であったと思われます。今もニュースで目にする雅安市やその周辺の状況を目にして、愕然とする思いでおります。被災された方のご無事と、どうか1日も早く安心して過ごすことができるよう、祈らずにいられません。出来ることから、何かお手伝いができたらと思っています。

今年も鈴茶堂では蒙頂山の新茶をご用意しております。既に日本へは到着済です。
通関・検疫が完了次第、ご紹介させていただきます。
とても真面目に丁寧に作られている美味しい新茶です。
どうぞよろしくお願いいたします。

#写真は雅安市雨城区にある雅安廊橋で、雅安市のシンボルです。被害が少ないことを祈ります。